コラム

あなたの眼!大丈夫?

2011.03.01

眼科 医師 三宮曜香

 「緑内障」よく聞く病気かもしれませんが、皆様はどのくらいこの病気のことをご存知でしょうか?「よく分からないけど、なんか恐い病気?!」と思っていらっしゃる方も多いと思います。そこで今日は、早期発見が重要になる緑内障についてお話してみたいと思います。

 まず、多治見市で一般市民を対象に緑内障疫学調査を行ったところ、40歳以上の人口のうち、5.0%つまり20人に1人は緑内障患者であることが分かりました。ところが、その内の80%の人達は緑内障に気がついていないことが分かりました。緑内障は失明原因の上位に位置します。緑内障は神経の病気です。一度障害された神経をもとに元に戻すことはできません。悪くなる前に、出来るだけ早期に発見し、治療を開始し、病気をくいとめることが必要です。

 ただし、緑内障は早期に自覚症状が全くない病気です。また、「緑内障は眼圧が高くなるんじゃないの?私は眼圧が正常だから・・・」と思いがちですが、現在日本人に一番多く見られる緑内障は「正常眼圧緑内障」といって、眼圧が正常なタイプのものが多いのです。

 では、早期発見をするためにはどうしたら良いのでしょうか。それは、ずばり『眼底検査』を受けることです。最近では健康診断の1項目に眼底写真による眼底検査が含まれます。もちろん当センターで行われる人間ドッグにも含まれています。

 眼底とは眼球を構成する一番後ろの壁のことです。そこに視神経乳頭といわれる視神経(眼と脳をつなぐ神経)の出口があります。その部分の形が重要なのです(図参照)。視神経乳頭の異常が分かったら、視野検査を施行し、実際に緑内障が発症しているか否かをみます。当センターでも、視野検査を施行することができますので、ご遠慮なく眼科を受診してください。

また、緑内障になりやすい方は、
・ 緑内障の家族歴がある
・ 中等度以上の近視がある
・ 糖尿病がある
・ 視神経乳頭陥凹拡大がある(健康診断にて指摘あり)
・ 視神経乳頭辺縁の出血の既往がある(健康診断にて指摘あり)
・ 眼圧が高い(眼圧が高くなるタイプの緑内障)
があげられます。

 あなたの大切な眼を守るために、健康診断を必ず受けましょう。また、視神経乳頭の異常を指摘されたら、必ず眼科を受診しましょう。あなたの眼にも緑内障が潜んでいるかもしれません。

眼底写真
眼底写真