鍼灸は日本で約1500年の歴史がある治療法で、これまでにさまざまな病気の治療や予防に役立ってきました。そして、現代医療が発達した現在においてもその効果と安全性が注目され、今では多くの国の医療に取り込まれつつあります。
鍼灸の治療目標は苦痛を緩和し、本来の回復力を引き出すことにあります。それには体表の観察がとても大切で、病気の反応がどのようなところに現れているのかを探り、その反応をもとに治療をおこなって症状の変化を観察して行きます。
効果の現れ方は、病気の性質や身体の状態などによってさまざまですが、少しでも快適な生活をお送りいただけるためのお手伝いができるよう努めたいと考えております。
当施設は鍼灸治療を専門に行う施設です。治療対象となるのは痛みや筋肉のコリだけでなく、循環を改善したり、自律神経へ働きかけたりして、さまざまな苦痛を取り除くことに役立ちます。また、心身のリラクゼーション効果や健康を維持し病気を予防する効果も期待できます。とくに慢性的な苦痛を持っていたり、たくさんの症状を持っていたりする方は、治療を継続することで良い状態を保てている方が多くみられます。
研究や教育などの活動も積極的に行っています。研究活動は臨床研究を中心に行っており、各鍼灸師が研究テーマをもって関連学会等に報告しています。教育活動は平成4年から本学医学生への教育、平成17年からは鍼灸師の臨床研修を行っています。また、医師への教育などにも携わっています。鍼灸に関する知識を持つ医療関係者や、基本的な臨床能力を身に付けた鍼灸師が増えることで、鍼灸の普及にも微力ながら貢献していきたいと考えています。