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移植に関する研究
「凍結保存同種血管移植および遊離組織移植への応用に関する研究」
ラットを用いて、cryopreservationにより抗原性を低下させた血管の同種間での移植を行い、生着、開存期間などを検討することにより代用血管としての可能性を探求する。また、遊離組織移植への応用についても検討する。さらに顕微鏡下微小血管吻合を含めた移植手技や免疫抑制剤の投与と拒絶反応の関係などについても併せて検討する。
「凍結保護剤減圧浸透法を用いた組織の凍結保存と移植の基礎研究」
細胞レベルでの凍結保存法はほぼ確立したが、組織レベルでのviabilityを保って凍結保存するためには、凍結保護剤を組織の深部まで浸透させる必要がある。本研究では、凍結保護剤を減圧・大気圧操作により組織深部まで浸透させて組織の長期間にわたる凍結保存を可能とし、解凍後の組織移植に関する種々の問題を検討している。
「遊離組織移植後の血行動態変化」
マイクロサージャリー技術の進歩により、遊離組織移植術の安全性は確立した感がある。しかし、吻合部血栓による組織壊死の危険性を確実に回避するには至っていない。これに対しては、吻合部血栓を早期に発見しうるモニタリング法の確立が不可欠であり、移植組織内の血行動態変化を直接把握しうる技術の開発を行っている。
再生医療に関する研究
「人工皮膚の臨床応用に関する研究」
真皮成分と表皮成分を併せ持つハイブリッド型の人工皮膚に関しては未だ開発途上であるが、それぞれの成分については培養表皮、人工真皮として臨床応用されている。しかしながら、その適応には未だ大きな制限があるのが現状である。各種培養細胞、創傷治癒促進因子などの併用効果の検討、培養ディッシュの改良などを行い、人工真皮・培養表皮の適応拡大、さらには新規な適用法の開発などを検討していく。
「三次元化再生軟骨に関する研究」
形成外科では軟骨を使った再建手術が多く行われている。たとえば、小耳症(生まれつき耳介がない状態)のような先天異常や、鞍鼻変形のような外傷に対して、最適な形状に削りだした肋軟骨を移植する治療である。しかし、ドナーの犠牲や手術時間を最小限にすることが、これからの医療技術として求められている。
三次元化再生軟骨に関する研究は、耳介軟骨の小片のような最小限のドナーから軟骨細胞を分離し、マイクロポアを有する生分解性ポリマーを土台として、三次元培養を行うことによって、耳介や外鼻のような三次元形状を有する軟骨を誘導する研究である。
- 「組織幹細胞に関する研究」
組織幹細胞や前駆細胞は骨髄や骨膜などをはじめ、さまざまな生体組織に存在する自己複製能や多分化能に優れた細胞群である。組織幹細胞を利用することによってドナーの犠牲を最小限として、目的の再生組織を誘導する研究である。細胞膜レセプターと成長因子との相互作用による分化誘導メカニズムの解明や、成長因子徐放型ポリマーの開発などを着手している。最終的には分離した組織幹細胞を移植し、生体内で目的の組織に誘導する新しい再生外科の創世を目指している。
- 「組織工学を利用した新しい移植組織の作成」
再建外科において、種々の組織を利用できるようになったにも関わらず、目的に合致した形態や機能をドナー部に求めることが困難な場合もある。これに対しては、組織採取部において移植前に外科的操作を加えることより、目的に見合った形態や機能を付加するprefabriactionが行われている。われわれは、培養技術や人工材料を用いたprefabrication
により、さらに理想的な移植組織の作成を行っている。
創傷治癒に関する研究
「陰圧創傷閉鎖法の創傷治癒促進効果に関する研究」
救急医療の場でしばしば遭遇する広範な組織損傷や欠損を伴う外傷創においては、汚染を伴うことやviabilityの評価が不可のため、単なる植皮術などでは一期的閉鎖が困難なことがある。その様な状況では、感染をコントロールしつつ、創傷治癒促進をはかる創傷閉鎖法が必要となる。これに対し、新しい治療法である陰圧創傷閉鎖法について、ラットを用いてその創傷治癒効果のメカニズムや吸引圧と治癒効果の関連性などを検討する。
熱傷に関する研究
「超早期手術法による熱傷治療の研究」
最新の熱傷治療は、受傷後24時間以内に熱傷創面積の30%を目標にV度熱傷創・深達性U度熱傷に対してbanked
skinなどで創閉鎖を行う。2回目の手術は72時間(3日)以内に行う。これら、超早期切除による重症熱傷患者に対する影響を明らかにするために以下の観点から研究を行っている。
- 熱傷深達度の早期診断法の研究
- 熱傷ショック期の循環動態に及ぼす超早期切除の影響
- 超早期切除による代謝の変化と栄養補給
レーザーに関する研究
「皮膚良性血管病変に関する研究」
血管病変に対するレーザー治療に目覚しいものがあるが多くは未だ治療抵抗性である。近年、皮膚冷却装置付可変式長パルス幅色素レーザーが開発され、当科においても良好な結果が得られている。波長、パルス幅、皮膚冷却装置などの改良を行い治療適応の拡大、さらには新しい治療法の開発を検討している。
「アンチ・エージングに関する研究」
近年、手術を行わないアンチ・エージング治療が台頭してきている。レーザー治療においても従来よりもダウンタイムの少なく合併症の少ない技術が求められている。東洋人の治療に特有の炎症後色素沈着を起こすことのない治療法の開発、複数の病変の一期的レーザー治療の開発を検討している。
慢性静脈不全症に関する研究
慢性静脈不全症は、わが国でも増加の傾向にあるにもかかわらず、その研究は進んでいないのが現状である。当施設では以下のテーマで研究を行っている。
1. 慢性静脈不全症の評価・分類法の確立
2. 慢性静脈不全症における筋ポンプ作用の役割
3. 静脈血栓塞栓症の早期診断法の研究
4. 深部静脈血栓症後遺症発症のメカニズム解明
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