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がんと診断された時の病院選びについて
~納得のいく治療を受けるために、まず知っておきたいこと~
「がんです」と告げられたとき、ほとんどの方は深いショックとともに、「これからどうすればいいの?」という戸惑いに包まれ ます。その中でまず考えるのが、「どの病院で治療を受けるべきか」ということです。
どんな病院を選ぶべき?
がん治療においては、「がん診療連携拠点病院」や「大学病院などの専門性の高い施設」が基本的な選択肢となります。特に、 手術・薬物療法・放射線治療などを組み合わせた集学的治療を行う体制として外科だけでなく、腫瘍内科や放射線治療科などの診療科が整っており、専門の医師や看護師、薬剤師、リハビリスタッフ、ソーシャルワーカーなどがチームで診療が行われている病院が良いと思います。
また、がんの種類によっては、「そのがんを専門にしている施設」や「多くの症例を扱っている病院」を選ぶことが望ましい 場合もあります。たとえば、希少がんやAYA世代(若年成人)のがんでは、専門施設に相談することで、より高度な治療が可能に なります。
紹介状の活用と「転院」という選択
現在のかかりつけ医や近くの病院でがんと診断された場合でも、「もっと専門的な治療を受けたい」「別の病院でも意見を聞きたい」と感じたら、紹介状をもらって転院することは可能です。しかしながら、がん治療が始まり、治療中に別の病院に転院することは 容易ではありません。転院を希望する場合には、あらかじめ医療機関同士で転院の可否について確認してもらうことをお勧め します。
通いやすさも大切なポイント
がん治療は一度きりではなく、通院による抗がん剤治療や検査、フォローアップが長期間続くことがあります。アクセスの良さ、 通いやすさ、家族のサポートを受けやすい環境かどうかといった点も、病院選びの重要な要素です。
治療の効果だけでなく、毎日を安心して過ごすための生活環境も考えて選ぶとよいでしょう。
セカンドオピニオンで比較する
「今の病院の方針が自分に合っているのか不安」「他の治療の選択肢も知りたい」——そうしたときは、セカンドオピニオン(他院での意見)を受けることも有効です。
セカンドオピニオンは、他の医師の意見を参考にすることで納得のいく判断ができる制度です。病院選びをするうえでも、自分に 合った治療方針や施設を見極める手がかりになります。
一人で悩まないで
病院を選ぶこと、治療を決めること、それは想像以上に重い決断です。でも、一人で抱え込まなくて大丈夫です。ご家族や友人、 医療ソーシャルワーカー、がん相談支援センターなど、一緒に考えてくれる人や制度があります。
病院選びは、これからのあなたの治療と生活を支える土台となる大切な一歩です。情報を集め、自分の気持ちと向き合いながら、 納得のいく選択ができるように応援しています。