手足の先天異常

先天性の手足の形態異常には様々なものがあります。  
指の数が多い多指症、指の癒合した合指症のほか、指の長さが短い短指、指の数が少なく、指間が深くなった裂手、指や手足のある部分で絞扼された絞扼輪症候群などがあります。これらは時に全身疾患を伴う場合がありますが、麻酔に影響がない程度のものであれば、手術によって機能的、整容的な改善を図っていきます。  

手足の形態異常に対する主な診療内容

1. 多指症・合指症・巨指症・裂手などにおける形成術

2. 母指低形成に対するマイクロサージャリー手技を用いた母指再建手術

3. 足趾短縮症に対する創外固定器を用いた延長手術

4. 先天性絞扼輪症候群に対する形成手術

多指症・多趾症

母指に重複するものが多く、治療は基本的に未熟な指(趾)を切除します。指のどの関節付近からどのように分かれるかで治療法も異なります。骨の矯正や腱の処理などを必要とする場合もあり、指の根元に近いほど腱の修正等機能的な再建が必要となります。また先端では爪の形態を整える場合もあります。足においては機能的な再建は必要ありません。
過剰指を切除すれば、健側と比較すると多少、細く小さい指になります。

合指症・合趾症

皮膚性のものと、骨性のものがあります。
手指の場合はいずれにせよ分離手術を必要とします。癒合部分の長さによって手術法も多少変わります。分離に際しては局所皮弁や足の内側からの植皮術を行うことがあります。程度が軽い場合には植皮を行わない方法も可能です。
足趾では必ずしも手術を行う必要はありません。

多合指症・多合趾症

足の第5趾に多く見られます。過剰趾の切除と趾の癒合分離を同時に行うことが多く、植皮を必要とする場合があります。
当科では植皮を行わない方法も多く行っています。

巨指症

指が部分的に巨大化していますが、各組織が増大しているため簡単に小さくすることはできません。しかし、減量手術は可能です。手術は数回に及ぶ場合があります。

裂手

中指が欠損するために手が裂けたようなV字型の形態をしています。
裂部をより自然な形態に整えます。またそれに加えて手機能の再建も行います。

母指低形成

母指の形成が不完全であり、小さかったり、つまむことができなかったり、欠損していたりします。タイプによってはマイクロサージャリー手技を用いた母指再建手術を行います。

指(趾)短縮症

以前は骨移植を要しましたが、創外固定器を用いた仮骨延長法により移植を行わず形成し良好な結果を得ております。

先天性絞扼輪症候群

四肢の末梢(手首、足首、指、趾)などに皮膚のくびれができるものです。くびれが高度であると、その先がむくんだり欠損したりする場合があります。指(趾)の場合、先端が融合していたり骨がなかったり、様々な形態がみられます。Z形成術、骨移植、骨延長術、マイクロサージャリーを用いた手術など、症状に応じて行います。

複雑な手指の先天異常に対しても、マイクロサージャリー手技を駆使した遊離組織移植を併用し、日常で積極的に使用できるような手を目指し、診療にあたっております。

手術時期

早期に手術を希望される方もいらっしゃいますが、一般的には全身麻酔の影響なども考慮し、1歳前後、または体重10kg前後で手術を行います。