東京女子医科大学看護学部
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Last update: 2010-03-31
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お便り
「お便り」では看護学部の若手の先生、院生の研究、日頃の活動について掲載し、看護学部の活動状況を紹介します。ユニークな研究あり、貴重な実践活動あり、熱心な教育ありの看護学部の日々の一部をご紹介いたします。年に数回更新する予定です。
 新着お便り
第二回「移植者の満足度を高める看護を夢見て」
第三回「看護専門職における自律性と研究活動との関連」
第二回「移植者の満足度を高める看護を夢見て」
成人看護学 助教授 野副美樹
 
 私は本学の短大の3年の頃より、腎移植に興味を持ち、実習病棟および就職先に本学の腎臓病総合医療センターを選びました。自分の念願がかなったもののあわただしく勤務するうちに年月が過ぎ、「腎移植を受ける人があまりにも情報提供されていない、また、腎移植を受けた人が再入院することが多いのは、自分のオリエンテーションや退院指導に不足があるのではないか」という不安を感じました。
そこで、当時はアメリカ看護が流行していた(?)のも手伝って、ハワイにある私学のナーシングプログラムに編入を決め、現地で臓器移植を学ぼうと渡米しました。大学では臓器移植に関連する実習先を自分で選び、3人のレシピエント移植コーディネーターのもとで実習をする機会を得ました。無事卒業して帰国したら、脳死臓器移植の道が開かれていることを夢みていました。ところが、日本の法律制定の動きは非常に遅く、日本ではレシピエント移植コーディネーターへの道は開かれていないのが現実でした。
帰国後、看護教育の場に身を寄せているうちに、アメリカの有名な移植施設を訪問する機会があり、看護者によるレシピエント移植コーディネーターの役割について研究をはじめました。また、日本看護協会の倫理委員会のワーキンググループのメンバーとして、臓器移植の研修プログラムを作成する仕事もあり、移植看護の発展を目指すために、大学院修士課程への進学を決意しました。
大学院では「移植医療に対する満足度」を調査しました。移植医療は欧米に比べて日本は遅れていますが、研究に協力してくださった多くの方々は、医師や看護師に話を聞いてほしいという要望をもっておられ、医療者に対する満足度は高く、良い評価をいただきました。
現在、私が移植者と出会うのは実習や研究の場がほとんどです。本学の看護学部の実習では、腎移植者を受け持たせていただいております。これは他の大学にはない、たいへん貴重な経験となって、移植看護を支える後輩たちを育成するのだと確信し、(定年退職まであと20余年もあるので)大きな夢をもちながら学生や移植者のみなさんと共に歩んでいこうと思っています。
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第三回「看護専門職における自律性と研究活動との関連」
基礎看護学 助教授 菊池昭江
 
 私は、これまで臨床で働く看護師の職業上の諸能力の形成や看護学生の学習意欲などについて研究を行ってきました。
ここでは、臨床看護師の皆さんが日常業務の中で意欲的に取り組んでいる研究活動についてご紹介したいと思います。
私は、静岡県にある看護学部大東キャンパスに赴任した頃より、近隣の某総合病院看護部の皆様と看護研究をご一緒させていただいています。早いものですでに8年が経過しました。
看護研究委員の方々は、研究を実践するスタッフの指導から看護研究発表会の企画・運営に至るまで、とても熱心に取り組んでいます。これまでの活動を振り返ると、初めて研究活動に参加した方が異動後も課題を見つけて主体的に取り組むことができていたり、病棟スタッフが異動になる中で研究を継続しようと頑張っているグループがあったりと、日常の業務の中で気づいた疑問や事実を研究的な視点で明らかにしてみようとする意識が高まってきたと感じています。
看護研究発表会においても、年々回数を重ねるにつれて高度なテクニックを要するパワーポイントの発表が目立つようになってきたため、視覚的にも聴衆にアピールする発表となってきています。これらのことは、研究活動を継続することから生じてきた成果ではないかと考えます。
以前、看護師の職務上の自律性と研究活動との関連性を調べてみました。そこでは、看護師の研究意欲は就業後3年を過ぎると一時停滞し、その後10年を越えると大きく高まっていました。そして、就業後5年までに研究に従事した経験を持つ看護師は、看護問題を判断する能力が高く、卒後5年間の研究への取り組みが看護師の力量形成に重要な意味を持つことが示唆されました。さらに、職務経験10年以上の看護師では自ら進んで研究に取り組んだ者の方が上司や同僚の勧めで参加した者よりも、看護上の判断能力や的確に看護を成し遂げる能力が高いという結果が得られました。
これは、一施設での結果のため一般化することはできませんが、研究活動の経験が臨床看護師の能力形成に何らかの影響を与えているものと推測されます。今後もより多くの看護師の皆さんが研究活動に参加するためにお手伝いができればと考えています。
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