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先天性心疾患のおもな症状(2)心不全
心不全とは?
心不全とは?

心不全(しんふぜん)」とは、ポンプ(心室)から血液を 送り出すパワーが弱くなって、十分な血液を送り出すことがで きないことです。先天性心疾患だけでなく、大人の心臓病でも起きることで、死にいたってしまうこともあります。

原因は、それぞれの心臓病によって違います。『「非チアノーゼ性心疾患」グループの病気』のところで説明したように、肺を流れる血液の量が増えることで、ポンプに流れ込む血液の量 も増えて、ポンプに負担がかかって疲れてしまうことで、ポンプのパワーが弱ってしまうこともあります。
他にも、ポンプの前後の弁が壊れて血液をうまく押し出せなくなり、最終的にポンプのパワーが弱ってしまうこともあります。

心不全の症状は?
心不全の症状は?

心臓が、十分な血液を全身に送り出せないために、い ろいろな症状がでます。

まず、顔色が悪く、いつも青白い感じです。暑くないのにじっとりとした汗をかいて、からだに比べて手足の先が冷たい感じがします。これは、十分な血液が心臓から送り出されない場合、脳などの体の大事なとこ ろに優先して血液を送り出し、皮膚や手足の先に十分に血液が送らないためです。

また、おしっこを作るための臓器である腎臓(じんぞ う)に血液が十分に送られないと、おしっこの量が少なくなり水分がからだにたまって、むくみやすくなります。赤ちゃんだとむくみはわかりづらいですが、まぶたの上などが比較的わかりやすいです。

チアノーゼの症状とも重なりますが、ミルクを飲むのにとても時間がかかり、1回に飲む量が少ないため、ふつうより体重が増えず、標準体重より小さいことが多いです。

また、血液を全身に送り出すことができないだけでなく、ポンプのところで血液がとどこおおってしまうために、ポンプ(左心室)よりも手前にある、左心房や 肺にも負担がかかります。特に肺への負担が大きく (肺に血液がとどこおってしまうことを、医学用語で「肺うっ血(はいうっけつ)」と言います)、肺が悪くなると次のような症状がでます。
◆呼吸が早くなる(ふつうの赤ちゃんが寝ているとき、呼吸は1分間に30回ほどですが、心不全だ と寝ていても50回以上になることもあります)。
◆呼吸をするときにぜーぜーと音がしたり、呼吸に合わせて鼻がぴくぴくしたりする。
◆たてにだっこしたり、上半身を起こしていると呼吸が楽そうになり、横にすると咳をしたりぜー ぜーと呼吸をしたりする(医学用語では「起坐呼吸(きざこきゅう)」と言います)。ひどくなると、眠りが浅くなる。
◆風邪を引きやすくなり、気管支炎や肺炎になりやすい(肺炎になるとふつうよりも悪い状態になり命にかかわることもあります)。

心不全をそのままにしておくと…?
医師とよく相談し、話を聞くこと

「心臓のきほん」で説明したとおり、ポンプ(心室)は筋肉で作られています。筋肉が伸びたり縮んだりすることで、ポンプのような働きをしていますが、ポン プに負担がかかって疲れてしまうと、筋肉がダメージを受けます。少しポンプが弱くなったところで負担を とってあげる手術をすれば、筋肉のパワーは元に戻り ますが、筋肉のダメージが強ければ、手術をしても元に戻りません。

「心不全」も「チアノーゼ」も症状が軽ければ、そのままでもしばらくはふつうのこどもと同じように育つこともありますが、適切な時期に手術などの治療を行わないと、時期をのがすと手遅れになってしまいます。手術をすべき時期は病気やひとりひとりの状態によって違うので、医師の話をよく聞いてください。