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概要

シンシア 2014.No.1

医療現場最前線レポート救命救急センターのスタッフ救命救急センター緊迫した現場でも患者さんとご家族に寄り添う医療を提供某月某日午前7時44分、新宿区内でスクーターがトラックに接触する交通事故が発生。スクーターは大破し、乗っていた18歳の男性が負傷。7時51分、東京消防庁の救急車が出動し、8時5分に事故現場に到着した。ちょうどその頃、東京女子医科大学病院東病棟地下1階にある救命救急センターの医局では、朝のカンファレンスが始まっていた。そこに上記負傷者の救急搬送連絡が入り、数名の医師があわただしく1階の救急入口へ向かった。その中の一人、齋藤倫子医師の動きを中心に、救命救急センターの1日を追った。救命救急センターとは我が国の救急医療は傷病の重症度により、一次(初期)、二次、三次の三段階体制となっている。一次救急は外来で対処しうる軽症患者さん、二次救急は入院や手術を必要とする患者さん、三次救急は一次・二次救急では対応できない生命の危機を伴う救急患者さんを対象としている。この三次救急を担うのが救命救急センターである。重症・重篤な患者さんを原則として24時間365日体制で受け入れ診療する専門施設として、全国に265施設(2013年9月1日現在)が設置されている。東京女子医科大学の救命救急センターが開設されたのは1989(平成元)年。都内のみならず、全国的にも伝統のある救命救急センターとして知られる。心肺停止、多発外傷、多臓器不全、ショック、心筋梗塞、脳血管障害、重症中毒などの救急患者さんを受け入れ、高度医療機器や専門性の高い院内各科との連携により救命救急医療を行っている。14 Sincere|No.1-2014