卒後臨床研修センターだより

さまざまな説明会やオリエンテーション、学会に参加する研修医たち。
貴重な体験報告や、臨場感あふれる行事の様子など月毎にお知らせします。

2012年4月号

初期臨床研修/医科第7期・歯科第6期生修了証書授与式

卒後臨床研修センター

 3月30日(金)16時から、総合外来センター5階大会議室において、初期臨床研修医 医科第7期生・歯科第6期生修了証書授与式が行われました。病院長の挨拶、卒後臨床研修センター長の挨拶に続き、研修管理委員会委員 川名正敏教授より、皆勤賞と優秀賞の発表があり、菊池亮太研修医、藪下寛人研修医の2名が表彰されました。

 

 その後、修了生医科59名、歯科4名一人ひとりに、本学オリジナルの臨床研修修了証明書と厚生労働省指定の臨床研修修了証が、研修センター長より授与されました。続いて、修了生代表2名より挨拶がありました。

 

 後期研修科は、内科系31名、外科系10名(産婦人科2名を含む)、小児科1名、その他17名です。医科修了生の内46名、歯科修了生は4名が本学(関連施設を含む)で研修を始める予定です。

 

 平成17年度より、修了式で指導医バッジ授与を行っており、今年度は31名の指導医に授与されました。

 最後に集合写真を撮影し、授与式は滞りなく終わりました。今回、各診療科指導医の先生方も出席して授与式を盛り上げていただきまして、ありがとうございました。来年の第8期生の授与式にも多くの指導医のご出席をお待ちしております。

 

 なお、平成24年度採用 第9期生は69名(本学卒38名、他大学卒31名)です。ご指導のほど、よろしくお願いいたします。

初期臨床研修を終えて<修了式挨拶>

臨床研修医第7期生 真壁志帆

 徐々に春の日差しを帯び、桜の蕾も膨らんでまいりました。
 本日ここに、東京女子医大病院研修医第7期生の初期研修修了式を無事迎えられたことを、大変嬉しく感じております。


 私達は、2年間の初期臨床研修を終え、医師としてようやく自分の専門分野を定めて歩き始めるスタート地点に立ちました。ふと振り返ると、医師を志してから随分長い年月が経ったものだと、とても感慨深く、喜びも一入です。特に、2年前の4月にこの大きな東京女子医科大学病院を見上げて身の引き締まる思いで研修を開始してからは、医師として医療に携わることの全てが初めて経験することであり、さまざまな場面や感覚が鮮明に思い出されます。

 

 経験の浅い自分達が、白衣を着て病棟に立つだけで「先生」と呼ばれ、メディカルスタッフからは指示を、患者さんからは病態の説明を求められることは、初めは不安でしかなく、置かれた状況に違和感を覚えたり、目を背けたくなったりしてしまうこともありました。そんなとき、少しでも患者さんの気持ちに近づけるようにと病室に何度も足を運んではゆっくり患者さんと会話をしている同期をみて、「そうか、それならできる」と、気持ちを切り替えることができました。気負わずに、まず自らの無知を知ること、そして、患者さん一人ひとりと真摯に向き合い、一生懸命調べて考えること、そのことの大切さを教えてくれる沢山の同期と研修をともにしたことは、何よりの宝であり誇りです。その一方で、患者さんの死に涙をこらえきれず、医師として患者さん側に入り込みすぎてもいけないのだと感じることもあり、自分の成長を感じる日もあれば、未熟さを痛感し反省する日もありました。

 

 そんな私達にとって、昨年3月の東日本大地震は、まさに自らを試される機会となりました。大きく揺れる病棟で、患者さんと医療者の安全に配慮しながら避難誘導を行い、避難場所となった総合外来センターで患者さんの症状の変化に対応しました。そこには医師としての高度な医療の知識や技量だけではなく、一人の人間としての判断と行動が必要とされていました。あの震災を経験して、私達は医師としての自覚や柔軟性を深め、社会から求められる責務を再認識することができ、それを今後の医療に活かしてゆく義務があると強く思いました。

 

 4月には、新たな責任と決意を持って後期研修のスタートを切りますが、謙虚さを忘れず、2年間で学んだことを活かし、医師は患者さんのためにあるということを常に思いながら、広い視野と心を持つ医師を目指して精進してまいります。 私達を日々温かく親身に指導してくださった各科の先生方に、心から感謝申し上げます。また、研修にいつも気を配り支えてくださった研修センター長の萩原先生、研修医アドバイザーの先生方、センター職員の皆様に心より御礼申し上げ、修了のご挨拶とさせていただきます。

臨床研修医第7期生 若狹偉育

 2年間におよぶ初期研修医としての生活も終わりを迎えようとしております。2年前の今頃、医師国家試験の合否を心配しつつ、4月から始まる医師としての生活に期待を抱かずにはいられなかったことが、昨日のことのように思い起こされます。

 

 2年という期間は、医師としてのキャリアにはあまりに短いものです。静脈採血すら無経験に等しい、医学部を卒業して間もない我々にとっては日々目にするものすべてが新たな体験となっていたことは間違いありません。
2004年に初期臨床研修医制度が義務化されたことにより、卒業後すぐに希望診療科に入局するのではなく、幅広い知識・技術を身につけるためのローテーションが可能となりました。なかには「すぐに希望の診療科に入局してしまいたい」、「興味のもてない診療科をまわらなければならないのは時間の無駄だ」と思うこともあったかもしれません。私自身もそのように感じたことは多々ありましたが、それぞれの決められた研修期間が終了する頃には、愛着のようなものを感じていました。ローテーションという制度だからこそ、お手本にしたいと思えるような先生方にもたくさんお会いできました。また、それほど会話を交わしたことがなかった同期の仲間とも、共通の診療科をまわることで思いがけない絆が生まれたことも初期臨床研修医制度のなかで得た財産の1つです。


 女子医大を研修先として選択した男性であれば必ず聞かれることがあります。
 「どうして女子医大を選んだのか?」
 研修先としてこの病院を選択するのには思い入れや動機、そして魅力を感じてのことだと思います。さまざまな経験をした2年間ですが、感想を求められると自信をもって「女子医大を研修先として選択してよかった」と言える自分を誇りにすら思っています。その根拠はやはり、尊敬できる医師との出会い、そして悲しみを半分に、喜びは倍増させてくれる仲間との出会いが数多くあったからだと信じています。

 

 初期研修とは、入口が1つであるにもかかわらず、出口はそれぞれ異なることが特徴だと思います。4月からはそれぞれの専門に進むこととなりますが、2年間の研修で培った知識および経験は、今後の医師としての可能性を広げてくれることでしょう。我々研修医に数々のお力添えをくださった指導医の先生、卒後臨床研修センター長の萩原誠久教授、2年間の研修生活を快適に過ごせるよう尽力してくださった卒後臨床研修センタースタッフの皆さまに、この場を借りて感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。かけがえのない2年間を提供してくださり、本当にありがとうございました。

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