下肢壊疽

近年、高齢者の増加とともに様々な合併症を生じる糖尿病などの生活習慣病患者も増加しています。このような患者は内臓疾患を起こすだけでなく足が黒く壊死する(組織が死んでしまう)ことがしばしば見られます。当科では創傷外科医として他科と協力しながら治療し下肢機能の温存に努めています。

糖尿病性潰瘍

糖尿病患者は神経障害により傷があっても痛くないため気づかないことが多く、さらに通常よりも感染しやすいことなどから皮膚潰瘍が悪化しやすい特徴があります。特に足では潰瘍がつま先から徐々に進行し骨まで感染と壊死がおよぶと切断しなくてはいけなくなることもあります。
当院には糖尿病センターがあり、糖尿病内科医、血液透析医、眼科医、フットケア部門と協力して糖尿病と合併症の治療を行いながら創部の感染制御と壊死組織の除去を行い、可能な限り足を切断せずに社会復帰できるよう治療しています。軟膏治療、陰圧閉鎖療法、手術療法を合わせて計画的に治療を行います。

動脈性(虚血性)潰瘍

加齢や糖尿病を背景として動脈硬化が進むことで、虚血性心疾患や脳疾患とともに下肢の末梢動脈疾患を来します。足先の血流が悪くなると、冷感や痛みを伴い傷が治りにくく、前述の糖尿病を合併しているとさらに悪化しやすくなります。当院では循環器内科と協力し、まず下肢動脈硬化や皮膚血流の検査、血管内治療により血流を改善された後、当科で適切な保存的治療と外科治療により皮膚潰瘍の治療を行います。また近年では末梢血管バイパス術も併用しより高い救肢率を目指しています。

静脈うっ滞性潰瘍

下肢静脈瘤や下肢静脈還流異常により下肢の血液の循環が障害され、傷が治りにくくなります。当科では下肢静脈瘤の専門外来があり、原因の検査と治療を同時に行うことができます。(下肢静脈瘤の項参照