人工肘関節置換手術 Total Elbow Arthroplasty

 

肘関節の障害

TEA001膝関節や股関節の人工関節置換手術に比べると、肘の人工関節置換手術は知られていないことが多く、リウマチ患者さんの間で「肘の人工関節は良くない」という印象をもたれていることも多いようです。しかし実際には手術手技も確立されてきており、人工関節の使用機種の進歩もあって近年は手術成績が向上し、手術によって痛みを軽減させ、関節の動きを滑らかにすることが充分に可能になっています。手術後に痛みなく肘を動かせるようになった患者さんの喜びは膝・股関節の人工関節に匹敵するものがあります。当院での手術件数も増加してきており、2009年の1年間では18例の人工肘関節置換手術を行いました。

hiji1肘関節の痛み、可動域制限で支障をきたしている患者さんは当センター整形外科担当医にご相談ください。

 

肘関節の構造と機能

肘関節は上腕骨、尺骨、橈骨という3つの骨からなる関節で、腕を伸ばしたり、曲げたり、手のひらを回す動作を行う重要な関節です。肘関節の破壊が進行すると強い痛みを生じ、関節の動きが悪くなります。特に屈曲(曲げる動作)が制限されると洗髪、洗顔、食事等の日常生活動作に著しく支障をきたします。

 

人工肘関節置換術

hiji2関節破壊が進行し痛みを伴う場合、あるいは動きの悪さにより生活に支障をきたしている場合には、損傷した肘関節を部分的に削り人工肘関節と交換します。現在までに様々な種類の人工肘関節が開発されており、関節の状態に応じた人工肘関節を使用します。当院ではK-NOW人工肘関節あるいはCoonrad-Morrey人工肘関節を状態に応じて使い分けています。K-NOW人工肘関節は当センター桃原教授が開発に関与した、hiji3表面置換型の人工肘関節で、選択機種の豊富さが特徴となっています。上腕骨、尺骨ともにセメント・セメントレスの選択が可能であり、また術後の脱臼の不安がある場合には拘束型(linked type)のSNAP INという機種を術中判断により使用することが可能となっています。高度の関節破壊により不安定な肘関節には世界的にも広く使用されている蝶番型のCoonrad-Morrey人工肘関節を使用して安定した肘関節機能の再建を目指します。

 

手術のながれ

手術は通常全身麻酔で行い、手術を受ける前にはいくつかの準備が必要です。手術の前日(手術前日が休日の場合は2−3日前)に入院し、レントゲン、心電図、血液検査、CTなどの必要な検査を行います。
手術では肘の後方を10-15cm程度切開します。肘関節の損傷した表面を削りとり人工肘関節を挿入します。肘の関節炎の症状や損傷の程度にもよりますが、手術は通常2〜3時間かかります。
手術翌日にはベッドから起き、歩くことが可能です。約1週間後より可動域訓練のリハビリを開始します。術後の経過にもよりますが入院は通常2〜3週間程度です。主治医の指示に従って外来で慎重にリハビリを継続し、1〜2ヶ月程度をかけて徐々に通常の生活を再開していきます。人工肘関節を長持ちさせるために、手術を受けた手では重いものを持ち上げたり、手を強く地面につくような活動は極力避けることが理想的です。

K-NOW人工肘関節

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Coonrad-Morrey人工肘関節

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文責 佐久間悠
2014年2月1日改筆