抗リウマチ薬

抗リウマチ薬の中ではリウマトレックスが最も使われており、およそ8割の患者さんが服用しています。次いで生物学的製剤が2割、アザルフィジンENが2割、プログラフが1割、リマチルが1割の順となっていて、その他の内服の抗リウマチの使用率はそれぞれ2%にも満たない状況です(IORRA調査より)。このうち、リウマトレックスと生物学的製剤、それにプログラフという効果の強い薬の処方量が年々伸びており、その他は横ばいもしくは漸減していています。このことは、より強力な薬を使って出来る限りリウマチの勢いを抑え、寛解導入を目指す方向に治療内容がシフトしていることを示していると考えられます。

> 「生物学的製剤を含む抗リウマチ薬による治療推奨」(欧州リウマチ学会)

 
生物学的製剤

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リウマトレックス®

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ゼルヤンツ®

2013年に発売が開始された新しい薬です。生物学的製剤同様に体内での標的が明確な薬剤でJAK(ヤヌスキナーゼ)という分子を阻害します。経口の抗リウマチ薬ですが、生物学的製剤と同等の効果が期待できます。ただし薬剤費も生物学的製剤と同等です。生物学的製剤同様に特に感染症に注意が必要な薬剤ですが、現時点では帯状疱疹の発生率が高いことが特徴的と考えられています。

アザルフィジンEN®

最初に使われることもある抗リウマチ薬の一つです。リウマトレックスと併用することも少なくありません。最近、費用対効果の観点から改めてリウマトレックスとの併用療法(特に欧米でのヒドロキシクロロキンとの3剤併用療法)に注目が集まっています。主な副作用は、薬剤によるアレルギー症状とされる皮疹や発熱、肝機能障害、胃腸障害などで、服用開始後比較的早い時期に起こることが多いですが、しばらくたってから起こることもあります。稀に骨髄抑制という血液の異常を認めることがありますので、定期的な検査は欠かせません。

プログラフ®

日本で開発された免疫抑制剤で、臓器移植後の拒絶反応を抑制する薬剤として世界中で使用されています。2005年4月に関節リウマチの適応追加されましたが、関節リウマチに対しては少量の使用で効果を発揮します。内服の抗リウマチ薬の中ではリウマトレックスと並び、年々使用率が伸びている薬剤です。他の抗リウマチ薬の効果を高める可能性があることが注目されており、併用療法で使われることも少なくありません。主な副作用は腎障害、耐糖能異常(糖尿病、高血糖)で、定期的な尿検査は必須です。ほとんどの場合、副作用は薬剤中止により軽快します。

リマチル®

日本で開発された抗リウマチ薬で、アザルフィジンENと並び、日本では最初に使われることもある抗リウマチ薬の一つです。主な副作用は、皮疹、蛋白尿で、稀に味覚障害、肝機能障害、胃腸障害があります。定期的な尿検査は必須です。蛋白尿はよく効いている人に起こりやすいのですが、薬剤中止によりほとんどの場合は治ります。

ケアラム®/コルベット®

日本で開発された抗リウマチ薬で2012年に発売が開始された新しい薬です。もともと非ステロイド性抗炎症剤として開発された経緯もあり、疼痛抑制効果の高さに期待されています。リウマチに対する作用はアザルフィジンと同等であることが証明されています。特にリウマトレックスとの併用での効果の高さに注目されており、リウマトレックスとの併用における有効性が証明された国内初の抗リウマチ薬です。

ブレディニン®

副作用が比較的少ないのが特徴ですが、稀に胃腸障害、肝機能障害などを起こします。最近、リウマトレックス服用時(週1-2日)に併用するパルス療法が注目されています。生物学的製剤を導入するよりは安価に治療強化ができる選択肢となります。

アラバ®

2003年9月発売の新しい薬剤で、軟便、脱毛、肝機能障害などの副作用が半数近くの人に起こります。また、稀ですが間質性肺炎や骨髄抑制などの重篤な副作用があります。残念ながら発売開始直後に国内で間質性肺炎の頻度がやや高かったため、国内ではあまり使われていませんが、欧米ではリウマトレックスとほぼ同等の評価を得ており、広く使われています。

メタルカプターゼ®

リマチルと似た薬剤で、副作用もよく似ています。

シオゾール®

注射金製剤で月に1~2回、筋肉内に注射します。主な副作用は、皮疹、胃腸障害、蛋白尿などで、稀に薬剤性の肺炎を起こします。昔はよく使用されていましたが、最近は新たに投与されることは少なくなっています。

リドーラ®

内服の金製剤です。副作用としては下痢や軟便が多く、皮疹もあります。

モーバー®/オークル®

副作用が比較的少ないのが特徴ですが効果も強くありません。

文責 猪狩勝則

2015.2.1改筆