当医局の特色

1.学閥がない


 近年の医師研修制度の導入によりほとんどの大学では「学閥が無くなってきている」といわれています。しかし大学によっては同窓の先生方の結束力が強く、外部からの入局者が肩身の狭い思いをすることも少なくありません。東京女子医科大学産婦人科講座では女子医大卒業生が多いことは当然ですが、伝統的に学閥は存在しません。当医局スタッフの出身校では女子医大(3)、千葉大(3)、秋田大(2)、鹿児島大(1)、福岡大(1)、慶應大(1)、山梨大(1)、聖マリアンナ医大(1)、富山大(1)となっています。

2.大学病院・地域基幹病院中心の研修ができる


 東京女子医大産婦人科講座では原則として大学、および首都圏の地域基幹病院での研修を行っています。研修中は医局の都合で指導医の不十分な小さな病院に派遣される心配はありません。入局1年目に4カ月のNICU研修を行い、その後実践的な臨床能力を向上させる目的で地域基幹病院(東医療センター、附属八千代医療センター、至誠会第二病院、都立墨東病院など)に交代で1年前後の研修を行っていただいております。3年間の研修終了後に産婦人科専門医を取得して、その後サブスペシャリティーとして婦人科腫瘍、周産期、更年期、生殖内分泌、細胞診専門医などの資格を取得していただくことが可能であります。また希望者には積極的に大学院進学を勧めておりますが、臨床技術を磨きながら学位も取得することも可能です。研鑽を積んでいただいた後には男女問わずスタッフとなって、後進の指導に当たっていただけることを強く希望します。

3.女性医師が働きやすい環境である


 当医局では早くから、女性医局員の結婚・出産が研修の妨げにならないように対策を講じてきました。具体的には産休・育休の確保、育休後の復帰者に対して外来専属配置、当直免除やフレックスタイム導入など様々な方策を試みております。これにより結婚・出産によるドロップアウトが生じないような職場環境の実現を目指しています。現に多くの女性医師が仕事への復帰を果たし、結婚・出産が女性医師のキャリアアップにハンディとはならない事例が多数あり、身をもってそれら女性医師と接することができます。

研修内容

 研修内容は、東京女子医科大学医療練士プログラムに定められていますが、実際の概略は「主任教授ご挨拶」に記されていますのでご参照ください。

<身分>医療練士として全員が有給常勤医師
<当直>大学当直5~6回/月(3~4名体制)、外当直は自由
<週末勤務>土曜日は午前中まで、日祝日は当直体制
<外勤>婦人科検診・外来、週1,2回程度あり
<休暇>病院規定に準じた休暇取得が実際に可能

<カンファレンス・抄読会>
 ・婦人科術前カンファレンス
 ・画像診断カンファレンス
 ・放射線腫瘍(治療)カンファレンス
 ・病理診断カンファレンス
 ・スメアカンファレンス
 ・周産期カンファレンス
 ・産科抄読会

<研修後の進路>
 ・大学院進学
 ・助教として常勤継続
 ・国内留学:成育医療センター、癌研有明病院、静岡県立がんセンター、倉敷成人病センター等
 ・国外留学:Loma Linda University, Harvard Medical School, Mayo Clinic等
 ・病院・診療所勤務、開業等、


 近年、多くの一流病院が医局人事に頼らなくても優秀な常勤スタッフが集まるなか、社会問題にもなった地域関連病院と大学医局との不透明な関係制度は時代遅れとなりつつあります。そのため本医局では関連病院を確保・維持する代りに研修後の進路は本人の意向を尊重して推薦や支援を行っています。これまで医局員が就職先に困ることはなく、医局のために「くじ引きや教授の命令」で地域病院に配属された人事はございません。

<日本産科婦人科学会専門医受験結果>
平成25年度 受験6名中6名合格
平成26年度 受験6名中5名合格
平成27年度 受験3名中2名合格

国際学会発表(梁木富美子)

 私は、産婦人科専門医取得後、平井臨床教授のもと、液状検体による子宮内膜細胞診採取についての研究を行っており、その成果についてH25年度は4月日本産科婦人科学会、5月の世界細胞診学会、11月のアジア婦人科腫瘍学会にて発表をさせていただきました。
 5月のパリの世界細胞診学会では、平井臨床教授と共にシンポジウムで発表の機会をいただきました。はじめての海外学会と英語での発表に緊張しましたが、無事終えることが出来、他国医師との意見交換や、他国で実際どのように診療を行っているのかも具体的に知ることが出来、貴重な経験をさせていただいたと思います。
 もう少し英会話が堪能であれば、より詳細に意見交換ができただろうと思うと悔しいところもあったため、今度はH26年5月に開催されるASCO(米国臨床腫瘍学会)にむけて現在、英語の猛特訓中です。(笑)

海外留学記(上田英梨子)

 私は2012年の6月からアメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス近郊にあるロマリンダ大学医学部の周産期生理学教室で研究留学をさせて頂いております。 慣れない海外での研究生活はとまどうことばかりですが、上司や同僚、友人に恵まれ、楽しく有意義に過ごさせて頂いております。
 私の研究室では主に新生児の呼吸器疾患の治療で使用される一酸化窒素についての研究を行っております。実験、実験の毎日で 、その結果に一喜一憂しながら過ごしています。研究室では定期的にミーティングが行われ、各自の研究や執筆中の論文の進捗状況を報告したり、実験結果や発表内容について議論を重ねたりしています。私は今回の留学まで基礎研究に携わったことがなく、英語も得意ではないので、研究内容を理解し英語での議論に参加することに大変苦労しています。しかし実験で良い結果が出たり、ミーティングでのプレゼンテーションを乗り切ったりしたときの達成感は格別です。自分が少し成長したと実感できるこの生活がとても気に入っています。
 若い先生方の中には私のように留学をしたいという希望のある先生もいらっしゃることと思います。留学のチャンスを見つけるのは大変で、なかなか気軽に行けるものではありませんが、 あきらめずに挑戦すればいつかは行けると思います。将来のことを考えると不安になることは時々ありますが、良い結果を出して帰国し、ここでの経験を教育、研究、臨床に生かして大学に還元していけるように頑張っていきたいと思います。

育児記(池田真理子)

 私は、研修医のときに結婚し、入局1年目で妊娠し産休に入らせて頂きました。産後は3か月で復帰し、いま2歳の子供を育てながら日々働いています。3か月で復帰と聞くと、そんなに早くに復帰しなきゃなの?と思う方もいると思いますが、教授からは育休とっていいと許可は頂いていたので、3か月での復帰は私の希望です。
 子供が出来てからは当直明けだからって、ゆっくり寝ていることも出来なくなりました。でも、意外と体は慣れるものです。休日は子供と一緒にお出かけしたり、最近はお手伝いをしたがるようになってきたので一緒に洗濯や料理をしたりしています。日々の仕事をしながらも子供との時間も作ることが出来ています。医局の先生方にも子育てをしながら働いていらっしゃる方も多く、すごく理解のある医局だと思います。
 私がいま働いていられるのは、医局の皆様、家族、そして娘のおかげです。これからも皆様に支えられながら頑張っていきたいと思っています。
 後輩への一言 産婦人科は幅広い分野を学ぶことが出来、日々充実した日々を送らせていただいています。ぜひ、一度見学に来てください。

出向先病院から(秋山美里)

 現在、千葉県の八千代医療センターに出張しております。八千代市は、古くからある京成線沿線の地域、新しくできた東葉高速線沿線の地域がありますが、八千代医療センターは後述の東葉高速線沿線のニュータウンにあります。千葉県の総合周産期センターは2施設であり、千葉県の周産期医療の一翼を担っています。中でも、千葉県北西部の人口密集地域にある八千代医療センターは日夜母体搬送を受け入れています。
 ハイリスク症例が並ぶ妊婦検診や、常位胎盤早期剥離の周術期管理で眠れない当直等々、神経を使うことも多々ありますが、温かく面白い指導医の先生方に囲まれて日々楽しく働いています。
 八千代医療センターは新しく、施設がとても綺麗です。その綺麗さに惹かれて分娩を希望される方もちらほら。
 産婦人科医として成長できるよう、精進の日々、これからも頑張ります。

出向先病院から(高橋伸子)

 2013年12月から4ヶ月間、東医療センターに出張させていただいております。東医療センターでは産科と婦人科の病棟が一緒で両方の患者さんを受持つことができます。毎朝のカンファでは、ほぼ全員の先生方と全症例について相談できるのでとても勉強になります。
 産科は地域周産期センターですが、しっかりしたNICUがあるため様々な症例を経験することができます。入局2年目の先生から一人で日直も当直もこなしておられ、判断力と問題解決のスピードは素晴らしいと思いました。常に1~2人はすぐに相談できる先生がいるため、緊急C/Sや搬送・分娩などにも十分対応できています。
 婦人科の手術や腫瘍の症例も多く、産科も婦人科も一人で経験できる症例が豊富に感じました。出張は約4年ぶりでしたので、最初はいろいろと不安でしたが(ちゃんと通勤できるかなど)、外来や外勤などの調整をしていただいたお陰で、とてもスムーズな異動をさせていただくことができました。両方の先生方には色々とご迷惑をおかけしましたが、とても貴重な経験をさせていただきました。
 4月からは本院に戻りますが、より良い医局にできるようがんばりたいと思います。



出向先病院から(永田怜子)

 東京女子医科大学産婦人科学教室では、医療練士(後期臨床研修医)1~3年目まで、4ヶ月毎に、教室内の産科婦人科やNICU,また他院へ出張しております。
 私は1年目の12月から3月までの4ヶ月間、墨田区の都立墨東病院へ出張させて頂き、産科を中心に勉強させて頂きました。同院は、墨田区・江戸川区・江東区の地域の症例を中心とした医療を展開し、三次救急医療を含む「東京ER・墨東」を掲げています。周産期医療も同様で、ハイリスク症例を外来紹介、または母体搬送にて数多く受け入れております。昨年の母体搬送の受け入れ件数は217件であり、1日2件来ることも珍しくありません。
 症例数や種類はとても豊富であり、上級医の先生方も指導に大変熱心です。朝はカンファレンスがあり、新規の入院症例や分娩・手術が行われた症例のプレゼンを細やかに行い、日中は入院患者の妊婦健診や退院診察、母体搬送の診療に積極的にあたります。診療にあたる際は、必ず上級医の先生方と一緒に行い、ご指導を頂きます。また新規入院患者への説明等も自分で行うことが出来ます。
 墨東病院の特に特徴的な事として、若年妊娠や生活保護世帯、また日本語の不自由な外国人の方の妊娠など、社会的ハイリスクの症例が数多くあることです。社会的ハイリスクの症例は、他の症例以上に、既往歴・家族歴・社会的背景を聴取することが重要です。更に妊娠が終了した後も、児の養育面で周囲のサポートが不足することが多く、入院中からMSWの介入や地域支援の準備等が必要でありチーム医療が欠かせません。
 上記のように、関連病院へ短期間の出張を行うことで、東京女子医科大学病院の研修だけでは経験しない症例を、墨東病院で学ぶことが出来ました。今回の経験を今後の周産期医療に生かしていきたいと思います。

育児奮闘記(木崎尚子)

 6年生で第1子、研修医2年目に第2子、そして入局4年目に第3子を出産しました。
 入局当時2人の子供がいる女性医師は私だけでしたが、松井教授をはじめ、スタッフの先生方や先輩・同期の理解があり、入れ替わり立ち代り襲ってくる急病や保育園の行事などの際にも、早退や欠勤できるよう配慮いただきました。遅くまで仕事をしていた私に、「子供たちがまっているんだから早く帰りなさいよ」と優しい声をかけていただいたこともありました。
 大学までの通勤時間は片道1時間半程度と大変でしたが、平成12年度には、自宅から比較的近い病院へ出向させていただき、とても充実した研修を送ることができました。
 そしてその研修先で第3子を妊娠し、昨年4月に出産。その後3ヶ月で専門医試験を受験し、無事産婦人科専門医を取得することができました。
 3人も子供がいると、もちろん病気も3倍、忙しさも3倍です。「家族との時間も大切にしたいけど、スキルアップもしたい」というわがままな私の希望もなんとか実現しようとしてくださる医局に感謝しています。子持ちDrは周りに迷惑をかけてしまうというデメリットだけではありません。患者さん(特に妊婦さん)に対して、妊娠生活についてや出産後の育児の面でも実体験を通してのアドバイスができたりと、より患者さんに近づいて診療できるという強みもあったりします。
 もちろんご迷惑もたくさんおかけしていますが、3児の母でも仕事と育児の両立はできます!ママ女医仲間として一緒に頑張りましょう。お待ちしています。

出張記録(深澤祐子)

 日本産科婦人科学会専門医を取得して間もなく、都立墨東病院へ出張する機会を頂戴しました。私の場合は半年間に亘っての研修でした。墨東病院は、年間200件以上もの母体搬送を受け入れており、まさに東京都城東地域の周産期医療の核となる総合周産期センターです。もちろん当院も東京都西部地域の総合周産期センターとして母体搬送の受け入れを行っておりますが、墨東病院での研修により地域の特性というものを目の当たりとしました。ここで具体的な相違点を述べることはできませんが、日常病棟業務、妊婦健診外来、当直業務を通じて本当に医学的にも社会的にも多種多様なハイリスク症例を経験でき、力となったのは確かです。この機会をいただけたことに感謝しております。また、常勤医の先生方より丁寧なご指導を頂けたこと、当直業務における非常勤の先生方との関わりを持てたことはこれまでにない刺激となり、今後の仕事に対する意欲に影響を与えていただいたと思います。
 実は私には3歳の子供がおり、育児をしながら勤務させていただいております。墨東病院への出張が決まった際には、これまでの状況に通勤時間も考慮せねばならず、仕事との両立が可能であろうかという不安が大きくありました。しかし、どうにか家族のサポートを得ることで勤務を継続することができました。墨東病院には育児に追われている先輩女医も常勤医として数名勤務されております。彼女たちの常に向上心を持って医療に取り組む姿勢は大変励みとなりました。
 当院から墨東病院への出張は始まったばかりではありますが、様々な状況での医療を経験でき、多くの諸先生方との交流もでき、是非今後も継続していければと個人的には思います。HPへの掲載につき抽象的なことしか申し上げられませんので、今後当科への入局を検討されている先生におかれましてはこの出張についてもっと詳細な情報が欲しいと思われるかもしれません。どうぞお気軽に、見学、問合せください。可能な範囲でお答えいたします。

出張記録(堀部 悠)

●福島赤十字病院での勤務について

福島での産婦人科医としての勤務状況をお伝えします。私は入局1年目の時点で研修医時代より希望していた福島での復興支援のための病院勤務を医局のご厚意で出向させていただきました。通例では関連のない病院での出向は新入局員では認められていませんが、快諾をいただきました。その意味で当医局はとても懐が広いです。  先に産婦人科医を志す先生方に伝えたいのは、日本の少子化が嘘のように、全国規模で産婦人科医は慢性的に人員不足です。東京であってもそれは例外ではないと思います。そして福島は最たる場所です。日本の役に立ちたいという想いで4ヶ月間勤務させていただきましたが、大変でした。基本的に出産があれば毎日夜間も呼び出しもありますし、手術数も常勤医の人数から考えるととても多いです。また他科の医師も含め高齢化が著明であり、全科の当直業務もあります。綺麗事では済まされない部分も多いです。当時、14歳で出産した患者さんや、末期の卵巣癌の最後を看取った記憶は数年経った今でも頭から離れません。  産婦人科という場所は医学的のみならず、社会的意義が非常に大きい比率を占めています。そしてリスキーです。言い換えれば、医師としての責任感、充実感を感じることができる科だと思います。当科に興味を持っている先生方はきっと使命感が強いのだろうと思います。現場はドラマより厳しい面もあると思いますが、その厳しさを僕たちと乗り越えていきたいなと思います。楽しいという言葉は医療において誤りですが、やりがいはあります。見学は常時受け付けておりますので、軽い気持ちでいらっしゃってください。強いエネルギーをもった先生がたくさんいます。では病棟で会いましょう!