ステロイド剤

ステロイドには強力な抗炎症作用と免疫抑制作用があり、少量の使用でも痛みを急速に緩和し、関節リウマチの症状を改善させます。ただし離脱(中止)が簡単ではなく、特に長期にわたって使い続けると副作用が強く現れることがあります。これまでおよそ60年にわたり、世界中で何百人万もの関節リウマチ患者に対してステロイド剤が使われているにも関わらず、ステロイド剤を積極的に使用すべきか、それともできるだけ使用を避けるべきかについては未だに明確なコンセンサスは得られていません。

発症初期などの炎症が著しく強い場合には投与を考慮するが、同時に抗リウマチ薬の投与を開始し、抗リウマチ薬の効果が発現する頃からステロイド剤の減量を開始して、最終的には離脱(中止)させるのというが一つの考え方でしょう。欧州リウマチ学会による「生物学的製剤を含む抗リウマチ薬による治療推奨」では、初期治療において低用量のステロイド剤(7.5mg/日以下)を抗リウマチ薬単独もしくは併用療法に加えることを考慮すべきだが、6ヶ月以内を限度とし、臨床的に可能な限り速やかに減量するとされています。

> 「生物学的製剤を含む抗リウマチ薬による治療推奨」(欧州リウマチ学会)

なお、ステロイド剤を長期間服用していると、体内でステロイドを作る機能(副腎機能)が働く必要がなくなるため低下してきます。そのため急に服用を止めると体内のステロイド量が不足し、危険な状態になることがあります。減量の際は必ず医師の指示に従ってください。

主な副作用には、長期投与での副腎機能低下、骨粗鬆症、高血圧症、高脂血症、白内障、緑内障、大量投与では易感染性(感染しやすくなる)、糖尿病、ムーンフェイス、中心性肥満、消化管潰瘍などがあります。

文責 猪狩勝則
2015年2月1日改筆