出血と観察と手当

出血には動脈性出血、静脈性出血、毛細血管性出血などがありますが、救命手当の対象となるのはおもに動脈性の出血です。 出血している傷病者を見たら、まず出血の部位、出血の程度など局所の状態を観察すると同時に、傷病者の顔貌、姿勢、四肢の変形、またショック症状(冷汗、顔面蒼白、脈拍微弱、四肢の冷感など)はないかなどの全身の観察を行います。

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■ 直接圧迫止血法

これは図に示すように、出血している部位に直接清潔な布切れやハンカチ、ガーゼなどを当て、その上から手もしくは包帯等で圧迫止血する方法です。 簡単で基本的な止血法といえます。片手で圧迫しても止血しない場合には、両手で体重を乗せながら圧迫止血を図ります。



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■ 止血帯法

四肢の太い血管損傷による出血で、直接圧迫止血法では止血が困難な場合に行います。 これは図に示すように出血している部位より心臓に近い側に三角布や包帯、スカーフなどを巻き、 これを強くしばることによって止血を図るものです。