①担当医師

医師   卒年  卒業大学
永田 智 教授・講座主任 昭和62年 順天堂大学
千葉 幸英 助教 平成15年 東海大学
花谷 あき 助教 平成18年 山形大学
金子 裕貴 助教 平成19年 聖マリアンナ医科大学
鏑木 陽一郎 助教 平成19年 愛媛大学
谷 諭美 助教 平成20年 杏林大学
池谷 紀代子 非常勤講師 昭和55年 東京女子医科大学
村杉 寛子 非常勤講師 昭和61年 東京女子医科大学
原 拓麿 非常勤講師 平成15年 聖マリアンナ医科大学
佐原 真澄 研究生 平成19年 東京女子医科大学

 

②対象疾患

 アレルギー疾患(食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、花粉症など)、消化器疾患(難治性下痢症、潰瘍性大腸炎、クローン病、慢性便秘、体重増加不良、栄養不良、肥満 など)、膠原病(川崎病、若年性特発性関節炎、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎など)

 

③診療・特色

 上記の疾患の診断、検査、治療 などをより最新の知識をもってより広い視野 で丁寧に行うことを心掛けております。食物アレルギーの治療は、現在は除去療法が中心ですが、寛解(食べられるようになること)の確認のため、経口負荷試験を行い評価することにより、無駄な除去療法を行わないようにしています。経口負荷試験は週に2回、半日~1日入院を原則に行っております。また、寛解のメカニズムを科学的に解明することにより、除去食を超えるより積極的な治療を目指しています。川崎病の原因は不明ですが、当診療・研究グループの手によって原因解明を進め、近々画期的な成果を発表する予定です。慢性の下痢、便秘は、腸内細菌叢の乱れに着眼した「腸内環境の改善」という新しい視点で、解決に導きます。

 

④受診を希望されるご家族の方へ

 最近、子どもの様々なアレルギーが増えているといわれています。ぜん息はよい薬が出てきたので昔より重症のお子さんは減ってきとはいえ、いまだに救急外来に来られている方は多いです。食物アレルギーは、ショックなど命に係わる重症な症状があるため日常生活での保護者の方の不安が高い反面、不必要な除去療法を延々されていることも多いです。便秘は体質と思われ、放置される傾向がありますが、きちんと治療されれば大人に持ち越さなくてすむ場合もしばしばあります。小児医学は日進月歩ですので、根拠に基づいた治療をつねに心がけてお子さんの健康を守っていきたいと思っております。

下記のような症状でお困りお子様は是非、当院の専門外来にご相談ください。

  • 食物アレルギーといわれ、食事除去をしているけれどいつまで除去すればよいか疑問
  • 食物アレルギーで、「もう除去はいらないから食べてよい」と言われたけれど家で食べさせるのは不安
  • アトピー性皮膚炎で、ステロイド軟こうがやめられない、ステロイドを使いたくない、原因を知りたい
  • 最近、夜中にずっと咳が続いている
  • 下痢が続いて薬を飲んでいるが治らない。栄養面で心配。
  • 便秘が長く、保育所や幼稚園でトイレに行きたがらなくなった。

 

⑤医療関係者の方へ

 食物アレルギーの診断、フォローアップ、難治性のアレルギー疾患・消化器疾患、川崎病、原因不明の発熱、関節痛、皮疹 のお子さんなど、診断やご加療に苦労されている方がおいででしたら、ご紹介をいただけましたら幸いです。是非ともお役に立ちたく思っております。

 

⑥専門外来

以下の日程で外来を行なっております。金子、千葉、永田宛てにご紹介ください。

  土(第3を除く)
午前          千葉幸英

永田 智  千葉幸英
(第1週)
金子裕貴
(第4週)
午後   永田 智
千葉幸英
池谷紀代子
金子裕貴
  村杉寛子
原 拓麿
 

 

⑦入局希望の先生方へ

 科学的根拠に基づいた各種アレルギー・消化器・膠原病 の診療、研究に興味がありましたら、ぜひ一度見学にいらしてください。当グループでは、食物アレルギーの寛解のメカニズム解明、川崎病の病因解明、プロバイオティクスを用いた小児肥満、消化器疾患、アレルギー、自己免疫性疾患の研究などを行い、これらの成果を実地の治療に応用していきたいと思っています。興味のある方、ぜひ一緒に働きましょう!

 

⑧研究・実績

<研究の特色>

川崎病の病因はいまだ不明ですが、当研究グループは、冠動脈瘤発症機序や日本人に多いなど疫学条件をも説明できる新しい病因仮説をもとに、新しい細菌説の発見に至っています。食物アレルギーの研究に関しては、世界的に基礎的な検討が少なく根拠の少ない治療が横行していますが、私達は、寛解を促進するヘルパー細胞のサブクラスに注目して、全く新しい見地から寛解のメカニズムを解明していきます。昨今、難病の治療戦略の一つとして、腸内細菌叢の調節が注目されていますが、私たちの施設では、従来のものとは比較にならない精度の高い分子生物学的手法による腸内細菌叢の分析を行っており、この技術をもとに、「早産の予防」「肥満・生活習慣病の予防」「炎症性腸疾患の再発予防」「がんの予防」などきわめて新しい分野への挑戦を続けています。このように、当グループでは、他施設の追従を許さない傑出した先進的検討を行う環境が整っています。

<研究課題>

  1. 川崎病の病因解明に関する研究(ヤクルト本社中央研究所との共同研究)
  2. 食物アレルギーの寛解のメカニズムに関する研究
  3. プロバイオティクスの臨床応用:感染予防効果、肥満・生活習慣病予防効果(当院・糖尿病センターとの共同研究、順天堂大学大学院プロバイオティクス研究講座との共同研究)、早産の予防効果(当院・母子センターとの共同研究)、整腸作用、炎症性腸疾患の再発予防効果(国立成育医療研究センター消化器科との共同研究、食物アレルギーの寛解促進効果、悪性腫瘍予防効果
  4. てんかん治療のケトン食の作用機序と腸内細菌叢の関与に関する研究(当講座 臨床・実験てんかんグループ との共同研究)
  5. 新宿区におけるアレルギー疾患の疫学、予防、治療に関する地域活動研究

<研究業績:(各テーマごとに主要論文5つ)>

○川崎病

  1. Nagata S, Yamashiro Y, Fujimori M, Chiba Y,  Ohtsuka Y, Shimizu T.  Antimicrobial therapy using sulfamethoxazole trimethoprim for Kawasaki disease patients unresponsive to intravenous immunoglobulin. Open Journal of Pediatrics 1;27-29:2011
    (川崎病に有効な抗菌薬を示唆したシリーズ・レポート)
  2. Nagata S, Yamashiro Y, Ohtsuka Y, Shimizu T, Sakurai Y, Misawa S, Ito T. Heat shock proteins and superantigenic properties of bacteria from the gastrointestinal tract of patients with Kawasaki disease Immunology 128,511-520,2009
    (川崎病の原因と思われる細菌を上部消化管から検出した基礎研究)
  3. Yamashiro Y, Nagata S, Ohtsuka Y, Oguchi S, Shimizu T.  Microbiologic studies on the small intestine in Kawasaki disease.  Pediatr Res 39:622-624, 1996
    (川崎病患児の小腸粘膜表面の細菌の解析結果を示した基礎研究)
  4. Nagata S, Yamashiro Y, Maeda M, Ohtsuka Y, Yabuta K.  Immunohistochemical studies on small intestinal mucosa in Kawasaki disease. Pediatr Res 33:557-563, 1993
    (川崎病の小腸粘膜の免疫組織化学的検討)
  5. Nagata S, Ohtsuka Y, Maeda M.: Frontiers of mucosal immunology. Immunohistochemical approach to the etiology of Kawasaki disease in small intestinal mucosa. Excerpta Medica, 1991
    (川崎病の小腸粘膜の免疫病理学的検討)

○食物アレルギー

  1. MacDonald TT, Nagata S, Fairclough PD, McKenzie C.: New concepts in pathology and treatment of autoimmune diseases. Mucosal Immunology - A key to tolerance. Springer, 2001
    (粘膜免疫学からみた自己免疫疾患の解析と食物アレルギーの寛解に関する総説)
  2. Nagata S, McKenzie C, Pender SLF, Bajaj-Elliott M, Fairclough PD, Monteleone G, MacDonald TT.  Human Peyer's patch T cells are sensitised to dietary antigen and display a T helper cell type 1 cytokine profile. J Immunol 165:5315-5321, 2000
    (ヒトの小腸パイエル板が食物アレルギーの寛解に関与していることを示す基礎研究)
  3. Ohtsuka Y, Suzuki R, Nagata S, Oguchi S, Shimizu T, Yamashiro Y, Okumura K, Ra C. Chronic oral antigen exposure induces lymphocyte migration in anaphylactic mouse intestine. Pediatr Res 44;791-797,1998
    (マウスのアナフィラキシー・モデルに長期に食物抗原を投与して観察したもの)
  4. Ohtsuka Y, Yamashiro Y, Shimizu T, Nagata S, Oguchi S, Yabuta K. Reducing cell membrane n- 6 fatty acid attenuates intestinal change in food sensitive enteropathy in mice. Pediatr Res 42;835- 839,1997
    (マウスの食物アレルギーモデルの細胞膜のn-6系脂肪酸の組成を検討したもの)
  5. Nagata S, Yamashiro Y, Ohtsuka Y, Shioya T, Shimizu T, Maeda M. Quantitative analysis and immunohistochemical studies on small intestinal mucosa of food sensitive enteropathy. J Pediatr Gastr Nutr 20: 44-48, 1995
    (ヒトの食物アレルギーの小腸粘膜の免疫組織化学的検討)

○プロバイオティクス

  1. Nagata S. Effects of continuous intake of lactobacillus casei strain Shirota for controlling infections and normalizing bowel movements in facilities for the elderly. Prof. B.S. Ramakrishna, Prof. G. Nair B. and Prof Takeda Y, eds. Probiotics, Microbiome and Gut Function─ Transforming health and well-being. Elsevier・India ISBN 978-81-312-4054-0,  July 6th, 99-106, 2015 
    (乳酸菌の感染予防と腸内環境改善への有用性を示す英文単行本)
  2. Nagata S, Asahara T, Ohta T, Yamada T, Kondo S, Bian L, Wang C, Yamashiro Y, Nomoto K. Effect of the continuous intake of probiotic fermented milk containing Lactobacillus casei strain Shirota on fever in a mass outbreak of norovirus gastroenteritis and the fecal microflora in a health service facility for the aged. Brit J Nutr  106:549-56, 2011
    (乳酸菌飲料が高齢者施設の入所者のノロウイルス胃腸炎による発熱期間を短縮することにより重症化を防ぐことを証明した臨床試験)
  3. Shida K, Nanno M, Nagata S. Flexible cytokine production by macrophages and T cells in response to probiotic bacteria: a possible mechanism by which probiotics exert multifunctional immune regulatory activities. Gut Microbes. 2:109-14, 2011
    (プロバイオティクス菌が宿主の免疫応答細胞のサイトカイン産生を調節することを示す総説)
  4. Yamashiro Y, Nagata S. Beneficial microbes for premature infants, and children with malignancy undergoing chemotherapy. Beneficial Microbes 1:357-365, 2010
    (ビフィズス菌が未熟児や化学療法中の小児の感染予防に役立つことを示す総説)
  5. Chiba Y, Shida K, Nagata S, Wada M, Bian L, Wang C, Shimizu T, Yamashiro Y, Kiyoshima-Shibata J, Nanno M, Nomoto K. Well-controlled proinflammatory cytokine responses of Peyer's patch cells to probiotic Lactobacillus casei. Immunology 130:352-62, 2010
    (乳酸菌がマウスのパイエル板の炎症性サイトカインの産生を調節する作用があることを示す基礎研究)

○炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病、ベーチェット病)

  1. Nagata S, Shimizu T, Kudo T, Tomomasa T, Tajiri H, Yoden A, Kagimoto S, Tahara T, Ushijima K, Uchida K, Kobayashi A. Efficacy and safety of pulse steroid therapy in Japanese pediatric patients with ulcerative colitis: A survey of the Japanese Society for Pediatric Inflammatory Bowel Disease. Digestion 81:188-192,2010
    (本邦の小児潰瘍性大腸炎に関するステロイド・パルス療法の効果をまとめた報告:ヨーロッパのガイドラインの参考文献に使われています)
  2. Aoyagi Y, Nagata S, Kudo T, Fujii T, Wada M, Chiba Y, Ohtsuka Y, Yamashiro Y, Shimizu T, Ohkusa T. Peroxisome proliferator-activated receptor γ 2 mutation may cause a subset of ulcerative colitis. Pediatr Int  52:729-34,2010
    (潰瘍性大腸炎の難治化をもたらす遺伝子多型の調査報告)
  3. Kudo T, Nagata S, Aoyagi Y, Suzuki R, Matsuda H, Ohtsuka Y, Shimizu T, Okumura K, Yamashiro Y. Polarized production of T-helper cell type 1 cells in Peyer's patches in Crohn's disease. Digestion 70:214-25,2004
    (クローン病の初発部位である小腸パイエル板を調べ、病態について考察した研究)
  4. Ohtsuka Y, Arai K, Aoyagi Y, Fujii T, Yamakawa Y, Ohtani K, Ikuse T, Baba Y, Inage E, Kudo T, Suzuki R, Nagata S, Shimizu T. Monitoring 6-thioguanine nucleotide concentrations in Japanese children and adolescents with inflammatory bowel disease. J Gastroen Hepatol 25:1626-30,2010
    (本邦の炎症性腸疾患の維持療法に使われる6MPの血中濃度に関する検討)
  5. Fujii T, Ohtsuka Y, Yamakawa Y, Ohtani K, Kudo T, Ohtomo Y, Nagata S, Shimizu T. Effect of mizoribine in children with IBD. Pediatr Int 52:e57-9,2010
    (免疫調節薬であるミゾリビンの小児炎症性腸疾患への効果に関する検討)

 








Illustrated by Kouchiei