Greeting
診療部長あいさつ

教授・診療部長
近藤 俊輔こんどう しゅんすけ
皆様、こんにちは。
当科のページをご覧いただき、心より感謝申し上げます。診療部長・教授を務めております近藤でございます。当科におきましては、腫瘍内科学の知見に基づき、がんの診断、治療、予防に関する科学的探求を絶えず行い、悪性腫瘍を患われた患者の方々が適切な治療を受けられるよう、日々努力を重ねております。近年、免疫チェックポイント阻害剤やがんゲノム医療の広がりにより腫瘍内科の専門性は益々高まり、腫瘍内科医の果たすべき役割とその必要性を強く実感しております。
About
腫瘍内科について
腫瘍内科学とは
腫瘍内科学は、がん薬物療法を根幹として診断から緩和ケアまで進行がん患者の診療と研究を行う内科学分野であり、がんの多様な分子生物学的特性や治療に伴う全身管理に対応することを目的とします。本分野では、化学療法、免疫療法、分子標的治療、さらにはがんゲノム医療など、個別化された先進的な治療法を駆使し、患者ごとに適した治療戦略を提供します。
最近の進展
この20年間で腫瘍内科学は飛躍的に進歩しました。特に注目されるのは、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)や分子標的治療薬の開発、さらにがんゲノム医療の導入です。ICIの登場は、進行がんの治療体系を一変させ、多くのがん種において従来の治療では得られなかった長期生存を可能にしました。また、分子標的治療薬はがん細胞の特定の遺伝子変異や分子経路を標的にすることで、高い治療効果を示しています。これにより、非小細胞肺がん、大腸がん、悪性黒色腫をはじめとする多くのがん種で生存期間が延長しています。がんゲノム医療では、がん遺伝子パネル検査を用いて患者の遺伝子プロファイルを解析し、個別化治療の選択肢を広げています。日本では2019年以降、保険適用下でのがん遺伝子パネル検査が可能となり、臨床現場での応用が急速に進展しました。また、外科治療の術前・術後に行う薬物療法が様々ながん腫で標準化されており専門性の範囲はさらに広がっています。
支持療法と早期からの緩和ケアの実践
がん薬物療法において、支持療法と早期緩和ケアの実践は極めて重要です。支持療法は、副作用の軽減や全身状態の維持を目的とし、治療の継続性と患者の生活の質(QOL)を向上させ、安全で効果的ながん薬物療法の継続を行うことができます。早期からの緩和ケアを行うことは、身体的・精神的負担を軽減し、患者や家族の意思決定を支援することにつながります。これにより、治療効果の向上と患者の満足度向上が期待されます。支持療法と緩和ケアを統合することで、より包括的ながん治療が可能となります。
将来展望
今後の腫瘍内科学は、さらに多様化するがん治療に対応し、臓器横断的な治療戦略を内科的に統括する役割が期待され大学医学部の腫瘍内科学講座は増加傾向にあります。その一方で、ドラッグラグやドラッグロスの是正、新薬開発の加速、地域間格差の解消も重要な課題であり大学病院として先進治療の提供を行う体制の構築は急務です。また、次世代シークエンサーを活用した全ゲノム解析や循環腫瘍DNAの解析を用いた診断・治療技術が進む中で、高度ながん医療を支える腫瘍内科医を育成することは大学病院の役目です。 腫瘍内科学は、腫瘍内科に基づく医療は多職種連携(地域医療機関を含む)を通じてがん患者に質の高い医療を提供し、がん医療の発展に寄与していくことが期待されています。
Compatible diseases and treatments
対応疾患と治療法
対応疾患様々ながん(血液がん以外)の治療を担当します。
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肺がん -
乳がん -
胃がん -
膵がん -
食道がん -
大腸がん -
婦人科がん -
希少がん
専門外来
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神経内分泌腫瘍に対するPRRT
(放射性核種標識ペプチド療法) - 2021年より国内で新たに保険適用になった放射線点滴治療です。腫瘍内部から腫瘍を破壊し抗腫瘍効果を得る治療法となります。
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がんゲノム外来 - 東京女子医科大学において、がん遺伝子パネル検査を実施する窓口です。
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治験・臨床研究外来 - 東京女子医科大学病院では悪性腫瘍に対する治験の誘致を積極的に行っています。
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