ブックタイトルSincere No.11 2019.1

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概要

Sincere No.11 2019.1

Sincere|No.11-2019 21午前はまず、「妊娠末期の健康診査」と「母乳の出る仕組み」をテーマとしたビデオを見ながら学習。そのあと3つの班に分かれ、それぞれ妊・産・褥婦および新生児に必要な基本的看護技術の理解・実施を目標とした演習にチャレンジした。具体的には、「妊婦の腹部触診・計測」や「胎児心音聴取」、「褥婦の回復観察」、「新生児の抱き方と授乳方法」などである。午後は、「新生児の呼吸・循環・代謝」と「沐浴支援の手順・方法」についてのビデオを見たあと、「産痛緩和のための呼吸法・圧迫法」と「産褥体操」を体験。最後に、「新生児の沐浴」と「新生児のフィジカルアセスメント」演習を行った。■ コミュニケーション能力不足を痛感技術演習は、精巧な人形やシミュレーターを駆使して行われる。新生児の人形はかわいらしく、学生たちはいとおしそうに4種類の抱き方や授乳のポジショニングを学び、沐浴演習では皆例外なく楽しそうに挑戦していたのがほほえましかった。また、妊婦のシミュレーターを用いた腹部触診で胎児の位置を確認したり、トラウベ(胎児心音聴診器)を使って胎児の心音を聴いたりした。こうした事前学習や演習を経て、翌日から3つの班はそれぞれ女子医大病院、東医療センター、至誠会第二病院に分散し、実際の母性看護学実習に臨んだ。実習は外来と病棟の双方で行い、外来では妊婦さんの看護、病棟では産婦さんの分娩に立ち会うとともに、出産した褥婦さんと産まれた赤ちゃんを受け持って看護を実践した。至誠会第二病院で実習を行った学生たちの声を拾ってみよう。H.O.さんは、「初めて分娩に立ち会い、赤ちゃんの産声を聞いたときはとても感動しました。その後の看護では、母子双方の視点からアプローチしなければならないことを学びました。特に、赤ちゃんがなぜ泣いているのか、そのサインを発見していくヒントを先輩ナースから教わったのが大きな収穫でした」といい、「私も赤ちゃんがほしくなりました」とはにかむ。N.Y.さんは、「すべてが初めての経験で、受け持ったお母さんと赤ちゃんの日々の変化をフォローしていくのが大変でした。自分の親もきっと苦労しながら私を育ててくれたのだろうと思い、感謝の気持ちがわいてきました」という真情を吐露し、「将来の社会復帰を考えながら、20代後半には私も子どもを産みたいですね」と語る。A.K.さんは、「赤ちゃんの沐浴は演習のときと違って泣いたり動いたりするので大変でした。でも、演習をしていなかったらもっと大変だったでしょうね」とその効果を指摘する一方、「妊婦さんも褥婦さんも基本的に病人ではなく健康な人ですから、その人の意見や性格に合わせて対ビデオ学習後に補足説明をする竹内道子講師。人形を用いて新生児の抱き方や授乳の方法を学ぶ。妊婦のシミュレーターで腹部触診を体験。新生児のフィジカルアセスメント演習。