| 主任教授からのメッセージ |
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小田 秀明 Hideaki Oda
病理学は病気の発症、進展のメカニズムを追究する学問で、従来形態学的解析を重視して研究が行われてきましたが、近年の分子生物学の発展を取り入れ研究面では大きく変わろうとしています。我々の教室でも、動物実験、細胞培養はもちろん一般的な分子生物学は教室内で十分行える設備を揃えており、病気の本質に迫る研究を展開しています。現在研究が実際に行われているものは以下に示すとおり、癌に関するもの、腎疾患・肝疾患など免疫病理に関するもの、循環器疾患に関するものに大きく分けることができますが、この他の分野でも病気の本体を見据えた研究ならば自由に行える環境にあります。熱意のある大学院生を募集していますので積極的に話しに来て下さい。
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| スタッフ |
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前列左より:
今出事務係長、小田主任教授、
本田助教授、深澤技師主任
後列左より:
宗石技師、富所技師、
設楽助手、渡辺技師主任、
野口助手、宇都研究生、酒井技師 |
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| 研究活動 |
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1.P53遺伝子欠損マウスを用いた脳腫瘍の解析
- P53遺伝子欠損マウスにENUを投与する系を用いて、我々は世界に先駆けて脳腫瘍マウスモデルを開発してきた。この系を発展させることにより従来困難であった脳腫瘍の発症メカニズムの解析が可能になり、脳腫瘍発生に関与する様々な因子を遺伝子レベルで解析し、新しい知見が得られている。また、この系を応用することにより新たな治療法の開発も可能である。
- 2.Src関連タンパクのユビキチン化による制御
- ユビキチン・プロテアゾーム系によるタンパクの修飾機構は各種のタンパクで報告されており、生命現象にとって重要な役割を果たしている事が明らかになっている。我々はSrc関連タンパクであるSrc、Blkなどの活性化状態がユビキチン・プロテアゾーム系により厳重管理されている事を明らかにしてきた。この系の破綻により発癌が促進されると言う仮説の下に、培養細胞、ヒト腫瘍を用いた研究を展開している。
- 3.ヒト腫瘍における遺伝子変異の解析
- 癌は遺伝子の病気であり、ヒト腫瘍の研究に際して遺伝子変異を調べることは癌研究の第一歩であるといえる。これまでp53、ras、APC、Rbなどの癌遺伝子・癌抑制遺伝子を対象に様々な腫瘍を用いて検索を行い、多くの腫瘍の発生・進展に関与する遺伝子変異を報告してきた。今後も各自が興味を持つ腫瘍の遺伝子変異はその診断・治療に欠かせないものとなるであろう。
- 4.発癌とミトコンドリア変異
- 近年腫瘍に高率にミトコンドリア遺伝子異常があることが明らかとなってきたが、ミトコンドリア遺伝子変異と腫瘍との関わりは不明の点が多々あった。我々はHELA細胞を用いてサイブリッドの手法を応用し、ミトコンドリア変異遺伝子が腫瘍細胞の増殖を促すことを明らかにしてきた。現在、培養細胞系のみならず実際のヒト腫瘍で解析を進め、腫瘍発生のどの段階でミトコンドリア異常が関与しているかを解析している。
- 5.糸球体腎炎の障害修復メカニズムの解析
- 糸球体腎炎は糸球体を場とする免疫反応であり、修復可能な可逆的障害から糸球体構造の破壊にいたる不可逆的障害など多彩である。我々は種々の糸球体障害の修復過程を解析し、修復に重要な因子を解明してきた。この研究はヒトの糸球体腎炎の治療に重要な情報を提供する。現在、メサンギウム細胞、内皮細胞、上皮細胞の各障害型実験腎炎で解析を進めている。
- 6.臓器線維化に関わる諸因子の解析
- 炎症性疾患に共通する終末形態として線維化がある。臓器の線維化を抑制することは慢性炎症性疾患の進行抑制につながる。各種疾患における線維芽細胞の増殖と線維化の過程に関与するサイトカインおよび細胞内シグナル伝達の諸因子の役割を、肺線維症、間質性腎炎、腹膜線維症モデルを用いて解析している。
- 7.遺伝子改変マウスを用いた腎炎発症メカニズムの解析
- 糸球体腎炎の発症には様々な因子が関与していることが知られているが、ヒトの解析ではその複雑さから特定の遺伝子に絞った研究を行うことは困難である。一方、近年遺伝子改変マウスが多数作成され、その中には高率に腎炎を発症するものも見られる。我々は糸球体腎炎を高率に発症する遺伝子改変マウスを解析し、改変された遺伝子産物のどの経路が腎炎発症に関わるかを、形態学的ならびに分子生物学的に解析している。
- 8.原発性胆汁性肝硬変のモデルマウスの作成とその解析
- 原発性胆汁性肝硬変(PBC)の発症には自己免疫の破綻が示唆されているがその詳細は不明の点が多い。現在でもPBCの有用な動物モデルは存在せず、このことがPBC発症メカニズムの解析や治療法の開発を遅らせている一要因となっている。我々は種々の点を工夫しPBCのマウスモデル作成にあたっている。
- 9.心筋疾患の心筋障害に関する研究
- 心筋疾患には原因不明の特発性疾患と原因の明らかな疾患が含まれているがいずれも心筋障害の発症機序には不明の点が多い。我々はラットやマウスを用いて実験的に心筋症を惹起させ、心筋の組織学的解析とともに、組織におけるNO、フリーラジカル、サイトカインなどの因子について免疫組織化学、In
situ hybridizationの手法を用いて解析している。
- 10.心筋虚血の心筋障害に関わる病理学的研究
- 心筋虚血の際に生じる組織障害に関しては必ずしも詳細に解明されたわけではない。我々は実験動物に心筋虚血を生じさせ、NO、フリーラジカルの関与やアポトーシスを解析することにより、心筋虚血時に心筋障害のメカニズムを明らかにしている。
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| 研究可能テーマ |
| 1. |
P53遺伝子欠損マウスを用いた脳腫瘍の解析 |
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(小田教授) |
| 2. |
Src関連タンパクのユビキチン化による制御 |
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(小田教授) |
| 3. |
ヒト腫瘍における遺伝子変異の解析 |
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(小田教授) |
| 4. |
発癌とミトコンドリア変異 |
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(小田教授) |
| 5. |
糸球体腎炎の障害修復メカニズムの解析 |
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(本田助教授) |
| 6. |
臓器線維化に関わる諸因子の解析 |
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(本田助教授) |
| 7. |
遺伝子改変マウスを用いた腎炎発症メカニズムの解析 |
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(本田助教授) |
| 8. |
原発性胆汁性肝硬変のモデルマウスの作成とその解析 |
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(小田教授・本田助教授) |
| 9. |
心筋疾患の心筋障害に関する研究 |
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(西川助教授) |
| 10. |
心筋虚血の心筋障害に関わる病理学的研究 |
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(西川助教授) |
| 11. |
その他、話し合いの結果有用と思われたテーマ |
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(小田教授) |
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*テーマの内容・受け入れ人数については
PDFファイルをご覧ください→ |
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| 教室員の声 |
本田 一穂 昭和59年信州大学卒、助教授
専門は、腎臓病理学・免疫病理学。虎の門病院病理部(6年)、本学腎内科(12年)の経験の後、2002年より当教室で研究を行っています。研究テーマは糸球体腎炎の免疫現象の解明で、特にIgA腎症に興味があります。また、腎不全医療に関連するテーマとして、腹膜の線維化や再生に関する研究を、培養中皮や動物実験モデルを用いて行っています。腎臓病学や自己免疫疾患の研究に興味のある方の参加を心からお待ちしています。 |
野口 三四朗 平成4年愛媛大学医学部卒、助手
卒後は本学消化器病センターで、肝臓病を中心に臨床と研究を行ってきましたが、平成14年より第二病理学教室へ移り研究に専念しています。消化器系の腫瘍におけるP53やK-ras遺伝子の解析や自己免疫疾患であるPBCの動物モデルの作成を行っています。当教室の特徴は、やりたい研究は何でもできる(バックアップしてもらえる)ことと雰囲気がとても明るいことです。(小田教授の講義を受けた方なら実感されると思います。)研究の指導体制もしっかりしているので有意義な大学院生生活を送れると思います。皆さんの参加を待っています。 |
設楽 雄次郎 平成12年鶴見大学歯学部卒、助手
細胞内の隠れた脇役"ミトコンドリア"をご存知ですか?一応、自分自身の遺伝子を持っていますし、分裂増殖も秩序を保って行っています。主役になることは少ないですが、様々な疾患において核遺伝子との協調関係を協調性に乏しい私、設楽雄次郎が研究解明に励んでいます。脇役に興味のある方は是非、一度お話しましょう。 |
宇都 健太 平成7年浜松医科大学卒、研究生(循環器内科所属)
私は2003年4月より,循環器内科からの研究生として、病理学一般の研修と循環器疾患の研究を行っております。小田先生をはじめスタッフの方々のおかげで,私のような病理学の全くの素人でも,有意義に学べる環境が整備されています。今後の臨床に役立ちそうな"宝の山"がここにはあり,毎日がとても新鮮です。実際にこちらにきて,「病理学は基礎医学よりもかなり臨床医学に近い」という印象がより強くなりました。学生の方も、また既に臨床医として経験を積まれた方も,我々と一緒にこの教室で勉強してみませんか? |
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