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概要

シンシア 2014.No.1

医療現場最前線レポート東京女子医科大学救命救急センターの概要【スタッフ】■医師■初期研修医■看護師■臨床工学技士■臨床検査技師23人、非常勤5人19人29人、補助5人4人2人【施設】■初療室■ICU病床数12(うち2床は感染症対応個室)■病棟専用病床26■高気圧酸素治療室【受け入れ重篤患者数】■平成24年度874人高気圧酸素治療室(人工呼吸器と輸液ポンプを併用した治療シーン)人が好きな集団での“チーム救急医療”を推進しています東京女子医大の救命救急センターは大学病院の施設であり、院内にすべての科の専門医を擁しているのが特徴の一つです。このため、複数の診療科で対応しなければならない重篤な患者さんや、より高度で専門的な治療を求められる重症患者さんにも対応することができ、他の救命救急センターからそうした患者さんを受け入れるケースも少なくありません。救命救急医は常に初対面の患者さんと接することになり、最初の対応一つで患者さんやご家族との関係が決まってしまいます。ですから、患者さんに対応していく中でご家族のご理解やご協力も得ながら、いかにお互いに信頼関係を構築していくかが問われます。また、救命救急センターにはいつどんな患者さんが運ばれてくるか分かりません。しかも、重症・重篤な患者さんがほとんどです。そうした中で救命救急医に求められるのは、やはり瞬時の判断力です。救命第一ですから、情報が整わないうちに治療対応しなければならないときもあります。刻々と時間が経過していく中で、スピーディーに適切な判断を救命救急センター長代行矢口有乃下していく能力が求められるわけです。救命救急医は、指揮官としての役割も発揮しなければなりません。彼らは看護師や臨床工学技士、臨床検査技師、研修医らと連携しながら医療に携わっていますが、そのためにはスタッフとのコミュニケーションを図り、個々の能力を最大限に生かせるように指揮していかなければなりません。その意味で、カンファレンスにも十分時間をかけ、スタッフ全員のコンセンサスを得るようにしています。救急の現場は緊迫感もあり、ややもすれば殺ばつとした雰囲気になりかねません。そのような状況下で、救命救急センターのスタッフが患者さんにやさしく接しているのを見るにつけ、「人が好きなんだろうな」と思います。これからも、人が好きな集団での“チーム医療”を通じて、質の高い救急医療を提供していきたいと思います。医療の原点から学ぶために救命救急センターに入局しました救命救急センター助教齋藤倫子私が救命救急センターに入局したのは、医療の原点から学ぼうと思ったからです。他の診療科だと科ごとに学ぶ領域が限られてきます。もちろん、それぞれの分野に精通したドクターがいて病院が成り立っているわけですが、救命救急医の場合は患者さんに対してどういう治療が必要か、優先順位をつけながら即座に判断していかなければなりません。そのためにも、診療科の枠を超えた横断的な知識が必要となってきます。それが救命救急医の特性でもあるわけです。研修医時代を含めて9年目になりますが、さらに知識を吸収しながらここで一人前といわれる救命救急医をめざしていこうと思っています。Sincere|No.1-2014 17