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教授ご挨拶

                         岡田芳和

脳神経外科学

 脳神経外科は、中枢神経系(脳・脊髄)と末梢神経系の外科的治療を目的とした科である。当脳神経センターは開設40周年を迎え、初代喜多村教授、2代目高倉教授、3代目堀教授を経て現在に至っている。この間当脳神経センターではCTスキャン、定位的脳神経手術、ガンマナイフ治療、open MRI導入による外科手術、血行再建術を中心とした脳血管障害の外科的治療など常に時代の最先端の医療が推進されてきた。現在は脳腫瘍、機能的疾患、脳血管障害、脊椎・脊髄疾患、小児脳神経疾患など広い分野の脳神経系疾患に対して今まで培われてきた外科手術、血管内治療、ガンマナイフ、化学療法などを有機的に組み合わせ、小児から成人・老人まで、また悪性から良性・機能性疾患までの患者さんに対してGOLを重視した総合的な脳神経系疾患の治療センターを目指している。すばらしい伝統を受け継ぎながら21世紀の脳神経系疾患の治療・研究の先駆的センターとなるべく教室員全員明るく飛躍を期している。関係各位のご理解と学生、若手医師の当脳神経外科教室への参加を期待している。

教授挨拶

東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科は、昭和44年(1969)に正式の講座として初代喜多村幸一教授の下で開設されました。当時日本最初のCTスキャンが導入され、脳神経外科学講座は華々しいスタートとなり、全国から脳神経外科学を志す多くの俊才が集まり、非常に活気のある教室運営が進められました。喜多村教授の退任後東京大学脳神経外科教授で居られた高倉公朋教授が2代目教授に就任されました。高倉教授は、当時最先端医療として各病院で渇望されていたガンマナイフをいち早く当神経センターに導入され、悪性脳腫瘍をはじめ、多くの脳神経系疾患の治療に多大なる業績を残されました。高倉教授は退任後、本学学長に就任され、平成10年(1998)に堀智勝教授が第3代目の教授に就任されました。堀教授は、指導方針としてはsubspecialtyの充実を掲げられ、卓越した技量と手術方法や手術器具の改良、開発などにより脳神経外科手術の充実を図られ、年間1300例を超える治療症例数に達し、全国トップの脳神経外科教室を築かれました。堀教授の退官後平成214月より私、岡田芳和が4代目教授として就任いたしました。

当教室は先代の教授の偉大な資産を受け継ぎながら以下のような最先端となる治療の確立と発展に邁進しております。

1:Open MRI手術:術中MRIは、当教室に全国最初に導入され、悪性脳腫瘍を中心とした病変摘出術に応用し、最も良い摘出率に達している。

2:覚醒下麻酔手術:重要な脳機能が局在している部位に生じた病変を脳機能の温存を図りなが病変を摘出する方法として麻酔科学教室の協力の下で覚醒下麻酔による手術法を確立している。

3:機能的脳神経外科手術:難治性疼痛、不随意運動、痙縮など治多くの施設で治療に難渋している神経系疾患に対して定位的手術、深部脳刺激療法、バクロフェン持続投与法など最先端治療を網羅し、日本の先駆的役割を果たしている。てんかんに関しては各種画像診断、硬膜下電極や深部電極による臨床脳波解析などから外科的治療、薬物療法、ガンマナイフ治療の確立を進めている。

4:脳血管障害に対する外科治療:1歳児のもやもや病に対する微小血行再建術から頸動脈など脳主幹動脈を再建するhigh flow bypassまで独自の方法を確立し、頭蓋外脳主幹動脈病変に対しても頸部頸動脈狭窄性病変に対しても頸動脈内膜剥離術、人工血管による再建術、血管内治療などを駆使し、閉塞性脳血管障害の治療では日本のトップクラスの成績に達している。また巨大脳動脈瘤や解離性動脈瘤等一筋縄では治療困難な脳動脈瘤病変に対しても血行再建術を広く応用した治療法を発展させている。

5:ガンマナイフサージェリー:年間400例を越える症例数の中で機能的な治療(三叉神経痛、癌性疼痛、てんかんなど)を積極的に進めている。また頭蓋底腫瘍では脳神経の走行などを特殊な画像診断(CISS)を行い、手術療法とガンマナイフサージェリーによる集学的な治療の確立を進めている。

6:小児脳神経外科:小児脳神経系疾患は、先天性奇形、脳腫瘍、脳血管障害など多岐に亘っているが、脳腫瘍に対する積極的な外科的治療と化学療法、モヤモヤ病に対する直接血行再建術など積極的な医療を展開している。

7:脊椎・脊髄外科:脊椎・脊髄疾患は欧米の脳神経外科施設では脳神経系手術の半数を占めている。本教室も顕微鏡下での安全・確実な脊椎・脊髄の治療を推進している。

8:血管内治療:血管内治療は、脳動脈瘤のコイル塞栓術から頸動脈狭窄症に対するステントへ領域を広げ、ニーズも大きくなっている。脳血管系疾患を循環系全体の疾患と捉える考え方で治療戦略を進めている。

 

当教室は大学病院の責務として3本の柱、即ち臨床・研究・教育に日々邁進しております。臨床教室としては如何に臨床が出来るかが重要です。しかしこれは単に手術が出来るということだけではなく、社会人として患者・家族と良好なコミニュケーションが取れること(honesty)、患者の病気に対してベストの治療は何かを広い視野で考得ることができること(knowledge)、自分の力量を超えた内容に関しては素直に相談できるが実践できること(see and do)、困難な疾患から一歩でも前進できる方法を考えるられること(creatibityresearch mind) などが重要です。このような臨床に向かう姿勢から研究や教育に対するマインド更にアイデアが生まれるものと信じています。研究に関しまして当大学には立派な先端生命医科学センター(早稲田大学と東京女子医科大学の共同研究所)が立ち上がっています。ここでは脳神経系の再生医療や新たな外科治療戦略(ナノテクノロジーなど)などの研究開発が期待されます。当教室のモットーは、臨床で1つのsubspecialityを持つことでしたが、今後は最低2つのsubspecialitiesを持っていただき、日本に、世界に通じる脳神経外科医が輩出できるように皆さんと頑張ってゆきたいと思います。また当教室は大変オープンな環境でございます、手術見学などいつでもお出でいただき、皆様とご一緒に研鑽を積むことが出来れば幸甚に存じます。皆様の御支援・ご鞭撻よろしくお願い申し上げます。

 

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