至誠と愛

 

塾長挨拶

塾長 内田 啓子

(保健管理センター 学生健康管理室 室長)

平成27年8月に学校法人東京女子医科大学の男女共同参画推進局の1部局として彌生塾が創設され、吉岡俊正学長より私が初代の塾長に任命されました。彌生塾創設の目的は、本学創立者である吉岡彌生先生の建学の精神の1つである「指導的地位に立つ女性を輩出する」ことにつきます。その任の重責に身の引き締まる思いです。

彌生塾創設のきっかけは、本学としては現在もその影響に苦しむ出来事ではありましたが、ここ10年来の女性教授の減少という事実に真っ向から立ち向かえる部局ができたことは好機と捉え、現在の日本ばかりではなく「女性を活用できる国が成長する」という世界的な潮流に乗っていきたいと思っています。

日本人がオリンピック・パラリンピックで活躍すると、また日本人がノーベル賞を受賞すると、私たちが日本人であることを自覚し、誇りに思い、その快挙を自分のことのように喜びます。本学は東京女子医科大学であり、本学の卒業生が各方面で活躍することは卒業生にとってその自覚と誇りをリマインドすることになります。これは大変重要なことだと思っており、大学はそのひとつの場ではないかと考えています。

本学は明治33年(1900年)に吉岡彌生先生が、大変な御苦労をして創立された、現在は世界に1つの女子医科大学です。そのことに卒業生だけではないすべての女性医療人が感謝し、女性の活躍をお互いに喜んでいけるようにしていきたいと思っています。 本学は今までも、女性特有のライフイベントに対するセイフティーネットを提供することに積極的に取り組んでまいりましたが、彌生塾では男女を超えて自身のキャリア形成をしたいと考える女性医療人を輩出していくために、行動していきたいと考えています。ご支援の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。

副塾長 唐澤 久美子

(放射線腫瘍学講座教授・講座主任)

創立者吉岡彌生先生が掲げられた建学の精神には、「精神的・経済的に自立し社会に貢献する女性を輩出する」と書かれています。彌生塾ホームページの肖像写真からも、女性の社会的地位の向上を目指して女性のための医学校を作った彌生先生の強い信念が見て取れます。

東京女子医科大学とその前身である東京女子医学専門学校の卒業生には、その彌生先生の精神を受け継ぎ、様々な側面で社会に貢献した人材が少なくありません。それは医療に留まらず、人材育成、政治など幅広い分野に及びます。しかし、日本における女性リーダーの数はまだ十分でなく、また本学出身者においても同様のことが言えると思います。

本学は、女性医療人が家事・育児を行いながら、キャリアを継続することの支援を色々な形で行ってきました。それは一部で実を結んできていますが、一方でリーダーの数は増えているとは言えないようです。例えば、本学卒業生の教授数は以前より明らかに減少しています。女性の立場から後進を指導する卒業生の教授が一定数在籍して、建学の精神を伝えていく必要があるように思います。

本学の卒業生が社会においてさらに輝くためには、指導的な立場で社会を変えていく人材の養成、さらにその人材を養成する女性教授の養成、リーダーとして活躍しようとする卒業生を支援する制度の充実が望まれます。 彌生塾は、彌生先生の精神を受け継ぎ、社会のリーダーとしてより良い社会を作るために活動することを目指す女性医療人のための塾です。

リーダーとなるには何が必要か、どのように自分の目指す道を見出すのか、どのように行動すべきかを、教員、先輩達と共に考え、実践に移していきます。具体的には、研修会やメールによる情報提供、卒業生の教授や教授経験者を中心にしたメンター登録による個別指導や支援活動、塾生の相互協力体制の整備などを検討中です。自分のおかれた状況を確認しながら、同じ志を持つ仲間と共にリーダーへの道を着実に進んで行きましょう。 彌生塾から、本学の教授をはじめとする教育者、今後の医療を切り開く優れた研究者、社会に働きかけ社会をより良い方向に導く指導者が輩出することを願っています。

副塾長 北川 一夫

(神経内科学教授・講座主任)

神経内科の北川一夫です。このたび彌生塾の副塾長に指名していただきましたことを大変光栄に存じております。平成26年に本大学に着任させていただき医局の素晴らしい先生方、とくに本学卒のお二人の准教授の先生方に支えていただき教室運営面でも、順調に滑り出すことができました。そして非常に楽しく働いているところで、これから研究、診療面でホップ、ステップ、ジャンプと思っておりましたら、予期しない重責をご指名いただき、驚いている次第です。

当塾の主な目的が女性医師のキャリア支援、本学での教授への昇進のチャンスを増やすことと伺っております。せっかく優秀な卒業生がおられても、結婚、出産、育児、あるいは親の介護等を機にキャリアアップを断念されることがあるのはとても残念なことです。わが国唯一の女子医科大学としては、女性の生涯のキャリアを支援できるように ハード面、ソフト面で工夫が必要だと思います。たとえば各診療科に1名は育児中で当直が当面できない先生方のスタッフポスト、練士ポストを確保するのは、ソフト面での工夫の一つだと思います。

またキャリア支援には、各年代に応じた対応が必要です。卒業してすぐの20歳代、キャリアの土台となりもっとも重要な30歳代、女性医療人として業績を積み全国的に躍進が求められる40歳代、それぞれに応じた支援や対策が必要であり、彌生塾20、彌生塾30、彌生塾40といった視点からの対応が求められると思います。

私自身は大阪大学で、近隣の他大学卒業の女性の先生と一緒に仕事をさせていただき、 脳卒中や神経内科領域のトップジャーナルに多くの業績を出させていただくことができました。そのうちの一人の先生は、女性ではじめて日本脳卒中学会の草野賞というその年の最優秀論文賞を本学の近くの超一流大学の応募者を抑えて受賞することができました。そういった女性の先生方を1人前の研究者に育てたことが、私が本学に着任できた要因のひとつだったように思います。本学でも、多くの女性の先生が国際的に通用する研究者に成長し、キャリアを向上できるように微力ながら尽力したいとおもいます。もっとも重要なのは、誇り、継続力、前向き思考だと思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

03-3353-8111

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