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教授挨拶

主任教授  山崎健二

 

東京女子医科大学 心臓血管外科
主任教授 山崎健二

創造・進化・向上

  循環器疾患に対する外科治療の歴史はたかだか50年強に過ぎず、一つの画期的なブレークスルーを端緒として、創造・進化・向上を遂げてきました。それは飛行家のチャールス リンドバーグと医師アレキシス カレルによって考案された基礎原理を基に、1953年に外科医ギボンが実用化した人工心肺装置であります。それ以降、心臓に代わって人工心肺で全身の循環を維持して行う開心術が可能となり、先天性心疾患、虚血性心疾患、大動脈疾患、弁膜症疾患、不整脈疾患、等の全領域に渡って急速に循環器外科治療体系が進化・発展してきました。
当科は昭和26年に榊原仠先生による本邦第一例の動脈管開存症の手術以来、我国の心臓血管外科学の重要な役割を担い、国内最多の手術実績を有しています。新生児から高齢者の方まで、あらゆる心臓・大血管疾患の外科治療を行っており、手術数は、2002年に通算3万例に達しました。2002年には世界初の再生医療による自己組織血管を先天性心疾患手術に応用し、2005年には当科が早稲田大学と共に研究開発した次世代型補助人工心臓EVAHEARTの臨床治験を開始し、2007年には心臓移植も再開致しました。
心臓血管手術は患者さんの生命予後・QOLに極めて重大なインパクトを与える治療です。それゆえ派手さは無くとも、長期遠隔予後の観点から安全・確実・最善な治療法を実践することが重要です。また最良の結果を得ても、アンブロワズ・パレの言葉「余は包帯し、神が治癒す」、すなわち「患者に備わった本来の自然治癒力・生命力」こそが「治癒の本質」であることを忘れず、常に謙虚でありたいと思います。
今後も患者さんに喜んでもらえる良質な医療の実践、新たな治療の道を切り拓く研究、全人的医療を担う人材の教育・育成に教室員と一丸となって取り組み、社会に貢献していく所存であります。