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主任教授からのメッセージ

安藤 智博(あんどう ともひろ)教授

安藤 智博 Tomohiro Ando

歯科口腔外科学は、歯・顎・口腔顔面領域の疾患の診断と治療および予防、さらに口腔の機能と形態の回復を目指す学問分野です。摂食、咀嚼、嚥下という生命の維持のみならず、審美的にも重要な部位であり、よりよい疾病の予防・治療法、機能と形態の回復のため、医学の諸分野と共同研究を行っており、更なる研究の拡大が期待できる領域です。

スタッフ

安藤智博 主任教授
岡本俊宏 准教授
石川 烈 招待教授
深田健治 講師
岩崎剣吾 助教

 
研究活動

1.細胞シート工学を応用した口腔組織の再生

歯科口腔外科臨床において歯周病や腫瘍切除による骨あるいは粘膜の欠損を生ずる症例は少なくない。これらの組織欠損には新鮮自家組織移植が広く行われている。しかし、移植にあたって組織採取部の更なる外科的侵襲と同部の組織欠損などが問題になる。先端生命医科学研究所との共同研究により、細胞シート工学を応用した培養骨膜による硬組織など口腔組織の新しい再生医療の可能性を研究する。口腔粘膜シート、歯根膜シートの臨床応用に向けての大型動物実験を行う。また、歯髄を用いた再生医療、唾液腺の再生の研究も行っている。

2.口腔扁平上皮癌におけるガンマ・デルタ型T細胞の抗腫瘍活性の検討

ガンマ・デルタ型T細胞(γδ型T細胞)は、自然免疫系と獲得免疫の両方の性質を融資、主として感染に対する免疫として働くとして考えられる。In Vitoroでは多種の癌細胞株に抗腫瘍性を示している。腎細胞癌症例において自己活性型γδ型T細胞を用いて養子免疫療法を行ったところ、有効な治療法と成りうる事が報告されている。本研究では口腔扁平上皮癌におけるγδ型T細胞の発現と抗腫瘍性の検討を行う。

3.口腔インプラントの基礎的・臨床的研究

歯の喪失に伴う口腔機能の低下を回復するために、インプラントが臨床に応用されている。上顎洞の拡大により骨量が少なく埋入が困難とされていた症例に対しても、上顎洞挙上術を施行したインプラントを埋入術が行われているが、本来骨のない副鼻腔にインプラントを埋入した場合の周囲組織の反応についていまだ不明な点が多い。そこでイヌを用いてイヌの副鼻腔にインプラント埋入しインプラント周囲の病理組織学的検討および力学的特性を検討する。イヌの下顎骨にインプラント埋入術を施行し、同様な特性を検討し、新しいインプラント材料並びにデザインを開発研究する。
*テーマの内容・受け入れ人数については
PDFファイルをご覧ください→
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大学院卒業生の声
佐々木 亮


 僕は、大学を卒後、研修医として口腔外科に入局し、救命救急センター、放射線腫瘍科、麻酔科の他科ローテーションを終えた後の臨床医4年目から大学院に進学しました。はじめは綿密な計画などなく顎顔面外傷に関連した再生治療に関する研究ができればと思っていた程度でした。臨床のなかに研究はわずかといった状態で、「歯髄を神経再生における新たな細胞ソースとして利用すること」を研究テーマに実験をスタートしました。大学院1年目の2月に国立精神神経センターの神経科学者である青木俊介先生と出会い、青木先生の指導のもとで、「歯髄の中の神経幹細胞の探索」を本腰を入れて開始し、歯髄の中に神経幹細胞の実験的な定義であるニューロスフェアーという細胞塊をつくる神経幹細胞の存在をみつけ、実際に歯髄細胞を組み込んだ人工神経を作成し、ラットの顔面神経欠損に移植することにより神経を再生させることができました。
 大学院生活では、細胞培養の仕方や英語文献の調べ方から始まり、マイクロサージェリーの手技や、ウイーンでの国際口腔顎顔面外科学会の初参加やハワイでの米国口腔顎顔面外科学会での英語による初めての口頭発表、英語論文の初執筆から投稿、リジェクト、別のジャーナルへの投稿、追加実験とリバイス、アクセプトを経験し、その考え方や取り組み方を身につけることができました。これらの経験は、臨床に科学的な視線を取り組む姿勢や、欧米での最先端の治療は何なのか、国内ではどうなのかと考える姿勢を身につけ、口腔外科医としての視野が大きく広がった様に感じます。大学院の進学は、何より優秀な研究者たちや、研究をしながら働く外科系の医師たちなど数多くの優秀な人たちと出会い、そして影響を受けたことが大きな成果であったと思います。大学院での経験は僕にとって大きな財産です。


【主な大学院での業績】
Ryo Sasaki,Shunsuke Aoki,Masayuki Yamato,Hiroto Uchiyama,Keiji Wada,Teruo Okano and Hideki Ogiuchi:Neurosphere generation from dental pulp of adult rat incisor.European Journal of Neuroscience 27,p538-548,2008
Ryo Sasaki,Shunsuke Aoki,Masayuki Yamato,Hiroto Uchiyama,Keiji Wada,Teruo Okano and Hideki Ogiuchi:Tubulation with dental pulp cell promotes facial nerve regeneration in rats.Tissue Engineering Part A 14,p1141-1147,2008


MEDARTIS® Award(第52回日本口腔外科学会総会学会賞,2007年)

 
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