再建外科について

当科においては、がん手術後、やけどや交通事故などの外傷後、先天異常など様々な原因により生じた組織欠損、機能障害、変形などに対して外科的治療を行っています。その多くは、他の部位から組織を移動することにより修復するものであり、このような外科を再建外科と呼びます。
当科で取り扱う組織は、皮膚、脂肪、筋肉、腱、神経、骨、軟骨、腸管など多岐に亘り、必要に応じて障害された部位に移動します。移動の方法はいくつかありま すが、当科では顕微鏡下血管吻合を行うことで、血流を保ちながら組織を移動するマイクロサージャリーの技術があり、必要な組織を必要な分だけ移動することが可能です。
東京女子医科大学形成外科で行っている主な再建外科の内容は以下の通りです。

頭頚部再建

頭頚部がん(舌がん、咽頭がん、上顎洞がんなど)切除後に生じた欠損部分の修復を行っています。頭頸部がんの特徴は口、鼻から喉(のど)に至る複雑な構造上に発生する点であり、咬合や、眼球運動など機能的にも重要な部位です。再建組織も舌、口腔内粘膜、上下顎骨、上顎洞、鼻腔粘膜、眼窩底など必要に応じて様々な組織(皮膚、骨、粘膜組織)を組み合わせて移植されます。

四肢再建

交通事故、悪性腫瘍切除後など、上肢下肢のおもに骨、皮膚、軟部組織の欠損に対して行われる再建法です。手・足の再建においては、整容的な面以上に、機能的な面を重視した再建手術が行われます。そのために、皮膚以外にも骨や筋肉や腱(すじ)などの移植も行われます。

難治性潰瘍・褥瘡に対する皮膚再建

種々の原因でなかなか治らないきずに対しても、再建外科により皮膚を移動することで治すことができます。ただし、このような疾患は血管病変を伴っている場合が多く、手術が可能かどうか術前に細かく調べる必要があります。

褥瘡

褥瘡が生じた原因などが改善される見込みがあれば、組織移植を用いた創閉鎖は感染のリスクを減らし、生活の質の改善が見込まれます。

頭部、胸部、腹部などの術後潰瘍

脳や心臓、肺、腸管など重要臓器の周囲に生じてしまった潰瘍や皮膚欠損は早期の閉鎖が必要になりますが、感染を伴う場合も多く治療に難渋することも多々あります。当科では陰圧閉鎖療法などの治療を組み合わせた技術で創部を速やかに清潔化し、最終的には組織移植を行い創閉鎖、体壁再建を行います。

糖尿病性壊疽、虚血性壊疽

全ての症例に適応できるとは限りませんが、当院では血管バイパスと遊離組織移植を組み合わせ、本来切断すべき足を最低限に止める方法も行っています。

顔面神経麻痺

顔面神経は顔面の筋肉を支配する神経であり、これが麻痺することにより、目を閉じたり、口を閉じたりすることが困難になるばかりでなく、顔の表情が失われる ことになり整容的にも大きな障害となります。これに対しても、再建外科を行うことにより回復することができます。主に行われている手術は、背中の筋肉の一 部を神経、血管をつけて顔面に移植し、麻痺をしていない側の神経に繋げることにより、顔の表情を再現することができます。

熱傷後瘢痕拘縮に対する再建

熱傷治癒・植皮術後のひきつれ、醜形に対して身体に残存する正常な皮膚を移植することができます。頚部・四肢関節部など機能的な再建、顔面の醜形など整容的再建に分けられます。

乳房再建

乳房再建の項参照 >>