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本学会は2014年1月22日に端和夫を代表者として特定非営利活動法人(NPO法人)として設立認証を受けております。2021年4月1日付けで代表者が交代となり、水野正明が同法人代表者(理事長)として就任いたしました。

理事長 水野正明からのご挨拶

このたび初代理事長の端和夫先生(新さっぽろ脳神経外科病院名誉院長)の後任として、2021年4月1日付けで日本術中画像情報学会理事長に就任致しました。伝統ある学会の理事長を拝命し、大変光栄に思います。

さて日本術中画像情報学会の歴史は、2003年1月11日、寳金清博会長(当時、札幌医科大学脳神経外科教授:現 北海道大学総長)のもと札幌で開催された第1回日本脳神経外科術中画像研究会まで遡ることができます。当時、すでに術中画像の有用性に注目し、この分野に並々ならぬ情熱をお持ちだった端先生のもとに若い脳神経外科医が集い、さらに術中画像(特に術中MRI)の普及にこれまた並々ならぬ情熱をお持ちだった日立メディコの皆様が加わったのがはじまりと聞いています。企業との利益相反が強く取り上げられていた時代に、今では当たり前になった産学連携を先取りしたようなこの取り組みは大変素晴らしいものと思いますし、今更ながら端先生の先見の目には驚かされます。その後第10回までは同研究会として開催され、2011年の第11回から学会としての活動が始まりました。さらに2014年1月22日には端先生を初代理事長として任意団体から特定非営利活動法人(NPO法人)に移行し、法人格をもつ学会として新たなスタートを切りました。
術中画像の活用とその普及は、“なにより患者さんの安全、安心のために”といった究極の目的の達成に向けた取り組みに発展していますが、学会終了後に毎回催されました懇親会等でお酒を酌み交わしながら夢を語り、時には夜通しバトルし合ったことがつい昨日のように思い出されます。
ご存知のとおり、脳神経外科手術は外科手術の中でも最も高い精度を要求することから術中MRIは望まれるべきして生まれたテクノロジーでした。近年、術中MRI以外にもSEP,MEPに代表される神経モニタリング、超音波装置(エコー)、画像解析ソフトなど脳神経外科手術をサポートするモダリティーがいくつも登場しています。この目覚ましい進歩の背景にはコンピュータの高速化と小型化、メモリー容量の急速な増大、さらにはAIの登場など一年を待たずして次々に生まれてくる最先端のテクノロジーの存在があります。そしてこの速い時の流れに乗り遅れることなく常に最先端を走り続け、学会を運営していくためには、脳神経外科医だけでなく、放射線診断医・治療医、情報工学の専門家、画像処理技術の専門家やコンピュータ・AIの専門家らと幅の広い横のつながりを築くことが重要と考えています。本学会の最大の特徴はそういった診療科横断的な取り組みを可能にしていることと、「術中MRIガイドライン」を策定し発信している点にあると考えています。ここに近い将来、患者さんの視点が入ってくるとさらに嬉しく思います。なぜなら本学会の成果は必ず患者さんの安全、安心に繋がると信じていますし、脳神経外科関連の医療技術の中核として今後も脳神経外科医療を支え続けていくものと信じています。
本学会がますます発展していけるよう、社会の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

特定非営利活動法人 日本術中画像情報学会 理事長 水野正明