診療内容

MEDICAL CONTENT

CT(コンピューター断層像)

CT1か月に約4000件の検査数があり、短期間に多数の豊富な症例を経験することができる。現在6台のMDCT(マルチスライスCT)が稼働しており、内訳は320列が2台、80列が1台、64列が4台である。MDCTによる高速かつ詳細なデータを利用し、診療に有用な3D像などの再構成画像の提供も行っている。緊急検査にも迅速に対応し、診断・治療方針決定に役立つような画像情報を提供している。

4D-CT(4次元CT)

 これまでは術前の検査としてカテーテルを動脈に挿入して検査する、血管撮影を時として行うこともあったが、患者さんの体に対し侵襲性が高いという欠点があった。経時的に3D-CTを撮影する4D-CT(4次元CT)を術前検査として行うようになり、より安全により多くの情報を得ることができるようになった。4D-CTではこれまでのCTとは異なり、動脈や静脈の血流を連続画像として得ることができるようになる(動画1)。また、3次元データでもあるので、検査終了後あらゆる方向から観察することができる(動画2)。現在は、脳腫瘍の術前検査や、脳静脈血栓症をはじめとする脳血管性病変の検査として4D-CTを活用している。

4D-CT1
(動画1)
4D-CT2
(動画2)
         

CT Perfusion(灌流解析)

 4D CTの応用として、臓器の血液灌流の状態を解析するCT perfusion(灌流解析)検査が利用できる。この検査では発症直後の脳卒中など、MRIでも見えない超急性期の病変(虚血性ペナンブラ)を短時間で診断することができる。これにより血栓溶解や血栓回収などの再灌流療法をこれまでより安全かつ確実に施行することができると考えられる。また、血栓回収の適応を発症から24時間まで拡大することも可能となる。発症からの時間ではなく、虚血性ペナンブラの有無や梗塞の大きさなどを評価してより最適化された治療方法を選択する治療戦略をtissue based strategyと呼び、治療成績の向上が期待されている。