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概要

シンシアNo8

がんばれ!女性医療人東医療センター内科の小川哲也准教授(女性医師再研修部門副部門長)と研修を受けた小出純子さん。育休中の小出さんは再復職する意向である。研修はどちらも週1回・3か月間を基本としているが、その内容について女性医師再研修部門の副部門長を務める東京女子医科大学東医療センター内科の小川哲也准教授(血液浄化部部長)は次のように説明する。「まずは現場の感覚を取り戻すために外来での診療を見学していただきます。現場に慣れてきたら予診を行い、それを指導医にチェックしてもらったうえで診察に立ち会います。そして、次のステップとして実際に診察をしていただきます。もちろん、分からないことや困ったことがあれば指導医がフォローします。さらに、救急外来や病棟の回診に参加していただくことも可能です」。●育休明けには再び現場復帰したい小川准教授は、こうした研修を通じてこれまで何人もの女性医師を指導してきた。その中の1人が小出純子さんである。川崎医科大学(岡山県倉敷市)出身の小出さんは、皮膚科医として都内の大学病院に勤務していたが、5年前、出産と同時に退職。それを機に、「これからは高齢化社会になるので内科をまんべんなく学んでみたい」と思うようになった。そうした受入先はないかとインターネットで調べていたところ、女性医師再研修部門の「一般内科プロジェクト」が目に止まり、コンタクトをとったという。子育てで1年半、医療現場を離れていた小出さんは、2014年3月から小川准教授のもとで研修を受けた。「研修プログラムはとても充実していて、貴重な3か月間を過ごすことができました」と振り返る小出さん。研修終了後はそのまま内科医として東医療センターに勤務することとなった。「最初の頃は戸惑うことばかりでしたが、先生方が親切に教えてくださり、何とか務めることができました」という。その後、小出さんは2人目のお子さんを出産し、2016年9月から育休に入っている。「育休が終わったら、また現場に復帰したいと思っています」と意欲を見せている。●専門医としての再デビューをめざす「再研修?復職プロジェクト」に登録申請し、去る5月中旬から週1回、膠原病リウマチ痛風センターで研修を受けているのが山崎明子さんである。リウマチ専門医の資格を持つ山崎さんは、熊本大学医学部の出身で、卒業後4年間、北海道の病院に勤務したあと、久留米大学病院呼吸器・神経・膠原病内科で6年間、リウマチ患者さんを診てきた。現在は一般内科医として都内2か所のクリニックで診療活動を行っている。したがって、医療現場を離れているわけではない。山崎さんが膠原病リウマチ痛風センターでの研修を希望したのは、専門医資格更新に必要な症例を確保し、再びリウマチ患者さんの診療に携わりたいと思っているからにほかならない。「今はリウマチ患者さんを診ることはなく、リウマチ医としては7年間のブランクがあります。この間にリウマチ診療は大きく変わり、新しい薬も出てきています。そうした変化を知り、最新の治療法を吸収するために研修を希望しました」と山崎さんはいう。「女子医大の膠原病リウマチ痛風センターは、日本最大で世界的にも知られるリウマチ性疾患専門施設ですから、やはり研修のしがいがあります」とも。研修終了後もしばらくは一般内科医を続けるとのことだが、「近い将来、リウマチ医として再デビューを果たしたいですね」と山崎さんは意気込みを語った。膠原病リウマチ痛風センターで最新の治療法を学ぶ山崎明子さん。22 Sincere|No.8-2017