ブックタイトルSincere No.11 2019.1

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概要

Sincere No.11 2019.1

Sincere|No.11-2019 13いる。1児の母でもある彼女は、「育児と仕事を両立させているロールモデルは身近にたくさんありますが、彌生塾は将来を見据えたロールモデルにも出会える貴重な場だと思っています」という。そして、「英語セミナーは少人数で中身が濃く、もったいないと思えるほど価値があります。またピアラーニングは、女性医療人としてのリーダー像やリーダーシップのあり方を理解するうえでとても参考になります」とプログラムを評価し、「私もパッションを持ち続けてキャリアを積み、後輩たちのロールモデルになれるよう女子医大に貢献していきたいと思います」と抱負を語った。●リーダーに求められる覚悟と実績彌生塾講演会が行われた12月8日の夕方、“リーダーシップ”をテーマとした「彌生塾セミナー」が中央校舎1階の会議室で行われた。15人の本科生が参加し、女子医大の吉岡俊正理事長・学長が講師を務めた。女性医療人キャリア形成センターの肥塚直美センター長、齋藤加代子副センター長のほか、昇格して間もない5人の女性教授も出席し、内田啓子塾長の司会によってセミナーが進められた。吉岡理事長・学長は、「リーダーには“覚悟”と“実績”が求められます。常に先導していくという意識を持ってステップアップしていくことが重要。また、昇格していくためには自分の専門だけでなく、他の人の専門分野も含めて責任を持つことが大事です。これまで女子医大は、女性リーダー育成の環境づくりに努力してきました。これに応えて皆さんがリーダーをめざし、チャレンジしてくれることを期待します」と本科生に訴えた。同席した教授陣からは、「リーダーになるには自分のストロングポイントを持つことが大切」、「学会での発表を繰り返し行って認めてもらうことが肝要」、「女性は外から声を掛けられるケースが多いと思います。それをチャンスにして人脈を広げていってほしいですね」といったアドバイスの声が上がった。セミナーに参加した前出の明石医師が、「診療科や病院の垣根を超えて、リーダーとして活躍されている先生方のお話を聞けるのが彌生塾のすばらしいところです」と語ったのが印象的だった。リーダーシップをテーマに吉岡俊正理事長・学長が講師を務めた「彌生塾セミナー」。「彌生塾」は2015年8月に創設されました。そのきっかけは、2014年2月の医療事故とそれに伴う混乱への反省から設置された「内部統制に係る第三者評価委員会」による「建学の精神の希薄化を是正することが重要」との提言でした。女子医大の創立者・吉岡彌生先生がめざした「女性の社会的地位の向上」が建学の精神の根底にあるにもかかわらず、本学出身の主任教授が減少し、教員は職位が高くなるにつれて女性の比率が下がっているのが実状でした。そこで大学再生計画の一環として、教授をはじめとする指導的立場に立つ女性医療人の育成を目的とした「彌生塾」が立ち上げられました。スタートしてまだ日が浅いものの、キャリアアップに前向きな本科生の中には職位を上げている人が少なくないように、結果も出始めています。若い人たちは、指導的立場にある女性を“スーパーウーマン”ととらえ、「自分はそのようにはなれない」と思いがちです。でも、女子医大には「やる気さえあれば指導者になれるチャンスが巡ってくる」という風土ができつつあります。本科生の中から教授が生まれ、その人が次の本科生を指導していく。そうした好循環が続いていくような彌生塾にしていきたいと思っています。彌生塾 塾長東京女子医科大学教授・学生健康管理センター長内田啓子がんばれ!女性医療人女性指導者を育てる風土ができつつあります