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概要

sincere no05

ふれあいレポートジェイ・アイハートサービス障がいのある人たちに就労の門戸を開く緑のエプロン姿の“キャスト”と指導員が勢揃い。緑色のエプロンがキャストの目印東京女子医科大学を訪れた方は、緑色のエプロン姿の男女を見かけたことがあるのではないだろうか。彼らはジェイ・アイハートサービスという会社の職員で、知的障害や精神障害、身体障害があるが、大学や病院においてさまざまな業務をこなしている。ジェイ・アイハートサービスは、障がい者の雇用促進を図るため2013年2月に設立された東京女子医科大学の特例子会社である。ここでは緑色のエプロンを身につけた職員を“キャスト”と呼んでいる。障がいがあっても生き生きと働いている彼らにスポットライトを当ててあげたい、との考えからだ。彼らキャストが業務を遂行できるようサポートするのが、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、障害者職業生活相談員などの指導員である。3年前のスタート時は、キャスト7人、指導員3人という体制だったが、現在はキャスト29人、指導員10人を数えるまでに成長。これからもキャスト、指導員ともまだまだ増えていく見込みである。職人芸ともいえる丁寧な仕事ぶりキャストが携わっている業務は多岐にわたっている。事務補助業務(アンケート集計、各種データ入力、バーコードスキャン、封入封緘、説明書の折り込み、シール剥がしなど)をはじめ、郵便業務(郵便物の仕分け・投函、学内配布物の仕分け・配達など)、物流業務(備品・消耗品の各部署への配達、機密文書の運搬など)、清掃業務(会議室整備、院内車椅子・点滴架台の整備など)、さらに園芸業務(観葉植物の管理、園庭整備など)まで行っている。これらの中で、車椅子の点検・整備は病院ならではの業務といえるが、その丁寧な仕事ぶりには定評がある。ブレーキの効きやタイヤ、シートをきめ細かく点検したあと、車輪のスポーク一本一本まできれいに磨き上げていく。自分なりのやり方を工夫しながらのきびきびしたその動きは、職人芸そのもの。見ていて気持ちがいい。こうした作業に対して病棟スタッフからは、「見えないところまできれいにしてくれて感謝しています」、「細かい部分の点検も万全なので助かります」といった声が上がっている。それはとりもなおさず、患者さんの安全と満足度の向上にもつながっている。さまざまな業務を担いながら大学や病院の運営を支えているジェイ・アイハートサービスのキャストたちは、まさに“縁の下の力持ち”といってよいだろう。病棟のナースステーションへ備品・消耗品を配達。ミスのない手順でセットしながら資料を封入。丁寧な作業が好評を得ている車椅子の点検・整備。22 Sincere|No.5-2016