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小児脳神経

専門外来:藍原先生が担当しております。

脳神経外科治療の中で、小児(通常15歳以下)領域の治療は、先天性奇形から脳血管障害、脳腫瘍などと成人領域の疾患と比較してさらに幅広いものとなります。当院では、そうした各々の疾患に対応するために、脳神経外科ばかりでなく各科(産科、新生児科、小児科、内分泌内科、形成外科、小児外科、眼科、耳鼻科、放射線科など)との連帯治療にてチーム医療に取り組んでおります。特に小児脳腫瘍に対しては、外科的治療から術後の放射線、化学療法までを含め一貫した治療体制が確立されています。ここでは、一般的な小児領域の脳神経外科疾患をご紹介すると同時に、当院での小児脳腫瘍の治療について概略をご紹介致します。

先天性疾患

【水頭症、脊髄髄膜瘤、キアリー奇形、先天性早期頭蓋縫合瘉合症など】
産婦人科、新生児科と連携して、患児が妊婦中のお母さんのお腹に居るときからMRIなどにて検査(出生前検査)を進め、出生直後から対応できる治療体制をとっています。水頭症に対しては、通常の脳室−腹腔シャントに加え、神経内視鏡による治療も可能です。

脳血管疾患

【脳内出血、海綿状血管腫、脳動静脈奇形、もやもや病、くも膜下出血など】
新生児特有の脳内出血やくも膜下出血などがあり、その病態は様々です。お子さんの状態によって、臨機応変な治療が求められます。特に小児もやもや病に対して、血管斑とチーム医療体制にて治療計画を立てております。

脳腫瘍

【髄膜腫、頭蓋咽頭腫、視神経膠腫、胚細胞性腫瘍、奇形腫、上衣腫、髄芽腫、神経膠腫】
本邦における、小児悪性腫瘍発症患者数(20歳以下)は年間2500人程度です。以前、この中での小児脳腫瘍は白血病に次いで多く2割程度を占めていました。その後に小児白血病に対する治療は20世紀の成功物語といわれるほど成績が向上し、寛解率が高まりました。しかし、脳腫瘍の治療成績は白血病には遥かに及ばず、白血病による死亡率の低下とともにその死亡率は小児悪性腫瘍の第一位になりました。
小児悪性脳腫瘍の場合、ほとんどのお子さんで外科的腫瘍摘出術に引き続いて、放射線、化学療法(抗腫瘍剤)の併用が必要なため、入院期間が他の疾患と比較すると長期になります。悪性腫瘍の多くは抗腫瘍薬(抗がん剤)を使った治療(化学療法)で効果があるため、手術、放射線療法とともに化学療法が行われます。ただし、脳には血液脳関門(BBB)というバリアがあるために使用できる薬剤は限られています。また、化学療法でも治療法によっては薬剤使用量が10倍以上になることもあります。時に骨髄抑制をきたすため、健常時に前もって採血をして血液幹細胞を凍結保存しておき、大量の抗がん剤投与をした後にこれを輸血する末梢血幹細胞移植(PBSCT)という方法もあり、副作用の軽減に効果があります。薬剤量や種類によって、効果、副作用は異なるため、腫瘍の種類、進行度に応じて適切な治療法を選ぶことが大切となります。最近ではさらに、脳腫瘍では組織型(細胞の形態的な性質)だけではなく、細胞を増殖させる遺伝子の性質によって悪性度が異なることが分かってきました。当院では、最新の手術設備とともに、画像検査による進行度、組織の悪性度、遺伝子発現による予後の推定などあらゆる面より検討し、より副作用が少なくて効果的な治療を目指しております。
良性腫瘍の場合(例えば頭蓋咽頭腫瘍など)は手術による摘出が第一選択となりますが、手術前後の内分泌ホルモン検査や補充療法、眼科、耳鼻科的精査が必要となります。そのため、他科との連帯のもと、小児疾患領域ではチーム医療が確立されております。

頭蓋変形外来

欧米では、新生児、乳児のうつ伏せ寝が推奨されることにより、乳児の突然死が急増した歴史があります。1992年以降、American Academy of Pediatricsより乳児の仰向け寝が推奨されたのですが、このことで後頭部変形の赤ちゃんが急増したのです。日本の医療では、重度の機能的障害を合併しない限り、このような赤ちゃんは積極的な治療を行いません。通常は、御両親がドーナツ枕と呼ばれる市販品を用いて、後頭部のいびつをなんとか矯正しようと涙ぐましい努力をしております。現在の米国では、このような頭の変形の治療を目的とした、ヘルメット外来と呼ばれるクリニックがあります。このヘルメットの正式名称は「モルディングヘルメット」といい、これを使用して頭の形を矯正する「ヘルメット治療」が既に定着しております。

脳外科医という立場からは、手術による外科的治療は大切な治療手段ではありますが
東京女子医科大学では、外科的手技のみならず、あらゆる治療の可能性を考慮しながら
小児脳神経外科医療を試みています。外来にて御相談ください。

病棟ボランティア募集
小児病棟の患児ケアを手伝ってくれる方を募集しております。
連絡先は担当医 藍原<yaihara@nij.twmu.ac.jp>まで
http://www011.upp.so-net.ne.jp/volu-no-hi/

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