齋藤 登
私は難病の母を看取った経験から臨床に還元できる医学研究を学び実践力を備えた医学者をめざして母校卒業後すぐに第二外科学に大学院生として昭和61年に入学、平成2年春に卒業しました。
「大腸癌肝転移予知因子としてのラミニンの血清学的および組織学的研究」をテーマに癌の浸潤・転移とラミニンなどの細胞接着分子の研究を行いました。1年目は当時の織畑教授の退任前でもあり臨床実地と他科ローテーション、2年目より濱野教授(前専務理事)の指導の下で亀岡講師(現在主任教授)の実践指導が始まりました。
当時は現在のような臨床系大学院カリキュラムは存在しませんでしたが、臨床に携わりながらの大学院生活でしたので研究対象となる患者さんの背景因子も身近に感じ取りながら、総合研究所や病院病理などで検体と取り組みました。 学位も平成3年に上記論文にて授与(甲196号)されました。
大学院で大変良かったことは濱野先生に研究における心構えから具体的研究計画の指導を懇切、丁寧に受けることができたこと、さらに亀岡先生の学会発表、論文作成を通したデータ解析、データ考察法のきめ細かな指導が現在の私の財産となっております。達成可能な研究計画のデザインから始める先見性の大切さを大学院教育にて学び得ました。この流れを汲み腫瘍外科学における転移メカニズムの解明をテーマとして私もこれまでに10名の学位指導に携わることができました。
今後も臨床に還元できることを視点におき、研究と教育のバランスを踏まえた臨床医をめざして努力していく所存です。 |