| ■問い合わせ先 | 〒276-8524 千葉県八千代市大和田新田477-96 東京女子医科大学 八千代医療センター 病理診断科 科長: 中野 雅行 電話:047-450-6000 (内線3231) E-mail:nakanom@tymc.twmu.ac.jp |
目的と特徴
本邦における病理医の不足は慢性状態である。一口に病理医と言っても単なる病院病理部門での組織診断医から病の理法を求めて探求する研究病理医までそのスペクトルは広い。ここでは剖検を含め日常の診断業務に携わる傍ら、後者の研究マインドの涵養まで培える研修の場を提供し、真に実力の備わった病理医を育成する点に在る。勿論、臨床医としての病理的基礎を求めて。このプログラムに参加する事も出来る。志ある諸氏を求める。
扨、病理研修の一般的課題は1) 病苦の理法の全体的理解を求めて、2) 病変の特性抽出、3) 解析方法論、4) 適性治療のための形態的情報利用がconventionalに提起されている。ここでは更に5) 不幸にして亡くなられた剖検症例を通じてnosographyの構築学、6) 特発性疾患の解明への視座の涵養、が加わる。
八千代医療センター病理科の大きな特徴は上記課題を こなしていくコースに於て、通念的作業に加えて、A) 短期間に病理作業の概略を理解し、日常業務に入って直接指導を受け、病理医としての事に対する実務能力を開発する点にある。そこでは「患者外来」とは異なり、「病変外来」の要素が強く、検体を前にして此れを短期に分析処理する能力を鍛練する一方、様々な形態分析法を駆使しての「病変」理解と此処の対象が示す多様な疾病側面を体験する。第二はB) 個体レベルでのnosogrophy構築学でそこでは1) 静的な各部変容論にとどまらず、2) 個体の有機性の破綻学、2)予後の実態論を記述しながら理解する。
特に病理検体検査では此れまで培われた病理診断のノウハウが規約診断の形で基準化されている。しかしこれのみでは適格性を必ずしも得られない事はすでに指摘されている。本研修では、しかし取り敢ず、夫れに則りながらも、そこを批判的かつ発展的解消するように勤める。
指導スタッフ
教授 中野雅行
その他、必要に応じて女子医大病理関連スタッフの指導を受ける。
研究施設
基幹施設:東京女子医科大学八千代医療センター病理診断科
研修協力施設: 東京女子医科大学病理科
必要に応じて内外の当該施設に研修の一部を依頼する事も在りうる。
研修カリキュラム
- A:一般目標
- 「病い」は単なる部分の傷害だけではなく、のっぴきならない個体体制の維持遂行の不全現象であり、そこには個体発生から加齢、生活習慣を含めた個体史的、社会史的関連をもって表現されている。一旦、罹病すると必然的に一定の病跡史を描出する。此処での一般目標はこの全体認識を透徹することによって医療行為の実践的根拠と適格性の理解、さらに新規医療開発へと連動させることにある。
- B:行動目標
- a) 検体の取り扱いの基本と応用について理解する。
- b) 標本作製の基本操作の理解し、実践出来る。
- c) 諸器官の正常組織の在り方について説明できる。
- d) 病変の正しい所見記載と診断ができる。
- e) 腫瘍 や生検などの「診規約断」の知識を得る。
- f) 病理解剖の基本手技を理解し、実践出来る。
- g) 剖検所見の取り方についての基本を理解できる。
- h) 病理報告書をまとめる事が出来る。
- i) 病理作業での感染対策を理解し実施できる。
- j) 疾患の原因究明の手法と実践
- k) 研究論文を作成し、発表する事ができる。
- C:研修スケジュールと研修内容概略
- I) 臨床研修の一環として行う場合
原則として2ヶ月間を1 UNITとし、必要に応じて此れを延長出来る。八千代医療 センター病理診断科(場所は病理検査室と剖検室)で研修する。
研修内容は下記の通りです。- 1) 日常の病理検体の処理と所見取り、報告書作成を通常的日課とする。
- 2) はその間に病変病理学のミニクルズスを週3回、臓器観察法を週2回行う。
- 3) 剖検手技の基本伝授
- 4) 剖検例を使っての病変観察法と病理診断報告作成法の実技習得。
- 5) 余裕の有る研修医には研究課題に取り組み、学会発表または自らの学位論文の準備から完成までを行う。
- II) 病理認定医取得を目指す場合
研修場所 内容 1年 病理検査室・剖検室 検体切り出し法、標本作成法。
剖検手法、標本観察法、所見記載法2年 病理検査室・剖検室 病変分析法、規約病理学習得 3年 病理検査室・剖検室 生検診断病理、形態学研究法 4年 病理検査室・剖検室 病理診断習熟、論文作成 5年 病理検査室・剖検室 高次分析手法、論文作成
- I) 臨床研修の一環として行う場合
- D:週間予定
- a) 毎日、午前9時30分、午後5時00分は日常の検体処理、作成、病理検査報告書作成。検閲。
- b) 毎朝午前8時00分: 病理学ミニクルズス
- c) 剖検があれば随時参加
- d) 定例の病院内カンファレンス 月1〜2回。
- E:評価
- 研修医は各到達度目標に対する自己評価表を提出する。
研修終了日に病理診断科にて研修報告会をおこなう。また各研修医は、研修体験を発表する。
研修期間を担当した病理科指導医・科長により各到達度目標に対する評価と最終的な総合評価が行われる。
- 研修医は各到達度目標に対する自己評価表を提出する。
医療錬士研修後の進路
病理科の研修期間を臨床研修の一環に組み入れる事が出来るだけでなく、繰り返し 研修機会を設けることで、研修が実りあるものにするばかりでなく、
志のある研修医は一定の条件で比較的容易に剖検資格取得が可能である。
学位
国内外を問わず、学術誌に掲載された研究論文は女子医大の学位申請の手続きに準じて学位申請の対象となりうる。
専門医
5年以上の病理診断業務従事により専門病理認定医取得の受験資格を得る事が出来、将来病理医として独立する道が開ける。


