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女性腫瘍内科医の育成と国際的な課題に関する報告について

私たちがその使命として特に注力している女性腫瘍内科医の育成に関連し、国際的な議論に貢献する論文がこの度公表されましたことをお知らせいたします。

 

論文概要と要約

この度公表された論文(https://www.esmorwd.org/article/S2949-8201%2825%2900075-X/fulltext)は、世界の医療腫瘍内科における将来の労働力の課題と機会に焦点を当てたものです。

主要な論点は以下の通りです。

  1. グローバルな格差と偏在: 世界的にがん医療の需要が増加する一方で、腫瘍内科医の地域的な不足や偏在が深刻な課題となっており、特に開発途上国での医師確保の必要性が指摘されています。
  2. ジェンダー平等への焦点: 欧米と比較して、特にアジア諸国などでの女性医師の腫瘍内科分野への参画の遅れキャリアにおけるジェンダー不平等が、将来の労働力確保における大きな阻害要因として強調されています。
  3. 多様性確保の重要性: 腫瘍内科の質と持続可能性を確保するためには、多様な人材(特に女性医師)の育成が不可欠であり、柔軟な働き方やキャリア支援策を通じて、女性が能力を最大限に発揮できる環境を整備する必要性が提言されています。

私たちのメッセージ:女性腫瘍内科医の育成を担う使命

本論文で指摘されたジェンダー格差の解消と女性医師の活躍推進は、まさに女性医師の育成を本分とする東京女子医科大学、そして腫瘍内科の最も重要な使命の一つです。

欧米に比べ、日本における腫瘍内科学分野の女性医師の活躍は遅れている現状があります。当科では、この課題を克服するために、以下の取り組みを推進しております。

柔軟な研修・勤務体制: 出産や育児、介護といったライフイベントを経ても、専門医としてのキャリアを中断することなく継続できるよう、柔軟で多様な働き方を支援しています。

女性リーダーの育成: 臨床能力だけでなく、研究や教育、組織運営においてもリーダーシップを発揮できる次世代の女性腫瘍内科医を意図的に育成するための環境を整えています。

 

今後も、国際的な視点を持ち、本論文が提起した課題意識を深く共有しながら、質の高いがん医療の提供と、腫瘍内科学の未来を担う女性医師の育成に尽力してまいります。

当科での専門研修にご関心をお持ちの皆様、特に女性医師の皆様からの積極的なお問い合わせをお待ちしております。