熱傷(やけど)

1980年に起きた新宿駅西口バス放火事件では多数の重症熱傷患者が発生しました。当時、熱傷治療専門施設は限られており熱傷患者の収容施設を探すことが困難でした。その時の教訓から、1982年熱傷救急のネットワークとして「東京都熱傷救急連絡会」が発足しました。東京女子医科大学形成外科は最初の参画施設のひとつとして現在も熱傷治療に従事しています。

当院では小範囲の熱傷(水ぶくれ)から、全身に至る広範囲重症熱傷まで365日24時間迅速な対応ができるよう日々努力しています。

小範囲〜中等度の範囲の熱傷を可及的に早く治癒させ、熱傷治癒後の瘢痕(傷跡)を最小限にとどめるために、それぞれの熱傷創に応じた外用剤(ヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(basic fibroblast growth factor:bFGF)1)など)や創傷被覆材の選択を適切に判断します。

広範囲熱傷に対しては熱傷受傷の急性期には救命科と連携して全身管理を行い、並行して手術も含めた局所治療を行います。急性期から治癒後の整容的、機能的改善まで一貫した治療計画のもとに治療を進めることで早期の社会復帰を可能にします。

 

熱傷・熱傷後瘢痕に対する主な診療内容

1. ビデオマイクロスコープによる熱傷深度の早期診断 2)

2. 広範囲熱傷に対する超早期手術(受傷後24時間以内)による救命率の向上 3)

3. スキンバンクネットワークを利用した同種皮膚移植による広範囲熱傷の治療

4. 熱傷治癒後の拘縮(ひきつれ)に対する機能的再建手術(マイクロサージャリー手技を含む)

 

参考文献

1) 藤原修,ほか, 新鮮深達性II度熱傷創のbFGF製剤による局所治療の経験. 熱傷, 2008. 34(2): Page71-79

2) 磯野伸雄,ほか, Hi-SCOPEを用いた熱傷深度判定法. 熱傷, 1998. 21: Page11-18

3) 仲沢弘明,ほか, 広範囲熱傷に対する超早期手術. 熱傷, 2005. 34(2): Page71-79