ペインクリニック・緩和医療

はじめに

外来外観

外来外観

ペインクリニック外来は主に痛みの治療を行う疼痛専門外来です。
総合外来センター1階で2つの診察室と4床の処置ベッドを用いて診療しています。

年間患者数はのべ6千人以上にものぼっており、日常よく見られる一般的な症例から大学病院ならではの難治症例、癌性疼痛まで、その内容は多岐にわたっています。
そして、得られた数多くの知見が日本ペインクリニック学会、緩和医療学会等で発表されています。

東京女子医科大学のペインクリニックとは?

ペインクリニック外来診療について

処置ベッド

処置ベッド

ペインクリニックの診療は診断から治療までを一貫して行っています。
医療面接や各種検査所見(理学所見、画像検査、生理学的検査など)をもとに診断、治療計画を立案します。

診察の過程でより専門的な判断が必要とされた場合には、他科・他院とも連携して治療にあたっていきます。

治療について

神経ブロック

神経ブロック

治療は神経ブロック療法と薬物療法、物理療法を中心に行っています。的確な診断のもと、出来るだけ科学的根拠に基づいて必要の無い治療を排し、神経ブロック療法のみに偏りすぎない「疼痛の集学的治療」を心掛けています。

ペインクリニックならではの治療法である神経ブロック療法は、硬膜外ブロック、星状神経節ブロック等を中心に年間数千件実施しています。

近年の鎮痛薬の発展には目覚ましいものがあります。薬物療法は薬剤部とも協力し、薬物動態学や薬力学を常に念頭に置いた投薬を行っています。西洋薬のみならず漢方治療も積極的も取り入れています。

また、定期的なカンファレンスを通じて日常診療での問題点を明らかにして、より適切な治療を行っていけるよう心がけています。

しかし、残念ながら現実には上記のような治療法を駆使しても、取り除けない痛みも少なくありません。今後の課題と言えるでしょう。

緩和ケアチームの一員として

緩和カンファ回診

緩和カンファ回診

ペインクリニックに従事する医師は女子医大緩和ケアチームの一員という一面も持っています。
女子医大病院はがん診療地域拠点病院として新宿・中野・杉並地区の緩和医療の指導的病院となっており、緩和医療にも力を入れています。
緩和ケア回診やカンファレンス等で活発な議論を交わしながら、他診療科、薬剤師、看護師等の多職種メンバーとチーム医療を行っています。
チーム内では主に癌性疼痛の症状緩和を担っており、主治医からの依頼に対するコンサルタント業務の他に、硬膜外及びくも膜下カテーテル留置、クモ膜下フェノールブロック等の神経ブロック療法を積極的に実施しています。
癌性疼痛の症状緩和に麻酔やペインクリニックで行っている手技や知識が大いに活用できるのです。

ペインクリニック研修について

女子医大麻酔科は学内に4名のペインクリニック専門医を擁しており、実際に外来診療を行いながら能率よくスキルが身に付くように指導を受けることができます。

後期研修1-2年目の短期間ローテーションで疼痛治療の基礎を学びます。具体的には、主に疼痛のメカニズムと診断学、鎮痛薬の薬理学、治療計画の立案、および基本的な神経ブロック手技の取得についてです。基礎といっても実際に指導医と伴に診療を行っていきますので、多種多様な疾患、病態に触れることが出来ます。事実、このローテーション中に経験した症例から数多くの学会発表が、論文投稿が行われています。

短期間ローテーションが終了した皆さんは、希望があればその後もペインクリニック研修を続けることが可能です。ここでは指導医による指導のもとに、実際に自分が主治医となり治療を進めていきます。当院で実施していない治療法は他院への見学研修も可能です。様々なことを学び、日々の臨床に反映していくことが出来ます。もちろん、緩和ケアチームの一員として、癌性疼痛に苦しむ患者さんの疼痛コントロールに力を振るっていただくのも大歓迎です。

当施設は日本ペインクリニック学会柿蒂研修施設に認定されているので、これらの研修期間を経てペインクリニック専門医の取得が可能です。なお、専門医取得にあたり必要な論文投稿や学会発表についても積極的に支援して参ります。

また、前述の通り、当院のペインクリニック医師は「緩和ケアチームの一員」という側面もあるので、日本緩和医療学会の専門医取得も可能です。

研究について

研究は日常診療に応用できる臨床研究をモットーに、特に当院に多い腎不全、糖尿病などの合併症を持った患者さんへの疼痛治療を主なテーマにしています。今後は他科との共同研究も一層進めて行きたいと考えています。

現在進行中のものの例をあげると、

  • 「腎移植後患者の帯状疱疹関連疼痛治療」
  • 「難治性の有痛性糖尿病末梢神経障害(DPNP)治療」

などです。

最後に

麻酔科医として市中病院へ赴任した際に、他科医師か疼痛コントロールの相談を受けることがあります。
経験が無いとなかなか適切なアドバイスは出来ないものです。
プライマリケアの重要性が声高に叫ばれる昨今、蘇生と除痛はまさに医師のたしなみであるとも言えます。
潜在的な患者ニーズは多いものの、まだまだペインクリニック・緩和ケア医は少なく、今後、更なる発展が期待出来る分野と言えます。

まさに、サブスペシャリティーとして最適ではないでしょうか。
皆様の御参加を心からお待ちしております。