Our Department’s Strengths 当センターの麻酔科
Clinical Statistics 診療実績
2023年 | 2024年 | 2025年 | ||
---|---|---|---|---|
手術 | 4650 | 4486 | 4520 | |
ペイン クリニック |
2607 | 2374 | 2283 | |
集中治療 | 697 | 712 | 781 | |
無痛分娩 | 72 | 113 | 115 | |
神経ブロック | 腕神経叢 ブロック |
41 | 28 | 26 |
傍脊椎 ブロック |
56 | 108 | 136 | |
座骨神経 ブロック |
17 | 19 | 28 | |
大腿神経 ブロック |
55 | 47 | 60 |
Academic Achievements 業績
Research Topics 研究内容
- 01 血液凝固線溶関連
- 周術期の血液成分の変化は、生体への侵襲によって、その動態が急激に変化し、出血や血栓形成に大きく関与します。
我々は、ポイントオブケアを用いて、経験学的ではなく、適切な時期に血液凝固機能検査を行い、病態を理解し、アルゴリズムに基づいて治療することにより、効果的に出血や血栓形成を防止できることを示してきました。
現在、走査型電子顕微鏡によるフィブリン構造解析やトロンビン生成能と抗凝固因子の動態を観察し、どのような条件でフィブリン構造の違いが生じ病的血栓に至るのかメカニズムの研究にも着手しております。この研究を病的血栓の早期発見のためのモニタリング、治療法にも発展させていきます。

- 02 呼吸管理
体幹のインピーダンスの変化を測定する電気インピーダンストモグラフィ(Electrical Impedance Tomography;EIT)を用いて重症呼吸不全患者の換気分布を可視化し、評価しています。そして、どういった換気戦略が含気の改善につながるかを模索しております。
さらに、麻酔導入時に経鼻的に高流量酸素を投与するTHRIVEは、無呼吸であっても酸素化が保たれ、その有用性に関する報告は散見されます。その有用性をEITを用いて評価する試みも行っております。
- 03 超音波を使用した臨床研究
体表エコーを用いた臨床研究を行っています。リニアプローブを用いて、肘部正中静脈と橈骨神経浅枝との位置関係を調査し、肘部採血による複合局所疼痛症候群(CRPS)を生じる危険因子の抽出をしています。
また、新型コロナワクチンを打つ部位と腋窩神経との距離を測定し、ワクチン接種後肩関節障害(Shoulder Injury Related to Vaccine Administration; SIRVIA)を生じる原因探索などを行い、より安全な穿刺部位を模索しています。

Anesthesiology Residency Program 専攻プログラム
取得できるサブスペシャリティ
当科研修では、下記専門医等の受験資格を得ることができます。



プログラムの特色
- 01 多機能医療施設の強み
- 当院は三次救急、災害拠点中核病院、地域周産期母子医療センターに指定されており、重症外傷、超緊急帝王切開や腎移植手術など多種の手術麻酔を経験できます。
- 02 経験数と種類の多さ
- 研修1年間で胸部外科、脳神経外科、帝王切開につき、日本専門医機構認定制度の必要臨床実績を充たす研修ができます。その後、小児専門施設での半年間のトレーニングに続き、心臓麻酔を学び、3年目の終了時までに必ず最低症例数を獲得できます。
- 03 知見が広がる学びの環境
- 神経ブロック、経食道心エコー、気道確保困難症例、人工心肺装置操作などのハンズオンやワークショップをはじめ、講演会・抄読会が定期開催されています。重症カンファレンスや症例検討会も随時実施しています。
- 04 サブスペシャリティ研修
- 心臓麻酔、小児麻酔、集中治療、ペインクリニックなどのサブスペシャリティ研修は関連施設と連携し拡充中です。希望があれば専攻医4年目から研修を開始することも可能です。
- 05 盛んな学術活動
- ・1年目は地方会や臨床麻酔学会での症例報告
・2年目は日本麻酔科学会での研究発表・3年目は希望により海外学会での発表が可能
希望によって発表内容を論文化し、学位取得への礎を作り、その後の学術活動も支援します。
カリキュラム概要
1年次
当院では一般臨床麻酔を通じて、硬膜外麻酔、脊髄くも膜下麻酔、区域麻酔、超音波ガイド下血管穿刺、分離肺換気管理など、多くの基本手技を実践的に学ぶことができます。特に硬膜外麻酔は集中的に担当する機会があり、将来にわたって生かすことができる確かな技術の取得は、麻酔科医としての強みになります。
2年次
当院で術後管理も含めて重症症例を担当し、半年間、小児専門施設で小児麻酔のトレーニングを積むことができます。
3年次
心臓麻酔を当院のみならず、希望によっては心臓血管手術に特化した病院で学ぶこともできます。専門医受験に必要な特殊麻酔症例数は3年間で取得できます。
4年次
各自のキャリアプランに応じて、当院またはサブスペシャリティの研修施設にて心臓麻酔、小児麻酔、集中治療、ペインクリニックなど深く学ぶ機会を設けています。
地域医療の維持のため、外勤として1週間に1回、地域医療支援病院で研修を行います。