ブックタイトルシンシア 2014.No.1
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シンシア 2014.No.1
授(附属遺伝子医療センター所長)は、1学年から6学年までの一貫教育体制を実現していることを強調する。患者さんの視点から医療を考える別表は、人間関係教育における実習プログラムの内容である。昨秋、女子医大病院の外来で目にした白のポロシャツにスラックス姿の女性たちは、この中の「外来患者との医療対話」を実習していた2学年生だったのである。この実習は「外来患者付き添い実習」と称し、外来患者さんに付き添うことによって受診者側の視点から医療を考えることを主旨としている。受付から待合い、診察、検査、会計に至るまで患者さんと行動を共にし、外来における患者さんの一連の流れをご家族の立場に立って体験する。それによって実際の医療現場を観察し、医師の役割を理解しようというのが狙いである。人間関係教育委員会副委員長の岡田みどり教授(医学部化学教室)は、「この実習では学生が自ら患者さんとコミュニケーションを図っていかなければなりません。その意味で、将来患者さんと良好な人間関係を築くことができる医師になるためのスタートラインともなります。そうした機会はなるべく早い段階に設けるべきだとの考えから、2学年生を対象としています」と、低学年から実際の医療現場において体験実習を行うことの意義を説明する。と身近に接しながら話をするという機会は、とても新鮮なようです。教員から教えられる講義と違って患者さんの生の声を聞くわけですから、医師となって医療に携わっていくという自覚も生まれてきます。自ずと目の輝きも違ってきて、実習後はだんだんと医療人の目になってきます」岡田教授は外来患者付き添い実習の効果について、「遠方からの患者さんや待ち時間が長かった患者さんに付き添った学生が、わざわざ女子医大病院に来られる理由を聞いて誇らしく思うというケースもあれば、ドクターがもっとやさしく患者さんに接すればいいのにと思う学生もいます。そうした患者さんの視点に立った体験を経ることによって、しだいに医師としての視点を持つようになります」と語る。このように、女子医大の学生は外来患者付き添い実習で患者さんと接することにより、医師への第一歩を踏みだすのである。実習後は医療人としての自覚も生まれる学生たちはこの外来患者付き添い実習をどのように受け止めているのだろうか。齋藤教授は次のようにいう。「患者さん齋藤加代子教授岡田みどり教授外来患者付き添い実習を体験した学生の声■患者さんと一緒に待合室で座っているときに周りを見ると、ほとんどの患者さんが疲れた表情をされており、「待つ」って大変なんだなと実感。それでも辛抱強く待っていただけるのは、医師が誠意をもって対応しているからだと思いました。(M.H.)■診察中の医師と患者さんとの会話を聞いていて、どのように患者さんと接すれば安心していただけるかということがよく分かり、勉強になりました。(Y.Y.)■もともと話すことは得意ではありませんが、患者さんがいろいろ話しかけてくださったおかげで、少しはコミュニケーションスキルがアップしたのではないかと自分なりに評価しています。(R.O.)■医師の対応は適切で無駄がありませんでしたが、やはり待ち時間が長いのは否めません。その分、医師は患者さんの話をしっかり受け止めて対応しなければならないと思いました。(R.I.)■私は人とコミュニケーションをとることが苦ではなく、付き添った患者さんも気さくな方でしたので、短い時間でしたが深く接することができ、とても有意義でした。(R.M.)■私が付き添った患者さんは初診のときに院内で迷われてしまったとのこと。総合外来センターは広くてたくさんの診療科が各フロアに分布していますから、確かに分かりづらい面があるなと感じました。(Y.T.)■「病状が悪化していないかと、ひやひやしながら診察を受けに来るんですよ」という患者さんの言葉を聞いて、医師はそうした患者さんの気持ちも理解してあげなければいけないと認識しました。(M.S.)■私が付き添ったのは、「女子医大でなければ……」とわざわざ埼玉から通われている患者さんでした。それほど信頼されていると思うと、女子医大で学んでいてよかったと再確認するとともに、大きな責任感も芽生えてきました。(N.T.)Sincere|No.1-2014 19