関節超音波(関節エコー)検査

関節超音波(関節エコー)検査は、関節リウマチがひきおこす滑膜の炎症を直接観察する画像検査です。炎症を起こしている関節滑膜は健常な場合と異なり厚みをもち関節液が増加した状態となり、内部に異常な血流信号を観察することができます(図参照)。X線(レントゲン)画像は骨や関節の障害を評価することに適していますが、炎症を直接観察することはできません。またリウマトイド因子(RF)、抗CCP抗体、CRPや血沈といった血液検査は診断、治療の参考にはなりますが、これらの数値が高い(低い)ことが関節リウマチである(ない)、活動性が高い(低い)ことを断定することにはなりません。

リウマチ専門医は注意深い診察により関節の評価を行ったうえで、これらの検査を参考にして診療を行っておりますが、診察や血液検査では捉えきれない炎症の有無やX線画像では検出できない細かい骨の変化を観察するために、必要に応じてMRI検査や関節超音波検査を実施しています。当センターでは関節の評価専用に装置を導入しております。より早期に関節リウマチを診断するため(早期診断)、よりしっかり関節の炎症が抑えられていることを確認するため(寛解判定)に関節超音波検査は有用です。また関節リウマチのみならず、痛風その他の関節疾患においても有用であることが知られています。

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他の部位の超音波検査と同様、観察する部位にゼリーをつけてプローブと呼ばれる装置をあてるだけです。検査の実施にはある程度の経験が必要で、観察できない部位もありますが、超音波は無害、無痛で、体内に人工関節などの金属がある方、閉所恐怖症の方でも実施可能です。観察する関節の部位や数にもよりますが、検査の所要時間は5分~30分程度で、当センターでは主治医が検査の必要性を判断したうえで、予約していただくことになっております。超音波で観察可能な部位はほぼすべて評価可能です。検査の際には、観察する部位をだしやすい服装で来院いただきます。主治医の指示に従い必要に応じて消炎鎮痛剤の内服を休んでいただくことがあります。検査のために食事を休んでいただく必要はありません。
現時点では残念ながら関節疾患は血液ひとつで診断がつくものではありません。早期治療の重要性や生物学的製剤といった新しい薬剤の有効性が広く認識されるようになった一方で、診断の正しさや安全性とのバランスを十分吟味せずに生物学的製剤を使用して病気の治癒をアピールする風潮には注意が必要です。問診、診察、X線検査、血液検査、超音波検査やMRI検査で得られる情報をもとに総合的に診療を行う必要があります。

文責 瀬戸洋平