コラム

息切れ検査の宅配 始めました。‐パルスオキシメーターによる
『24時間経皮酸素飽和度検査』のお勧め‐

2013.03.01

呼吸器内科 医師 松宮 晴子

 パルスオキシメーターは指先など末梢の動脈の血液中の酸素飽和度(酸素と結合している赤血球の割合(%):医者や看護師がサチュレーションといっているアレです)を測定する機器です。簡単に言えば、爪の色で体内に酸素が足りているかどうかを判定する器械です。今までは、診察室でじっと座っている時の酸素飽和度は調べることができましたが、普段の生活の中で歩いたり階段を昇ったりして息切れを感じている最中の酸素飽和度をみることができませんでした。成人医学センターでは、今春から新たにメモリー機能を有するパルスオキシメーターを配備し、在宅検査を開始することになりました。これにより、日常生活においてどのぐらい動くと息切れを感じ、その時どの程度酸素飽和度が低下しているか、何分で低下した酸素飽和度が回復するかをモニターすることが可能となりました。肺機能検査、胸部レントゲン・CT検査の併用により、病気の進行具合も推測することができ、病態に見合った治療方法を相談することができます。器械はまる1日、24時間装着していますので、眠っている時に息が止まる睡眠時無呼吸症候群かどうかも調べられます。息が切れるのにいつも“大丈夫”、“異常なし”と言われる…という方、いびきが大きく夜中に息が止まっているといわれる方、一度『24時間経皮酸素飽和度検査』を施行してみませんか?

(検査は予約制です。検査は保険診療で行い、検査費用は3割負担の方で1回(1日)300円になります。)

★検査方法

  1. 呼吸器科外来を受診して『24時間経皮酸素飽和度検査』希望とお伝えください。申込書に署名し、外来受付に提出してください。後日検査器械(パルスオキシメーター)がご自宅に郵送されます。
    かかりつけ科がある方は、担当医に検査希望の旨をお伝えください。検査申し込みの際に、結果を聞くための呼吸器科外来受診予約をお取りください。
  2. 説明書に従ってパルスオキシメーターを装着し、できるだけ普段と同じように生活してください。測定は約24時間(1日のみ)です。
  3. 電源を切ったことを確認し、同封の封筒に入れて送り返してください。
  4. 最短で2週間で結果が解析されます。2-3週間後、呼吸器科を受診して結果をお聞きください。

★ご注意

  1. パルスオキシメーターは水に弱いので、トイレ(の後の手洗い)、洗面、入浴、炊事の際は外してください。
  2. 動いている時の経皮酸素飽和度を測定することが検査の目的ですので、なるべく普段と同じように動きましょう。ただし、胸痛、耐え難い呼吸困難、下肢のけいれん、ふらつき、大量の発汗が出現するほどの激しい運動は避け、もしこのような症状が出現したときは直ちに成人センター外来あるいは救急電話にご連絡下さい。