東京女子医科大学大学院
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  小児科学分野

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主任教授からのメッセージ

大澤真木子教授

大澤 真木子 Makiko Osawa

  生まれた時には、生命を保つ基本的機能の他には、見つめる事、お乳を飲む事、泣く事、手足を一見無意味に動かす事などしかできなかった新生児が、一歳ともなると歩き、有意味語を話し、指を一本一本動かし、好き嫌いを意思表示できるようになります。3歳にもなると大人顔負けのおしゃべり、幼稚園生ではスキップや縄跳びさえも可能となります。小学生ではトランプの「神経衰弱」で簡単に大人を負かせる記憶の強さを示したりもします。子供と接していると驚きの連続ですね。この間子供の体内ではすべての臓器が発育し、新たな機能を獲得し乍ら発達しています。遺伝的背景と環境との相互作用。小児では、その生物学的背景/機序の解明されていない事がたくさんあります。その一つ一つの謎に挑戦してみませんか?また、発達途上の小児を脅かす各種病態についての解明/治療に挑戦してみませんか?子供たちのために!

 
スタッフ
大澤真木子主任教授
小国 弘量教授
斎藤加代子教授(兼務)
永木 茂 准教授
平澤 恭子講師
舟塚 真 講師
平野 幸子講師
中野 和俊准講師
今井 薫 准講師
坂内 優子 准講師
鈴木 暘子非常勤講師
宍倉 啓子非常勤講師
粟屋 豊非常勤講師
岡田 和子非常勤講師
三石知左子非常勤講師
白髪 宏司非常勤講師
柳垣 茂非常勤講師
大橋 博文非常勤講師
五十嵐一枝非常勤講師
猪子 香代非常勤講師
村杉 寛子非常勤講師
小国美也子非常勤講師
近喰ふじ子非常勤講師
兼松 幸子非常勤講師
松崎 美保子非常勤講師
 
研究活動

1.発育/発達グループ
心理学的手法を用いた行動、視線の評価、事象関連電位の測定などによる微細な認知面の発達障害及び心の発達課程に関する研究
1-1 小児のsmooth pursuitの発達
1-2 attention shift の発達とその障害
1-3 顔認知の電気生理学
1-4 新生児未熟児認知機能の電気生理学  など

2.ミオパチー
2-1 筋ジストロフィーの臨床研究
(1) 福山型先天性筋ジストロフィーの心機能障害に関する研究
(2) 福山型先天性筋ジストロフィーの低血糖症に関する研究
(3) 福山型先天性筋ジストロフィーの眼所見に関する研究
(4) 福山型先天性筋ジストロフィーの白質病変に関する研究
(5) 福山型先天性筋ジストロフィーに於ける横紋筋融解症に関する研究
(6) 筋ジストロフィーの遺伝子治療など
2-2 重症筋無力症の臨床研究
(1) 先天性筋無力症症候群に関する研究、など 
2-3 筋強直性ジストロフィーの臨床研究
児童精神のグループと共に、先天性筋強直性ジストロフィー児における学習障害とその対応について検討中
2-4 多発性筋炎、皮膚筋炎に関する臨床的研究
2-5 ポンペ病(糖原病2型)の臨床研究および酵素補充療法

.臨床・実験てんかんグループ
3-1 痙攣性疾患の診断と治療に関する研究
(1) Glut-1 欠損症に関する臨床的研究
(2) Panayiotopoulos 症候群に関する臨床的研究
(3) 乳児重症ミオクローニー症候群の臨床的検討
(4) 痙攣性疾患に対するアトキンスダイエット療法など
3-2 痙攣発作の神経生理学的研究
3-3 テオフィリン関連けいれんの解析;熱性けいれん、けいれん重積、年齢依存性てんかんでの検討
3-4 熱性けいれんモデルラット、聴原性ラットを用いたけいれん発現機序の解明
3-5 テオフィリンけいれんのけいれん惹起性に関するラットを用いた検討
3-6 けいれん患児におけるインターロイキン(IL-6)の動態の検討

6.児童精神グループ
6-1 注意欠陥多動症児の情緒的問題
6-2 子どものうつ病の診断と対応
6-3 不登校児の診断と対応
6-4 学習障害および認知発達についての研究
6-5 先天性心疾患児の認知機能についての研究

7.内分泌・代謝グループ
7-1 ミトコンドリア
(1) ミトコンドリア病の基礎的、臨床的研究
ミトコンドリア病の治療を目的として、ミトコンドリアDNA診断、酵素診断を行っている。また細胞培養により、ミトコンドリアの細胞死の関与、特にアポトーシスへの関与について検討中。
7-2 ライゾゾーム病の酵素補充療法
(1) ファブリー病の酵素補充療法
(2) ムコ多糖代謝異常症に対する酵素補充療法
(3) ポンペ病に対する酵素補充療法
7-3 骨代謝の研究:未熟児、新生児及び神経筋疾患の骨代謝の研究:骨形成、骨吸収の マーカーを用い、その特徴を検討中。

8.免疫アレルギーグループ
8-1 自己炎症性疾患、小児リウマチ性疾患の臨床研究
8-2 臨床遺伝免疫学的解析(膠原病リウマチ痛風センターとの共同研究)家族性地中海熱症例について解析中
8-3 食物アレルギー、気管支喘息の診断と治療の研究
8-3 新宿区でのアレルギー疾患の疫学、予防、治療に関する地域活動研究
8-4 免疫性神経疾患の臨床研究:多発性硬化症、抗リン脂質抗体症候群など

9.小児救急グループ
9-1 小児の急性呼吸器疾患に関する研究
9-2 重症川崎病に関する血しょう交換療法に関する研究

10.小児消化器グループ
10-1 GERの臨床的研究

11.分子遺伝学的解析を中心とする神経筋疾患・遺伝子グループ
(遺伝子医療センター参照)
 
研究可能テーマ(上記テーマに加え、以下の提案もある。基本的には、個人の希望に添う)
(1) 培養骨格筋細胞を用いた筋ジストロフィーの遺伝子治療の基礎的研究
  (大澤教授、斎藤教授)
(2) 脊髄性筋萎縮症の家族における候補遺伝子survival motor neuron遺伝子、neuronalapoptosis inhibitory protein遺伝子変異と多型の研究
  (大澤教授、斎藤教授)
(3) 脊髄性筋萎縮症の臨床疫学的研究
  (大澤教授、斎藤教授)
(4) 小児てんかんの病態解明研究
  (大澤教授、永木准教授)
(5) 血小板によるミトコンドリア関連酵素、基質測定によるミトコンドリアの検討
  (大澤教授、中野准講師)
(6) 新生児、小児における骨代謝の検討
  (大澤教授、中野准講師)
(7) テオフィリンのけいれん誘発における作用機序
  (大澤教授、永木准教授)
(8) 小児てんかんの外科治療の適応に関する研究
  (大澤教授、小国教授)
(9) 難治性小児てんかんにおける神経心理学的研究
  (大澤教授、小国教授)
(10) てんかん発作の神経生理学研究
  (大澤教授、小国教授)
(11) 新生児未熟児の視知覚認知発達とその障害
  (大澤教授、小国教授)
(12) 発達促進に必要なサポートについての検討
  (大澤教授、平澤講師)
 
大学院在校生の声
伊藤 進
  私は、2002年度より小児科学教室に入局し、4年間の臨床研修を経て、2006年度より大学院に入学しております。臨床研修におきましては、世界中からも数える程度にしか報告されていない稀な疾患の診断や、国内では初めてとなる新たな治療法などを経験いたしましたが、なお診断がつかないあるいは治療法がみつからない様々な疾患を抱えた子どもたちを目の当たりにし、大学院への入学を決意いたしました。
  私の現在の研究課題は、てんかんの原因となる遺伝子と蛋白の解析です。1995年に初めててんかんの原因となる遺伝子と蛋白の一つが発見されて以来、現在までに20以上の遺伝子と蛋白が発見されております。既知のそして未知の遺伝子と蛋白を解析していくことが、新たな診断と治療法につながっていくと確信しております。

斎藤 崇
  私は2006年度に大学院に入学し,神経筋疾患の患者さんの臨床的問題を経験し、現在は国内留学の形で国立 精神・神経センター遺伝子疾患治療研究部の研究生として研究を行っています.テーマはデュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する新規治療法のひとつとして期待されているアンチセンス治療ついて,分子生物学的なアプローチからその可能性を探るというものです.まだ基礎研究の段階ですが,臨床応用を念頭においたテーマなので,大学病院で筋ジストロフィーの診療に携わった経験が生かされていると実感しています.本学のカリキュラムは臨床で感じた疑問や思いを,研究で実証してみたいと感じている方にとって最適だと思います.

平野 嘉子
  私は東京女子医科大学小児科で2年間研修後、大学院に進学しました。もともと、小児神経とくにてんかん学に大変興味があり、更に深く追求してみたいと思ったことがきっかけです。
  大学院では、素晴らしい指導者や先輩方に恵まれ、また海外の著名な先生方と接する機会もあり、大変有意義な生活を送っております。てんかんの診断や脳波の読み方だけでなく、研究デザインの立て方や論文の読み方なども指導して戴き、大学院進学という選択をして良かったと改めて感じました。
  更に、てんかん学を学ぶことで、患者さんを取り巻く環境にも目を向けられるようになりました。てんかんは患者数が多く、古来から知られる病気であるにもかかわらず、いまだに偏見が多い疾患です。また、発作以外に学校生活・進学・就職・結婚・妊娠などライフポイント毎での問題も存在します。診断や発作管理だけではなく、慢性疾患特有の問題を医療者がいかに早く気づき、どう対応していくかも、患者さんのQOLを向上させるためには必要であると学ぶことができました。卒業後も、てんかんという分野で患者さんに貢献できればと考えております。

小田 絵里
  東京女子医大病院および関連病院での4年間の研修を終了した後、先天代謝異常疾患に興味を持ち大学院に入学しました。
  近年、日本でもポンペ病のための酵素製剤が承認され早期発見・早期治療が重要となってきており、大澤真木子教授のご高配により、国立成育医療センター 奥山虎之臨床検査部長のもとにて勉強する機会をいただき、ポンペ病のマススクリーニング法の開発の研究を続けております。
  既存の新生児マススクリーニングろ紙を用いての活性測定を行い、また今後はさらに酵素補充療法の効果との関連についても評価していきたいと考えています。
  現在、教室の先生方、国立成育医療センターの先生方のご指導のもとに勉強させていただいており、今後も臨床に繋がる研究をしていきたいです。
 
大学院卒業生の声
石垣 景子 
  私は平成10年に本学医学部を卒業後、小児科学教室に研修医として入局すると同時に、内科系小児科学専攻の大学院に入学しました。入学当初は、大学院の講義や実習を受けつつ、臨床研修に多忙な日々を過ごしました。2年目の冬に、大澤教授のご指導の下、DuchenneやBabinskiがいたことで知られる仏 ParisのParis第VI大学所属、INSERM (Institut National de la Sante et de la Recherche Medicale) U-523 、Pitie-Salpetriere 病院内、筋病学研究所(Institut de Myologie - Batiment Joseph Babinski )神経筋接合部研究室にてMichel Fardeau教授、Daniel Hantai博士の指導を受ける機会を得ました。筋病学研究所は、外来病棟のある臨床部と研究部が隣接し、臨床医と研究者が頻繁に情報交換出来る点で非常に画期的な構造になっており、私自身、研究をやる傍ら、臨床部でMichel Fardeau教授に外来診察や筋生検をご指導頂いたことは貴重な経験として焼き付いています。研究対象の先天性筋無力症候群は、日本では報告例がほとんどない、極めて稀な遺伝性疾患で、テーマであった遺伝子解析は当時仏にとっても新しい研究分野でした。仏語、英語との格闘の毎日でしたが、supervisorのDr. Daniel Hantai博士に実験手技のみならず、研究、発表の基礎から指導を受け、また研究者としての在り方を教えて頂きました。大学院の規定で1年間の留学を終えた後は大学で研究を継続し、留学中に知り合った国立精神・神経センター神経研究所の先生方のところでも勉強する機会も得ました。平成14年に大学院を卒業後は本学小児科で臨床、研究を継続しています。
  現在は筋ジストロフィーを初めとする筋疾患全般を専門とし、中でも筋無力症候群(重症筋無力症、先天性筋無力症候群)、Pompe病の酵素補充療法に力を入れています。特に先天性筋無力症候群は本邦で初の小児例を報告し、現在もその治療の取り組みを試行錯誤して行っています。この疾患は、日本では経験がないために見過ごされているケースが多く、今後、自分の得た知識・経験を広めることで、確実に診断し治療を受けられる患者さんを増やしていきたいと考えています。大学院での経験で得たことは多くありますが、臨床医としてだけでなく、研究者として、多角にアプローチできるようになった点が最も大きな収穫であったと思っています。特に留学中に仏を初め海外、日本国内での数多くの研究者の方々と知り合う貴重な機会を得、それ以後共同研究を行っている施設が多数ありますが、自分が研究をしたことがあるからこそ理解し、適切な情報提供が可能であると実感しています。この点からも、研究希望の方だけでなく、臨床医を目指す後輩の方々に小児科大学院をお勧めしたいと思います。

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