コラム

アンチエイジング・美容医療外来開設にあたって

2013.04.01

東京女子医科大学東医療センター
(同附属成人医学センター兼務)
アンチエイジング・美容医療外来
准教授 本田隆司

 「自身のアンチエイジングに関する悩み」は、女性では圧倒的に「顔や体型の老化」が多いのに対し、男子では「筋力の老化」、ついで「精神面の老化」の比率が高いという調査結果があります。また最近ではアンチエイジングドックを行っている医療機関も増加しており、アンチエイジング医療は外見の若返りをはかる美容外科、美容皮膚科などの美容医療ばかりでなく、内科や婦人科なども含めた多角的かつ総合的に治療を行う医療分野として急速に関心が高まりつつあります。

 2009年の大阪大学による美容診療実態調査では、美容外科標榜のある大学機関は全国で24施設に達し、30%が国立大学でした。この結果からも「美容外科」はいわゆる「美容整形」ではなく、「アンチエイジング医療」の一環としてあらためて注目されてきていると言って良いのではないでしょうか。

 成人医学センターでも最近、日頃より通院していただいている患者様から、しみ、しわ、顔や瞼のたるみなどに関するお悩みやご相談を受ける機会が増えております。そこで、そのようなご要望にお答えすることを目標に、本年4月よりアンチエイジング・美容医療外来を開設することにしました。

 治療内容としては、紫外線や加齢によるしみ、いぼ、あざ、血管拡張などに対するレーザーやIPL(光)を用いた治療、額、眉間、目尻のしわや法令線、マリオネットラインなどに対するヒアルロン酸注入やボトックス注射などが代表的ですが、肝斑を含めしみの多くは美白効果のある内服や外用剤だけでもある程度の改善を期待できます。

 一方で瞼や頬のたるみ、深いしわなどは外科的治療(手術)がより効果的ですが、最近ではこのような症状に対しても高周波やスレッド(糸)を用いたフェイスリフト法など、簡便で侵襲の少ない治療法が開発され、治療の選択肢はますます広がってきました。

 ただし、治療効果やその持続期間、ダウンタイム(施術から回復までの時間)、リスクなどは方法によっても、また各々の患者様によっても異なりますので、医師の説明を十分にお聞きになった上で、ご自分のニーズやライフスタイルにあった治療を受けられることをお勧めします。

 診察は形成外科専門医、日本美容外科学会正会員である医師が専門外来で担当しますので、まず、ご相談いただき、実際の治療は内容によって成人医学センターもしくは東医療センター日暮里クリニック(JR日暮里駅隣接)で行わせていただきます。

 若々しさと健康を支え、QOLを高めることが医療の究極の目標とすれば、外面的なサポートにより、その質の向上に少しでもお役に立てれば幸いです。
 よろしくお願い申し上げます。