診断と治療 膠原病 小児リウマチ性疾患(膠原病)
小児リウマチ性疾患(膠原病)

 

成人が罹患するリウマチ性疾患(膠原病)の多くを小児も発症します。同じ病名でも成人とは病態が異なる場合があり、病名の頭に“若年性”とつけられるものもあります。関節リウマチに対応した慢性関節炎である若年性特発性関節炎(JIA)、全身の諸臓器とくに 腎、皮膚、呼吸器、中枢神経系に慢性炎症を起こす全身性エリテマトーデス(SLE)、特有の皮疹と筋崩壊を起こす小児皮膚筋炎(JDM)、いくつかの膠原病の特徴を合わせ持つ混合性結合組織病(MCTD)、口腔粘膜、外陰部粘膜など粘膜病変を主とするベーチェット病、唾液や涙液を分泌する外分泌腺の破壊に至るシェーグレン症候群、大小さまざまな動静脈の血管壁に炎症が生じる血管炎症候群(高安動脈炎、結節性多発動脈炎など)、細胞の構成成分であるリン脂質に対して抗体が産生され血管内で多数の微少な血栓が生じて全身の血栓症を起こしたり流産に至ったりする抗リン脂質抗体症候群などがあります。

本邦の小児リウマチ性疾患の有病率は小児人口10万人あたり、JIAが8.79人、SLEが4.70人、JDMが1.74人、MCTDが0.33人と報告されています。JIAは欧米とほぼ同様の頻度、SLEに関しては欧米諸国の約2倍の有病率です。小児リウマチ性疾患の中でもっとも頻度の高いJIAですが、関節リウマチに対応する関節型JIAとは別に全身型JIAという病型が存在し、これは成人スティル病に対応するとされています。全身型JIAは関節炎とともに全身症状(全身とは体の様々な器官を指している)が現れることが特徴です。主に高い発熱と解熱を反復し、時に熱に伴ってサーモンピンク色様の皮疹が出現します。他の症状として筋肉痛・肝脾腫・リンパ節腫脹・心膜炎・胸膜炎などがあります。そのほか成人と異なる特徴をもつ疾患として、小児期発症SLEでは、腎炎の併発が成人で約50%であるのに対して、90%以上と頻度が高く、多臓器に病変が起こり易く、進行が早い特徴があります。また若年性皮膚筋炎は成人のような悪性疾患の合併の可能性は極めて低いですが、およそ30%の例で皮下石灰化の合併があり対応に苦慮することがあります。間質性肺病変の合併は生命予後を左右することがあります。

小児リウマチ性疾患の治療の中心はステロイドですが、成長過程のこどもに投与すると成長障害(背がのびなくなる)など小児ならではの副作用が懸念されます。病気の診断がされたら、臓器障害など重症度をしっかり評価したうえで、必要と判断された場合は免疫抑制剤を併用することで、維持するステロイド量を極力少なくすなどの工夫が必要です。難治性のJIAでは生物学的製剤(アクテムラ®、エンブレル®、ヒュミラ®)の適応が検討されます。