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ACP(アドバンス・ケア・プランニング)って何?
「もしもの話」をするのは、あきらめることではありません
「もし病状が進んだらどうしよう」
「家族に迷惑をかけたくない」
「でも、そんな話をすると不吉な気がする」
ACPは、こうした気持ちを抱えたままでも大丈夫な、“これからの医療や過ごし方”を一緒に考えるための話し合いです。
日本語では「人生会議」と呼ばれることもあります。
ACPは“終末期の話”だけではありません
ACPというと「最期の医療を決める話」と思われがちですが、実際はもっと広いものです。
- 何を大切にして生活したいか
- どこで過ごしたいか(自宅・病院・施設など)
- つらさ(痛み、息苦しさ、不安)をどう減らしたいか
- もし判断が難しくなったとき、誰に代わりに伝えてほしいか
治療を続ける/やめるの二択ではなく、
「自分らしさを守るための選択肢を増やす」ことがACPの本質です。
なぜACPが大事なの?
病気の経過は人それぞれですが、治療中でも体調が急に変わることがあります。そんなときに備えて、
- 本人の希望に近い医療・ケアを受けやすくなる
- 家族が“代わりに決める苦しさ”を減らせる
- 主治医やチームが、本人の価値観を踏まえて提案しやすくなる
というメリットがあります。
ACPは「未来の自分」と「大切な人」を守る準備でもあります。
何を話せばいい?(最初の3つで十分)
ACPは、一度で完成させる必要はありません。まずは次の3つからでOKです。
1) いま大切にしたいこと
例:家で過ごす時間、仕事、食事、旅行、痛みを少なく、家族との時間 など
2) できれば避けたいこと
例:強い苦痛、意識がない状態が長く続くこと、延命だけが目的の医療 など
3) 代わりに伝えてくれる人(代理の意思決定者)
「もし自分が話せなくなったら、この人に気持ちを伝えてほしい」という人を決めておくと安心です。家族でなくても構いません。
よくある誤解
- ACPをしたら治療は止まるの?
→ いいえ。治療を続けながらでも行います。むしろ、治療の目的や優先順位を整理するのに役立ちます。
- 一度決めたら変えられない?
→ 変えられます。気持ちや状況に合わせて更新してよいものです。
- 主治医に言いにくい…
→ 言いにくさがあるのは自然です。「まだ決められないけれど、不安があります」でも立派なACPの入り口です。
診察室で使える言い方(そのまま言えます)
- 「今後のことが不安なので、ACP(人生会議)について相談したいです。」
- 「治療の目的(延命・症状緩和・生活の質など)を理解したいです。」
- 「もし急に悪くなった時、家族が迷わないように話しておきたいです。」
- 「痛みや息苦しさが出た時の対応も含めて教えてください。」
“書く”のはメモで十分
特別な書類がなくても、スマホのメモで構いません。
おすすめは以下のテンプレです。
ACPメモ(例)
- 大切にしたいこと:____
- 避けたいこと:____
- 代理で伝える人:____(連絡先:____)
- 今の治療で一番心配なこと:____
- 次の診察で聞きたいこと:____
さいごに
ACPは、重い決断を迫るためのものではありません。
“自分らしく生きる”ために、医療者と同じ地図を持つ作業です。
不安がある時こそ、早めに話題にして大丈夫です。
参考資料
人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)こちら[17.8MB]