手術症例詳細および専門治療

診療の特徴

日本では大学病院や癌センターなどの癌の手術治療を行っている大きな施設では、次々に新しい患者さんの手術をすることが求められているために、再発した患者さんの治療を自施設で行う余裕がありません。
せっかく有名な先生に手術していただいても再発したらよその施設に紹介されたとよく耳にします。 確かに、施設として社会から求められる役割分担があります。
たとえば風邪や虫垂炎で大学病院を受診する患者さんはいません。
しかし、患者さんとしては、「おなかを切ってもらった先生」に最後まで診てほしいという希望があります。
むろん癌の手術をした医師がすべての患者さんを診続けることは不可能です。
しかし当センター外科では、チーム医療と紹介医との綿密な連携によって癌の治療をいわゆる治療を卒業する5年間は主治医チームがきめ細かく管理しています。

末期癌の患者さんやご家族が希望される場合、在宅や関連ホスピスへの手続きをお手伝いしています。
しかし当センターは、大学病院であるにもかかわらず、手術後再発した患者さんが希望された場合に当センターで看取っています。
私たちは看取りは治療の延長であり、癌診療の一環であると考えています。
ベッド稼働率(一つベッド当たりどれだけ患者さんが使っているかという指標)やDPC(丸め請求で入院期間が長くなると病院の収益が少なくなる仕組み)が病院経営で重視される時代に逆行しているともとれる私たちの診療姿勢は、女子医大の基本理念である「至誠と愛」に基づいた「患者とともに」という姿勢を貫くものであります。

精神だけではありません。「手術症例詳細および癌切除後成績詳細」に示されているように、

1.進行癌の占める割合が高い。
2.すべてのステージで良好な生存率。
3.進行癌特にステージIVで良好な生存率を達成。

当センターは中山恒明先生の設立以来、常に他施設が手を付けられない難度の高い手術や進行癌の手術を行ってきました。
卓越した手術手技、百戦錬磨の術後管理、きめ細やかな長期管理からなる確かな戦略に支えられた外科診療を提供しています。
ステージIVの癌患者さんの高い生存率が意味するものは「再発しながら生存している」患者さんが含まれていることです。
私たちは手術だけが私たちの仕事とは考えていません。
化学療法や放射線療法さらには免疫療法も組み合わせて、一日でも幸せに生きたいと望む患者さんを、持てる技と力を振り絞って支えていくことを目指しています。
それには一人の外科医では不可能です。 それぞれの臓器担当の指導医と志高い医師たちがきめ細やかなチーム医療を提供し、東京女子医科大学の当該診療科が協力してレベルの高い診療を提供しています。

専門用語解説

ステージ分類

同じ治療をしても癌の進み方によって効果が異なります。
そこで進み具合をいくつかの段階(ステージ)に分けて、治療の効果を評価します。
腫瘍の大きさ、深さ、広がりを組み合わせて決めます。
I,II,III,IV,Vと数が大きくなるほど進行しています。またIIIを二つに分けてIIIaとIIIbに分けることがあります。bのほうが進んでいます。臓器によってその定義が細かい点で異なりますが、通常ステージIVは、癌が派生した臓器から遠くのリンパ節やほかの臓器に広がっている状態です。

内視鏡治療

内視鏡(いわゆるカメラ)で消化管の内側から腫瘍を切り取る方法です。
腫瘍が粘膜内に留まっている症例に行われます
。 腫瘍が小さい場合、一回で切除する内視鏡的粘膜切除術(EMR)が行われることもありますが、現在は大きな腫瘍に対しても確実に腫瘍の境界を見ながら少しずつ粘膜下層を切って一括切除する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が行われています。
これらの治療の利点は外科手術と同じように切除標本が得られ、この標本を詳細に調べることにより腫瘍が取り切れているかどうかを判定できる点にあります。
癌がとり切れていない心配がある場合は外科的切除を追加します。

胃癌手術

胃癌は、癌の場所、広がりや性質によって、胃の全部を切り取る胃全摘、出口側3分の2を切り取る幽門側胃切除、入り口を切り取る噴門側胃切除術が行われます。

膵臓切除

膵臓は横に細長い形をしています。
そこで魚に見立てて、十二指腸側を頭部、脾臓側を尾部、頭部と尾部の間を体部と呼びます。
腫瘍の位置と広がりによって、膵頭切除、膵中央切除、尾側切除が選択されます。

内視鏡外科手術

外科手術には腹部や胸部を大きく切開して直接目で見て手術する方法(開腹手術・開胸手術)がこれまで行われてきました。
この開腹、開胸手術に対して、お腹や胸に5㎜から1㎝の穴をいくつかあけて、その穴を通してお腹や胸の中をカメラ(腹腔鏡、胸腔鏡)で見ながら、はさみやピンセットの働きをする鉗子や電気メスなどの器具を使って手術する腹腔鏡手術、または胸腔鏡手術が近年発達しています。
この手術の大きな利点は従来の方法と比べて創が小さいので術後の痛みが少ない、回復が早いという点です。全ての症例に行えるわけではありませんが、この方法は患者さんにとって体への負担が少ない手術と言えます。

食道

食道癌

>診療グループ紹介

当施設では1992年から2010年までに約1400例弱の食道癌を切除してきました。
日本食道学会全国集計とは調査期間に8年のずれがあります。
ステージIIの3年生存率が73%でした。
近年では診断技術の向上によりstage0の手術症例や太田正穂講師による内視鏡粘膜下層剥離術の増加を認めます。 ステージ0では93%でした。2010年より大阪市立大学より大杉治司客員教授が着任しVATS(鏡視下食道切除術)を導入いたしました。
今後も食道癌手術症例の増加と生存率の向上が期待されます。

症例数(年次推移)

生存率

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胃癌

>診療グループ紹介

胃カメラで腫瘍を切り取るEMRとESDと開腹手術がほぼ同数です。
当センターでは腹腔鏡(内視鏡)手術はガイドラインにのっとり選択しています。
胃癌の全国集計は2001年が最終です。一方で当センターの集計は2000年から2010年です。この10年で約2000例の胃癌の手術を行いました。
内訳をみるとステージがすすんだ進行癌を積極的に切除しています。
当センターの5年生存率はステージIIで81.5%、IIIaで69%, IIIbでは51%と良好な成績でした。

症例数(年次推移)

腹腔鏡下胃切除術の内訳

生存率

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大腸

大腸治療内視鏡症例数(年次推移)

大腸内視鏡的粘膜下層剥離術(年次推移)

大腸癌手術症例数(年次推移)

大腸癌手術症例累積5年生存率

潰瘍性大腸炎・クローン病手術症例数(年次推移)

対象疾患

大腸癌、大腸腫瘍、炎症性腸疾患など大腸疾患全般

特徴

大腸グループでは大腸癌をはじめ潰瘍性大腸炎(UC)やクローン病などの炎症性腸疾患(IBD)を中心に診療にあたっております。板橋先生、井上先生のもと、消化器外科専門医5名、大腸肛門病学会専門医5名、内視鏡外科技術認定医3名の指導体制で専門的かつ最新の治療を行っております。手術は術前化学放射線療法(CRT)後の直腸癌、難易度が高いといわれている側方郭清や横行結腸癌症例も含め、大部分の症例で腹腔鏡下手術を行っています。昨年の主な手術症例数は、大腸癌158例(結腸癌 102例、直腸癌 56例)、UCおよびクローン病 43例などでした。
大腸癌に対しては根治性とともに機能温存も重視した過不足のない治療を基本方針としております。T1aまでの症例であればリンパ節転移の可能性が極めて少なく、EMRやESDなどの内視鏡的切除が適応となります。ESDは難易度が高く高度な技術を要しますが、腫瘍径の大きな腫瘍でも一括切除が可能な有用な方法です。昨年は12例にESDを行いました。また、直腸癌に対しては、EMRやESD以外にも従来から行っている経肛門的切除に加え、新たな方法としてtransanal minimally invasive surgery(TAMIS)も導入し、様々な手段で対応できる体制を取っております。
直腸癌のうちT3以深あるいはN(+)の下部直腸癌、いわゆる進行下部直腸癌に対しては術前CRTを行っております。CRTの主な目的は直接的な抗腫瘍効果による局所制御ですが、腫瘍縮小によるcircumferential resection margin(CRM)の確保や括約筋機能温存の可能性も期待できます。また、腫瘍下縁が下部直腸より低位の肛門管におよぶ腫瘍であっても、肛門挙筋への浸潤がなく、組織型が分化型で、外科的肛門管内の進展が固有筋層内に留まる症例であれば、究極の括約筋機能温存術といわれる、intersphincteric resection(ISR)でR0切除が可能です。厳密な適応のもとISRを行い腹会陰式直腸切断術(APR)症例は激減しております。
緊急で経肛門的減圧チューブ挿入や人工肛門造設が必要な大腸癌イレウスに対しては消化器内科と連携しステント挿入を積極的に行っております。ステント挿入のメリットとして、不安定な全身状態での緊急手術が回避でき大腸癌の病期評価を通常どうり行った後に待機手術が行えること、through the stentで本来不可能であった口側腸管の内視鏡観察が可能になることなどが挙げられます。手技は大腸ステント安全手技研究会のミニガイドラインに準拠して合併症なく行えています。
大腸癌と同様に潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患は年々増加傾向にあります。2009年に内科と外科との密接な連携をはじめ、チーム医療を充実させることを目的として、炎症性腸疾患センターを開設し診療を行っています。センターの特色を生かして、合同カンファレンスや回診などを定期的に行い、個々の患者様の病状に応じた至適な治療を行うよう心掛けております。潰瘍性大腸炎やクローン病は内科的治療が中心ですが、重症例や難治例、癌化例は外科的治療の対象となります。手術は基本的に腹腔鏡下手術を行っています。また、当施設は厚労省IBD班プロジェクト研究のメンバーでもあり、様々な多施設共同研究にも参加しております。
昨年、当院で1例目のRobot支援下手術が行われました。da Vinci Surgical Systemの特徴として、奥行き感のある鮮明な三次元ハイビジョン画像、手ブレ防止機能、自由度の高い多関節鉗子操作(Endo Wrist instrument)などのメリットがあり、大腸外科領域では、下部直腸癌症例、bulkyな腫瘍、狭骨盤例など、通常の腹腔鏡手術では難易度が高い症例での有効性が期待されています。1例目の症例は、下部直腸癌症例で超低位前方術を施行しfecal diversionは置きませんでしたが、合併症なく順調に経過し術6日目での早期退院が可能でした。Robotic Surgeryは、近日中に、保険収載される予定になっており症例数の増加が予測されます。現時点で10例のRobot支援下手術を行っております。

研究

大腸グループは2020プロジェクトして「下部直腸癌の局所再発を低下させる」、「StageIV大腸癌の予後を向上させる」、「同時性肝転移の残肝再発を低下させる」を掲げ、研究を続けております。このうち、下部直腸癌の局所再発を低下させる戦略として行っている術前CRTについては、現在までの登録症例数は約66例で、最新の調査での累積5年生存率は80%以上であり治療効果の手応えを感じております。
以下のような研究を行っています。

a. 最大径20mm以上の大腸腫瘍に対する各種内視鏡切除手技の局所根治性・偶発症に関する多施設共同研究
b. StageⅢb大腸癌に対する術後補助化学療法としてUFT/Leucovorin+Oxaliplatin併用療法のFeasibility試験
c. 大腸癌・同時性肝転移症例に対する術前、術後mFOLFOX6療法の有用法と安全性の検討
d. 治癒切除不能大腸癌に対するUFT/LV併用癌ペプチドワクチン療法の第一相試験
e. 下部直腸癌に対する術前化学放射線療法の有効性についての検討
f. K-RAS野生型切除可能大腸癌肝転移に対する術後補助化学療法mFOLFOX6と周術期化学療法mFOLFOX6+セツキシマブの第Ⅲ相ランダム化比較試験
g. 再発危険因子を有するStageII大腸癌に対するUFT/LV療法の臨床的有用性に関する検討
h. 大腸癌肝転移における抗癌剤効果規定因子に関する研究
i. 大腸ステント他施設共同前向き安全性観察研究
j. Niti-S大腸ステント他施設共同前向き安全性観察研究
k. 肛門近傍の下部直腸癌に対する腹腔鏡下手術の前向き第II相試験
l. 直腸癌に対するTAMISの導入
m. 大腸癌におけるOSNA®法(プール法)によるリンパ節転移検査の妥当性
n. 減圧を要するfStageⅡ/Ⅲ閉塞性大腸癌に対する術前大腸ステントの意義に関する研究
o. 5-アミノレブリン酸による大腸癌腹膜播種の腹腔鏡診断に関する臨床研究
p. 大腸癌術後再発におけるリスク変動に関与するバイオマーカーの検索
q. 細胞シート工学を用いた直腸癌術後縫合不全予防治療の開発
r. StageⅡ/ⅢおよびCROSS1/2の閉塞性大腸癌に対するBride to Surgery(BTS)
大腸ステントの長期予後に関する多施設共同無作為化臨床試験(COBRA Trial)
s. 直腸癌に対するDaVinci手術による機能温存に関する臨床研究
t. 直腸癌側方リンパ節転移MRI診断能に関する研究

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肝臓

原発性肝癌

>診療グループ紹介

当センターではこれまでに3000件を超える肝切除を行ってきました。
ウイルス肝炎がインターフェロンや抗ウイルス治療薬の発達で減少していることから原発性肝癌の手術症例は全国的に減少していますが、当センターでは2008年以降も減少していません。
1990年から2005年までの14年間で当センターで行った肝細胞癌1425例の内訳はステージIIが少なく、ステージIIIとIVaの進行癌を積極的に切除しています。
肝細胞癌では腫瘍だけでなく背景の肝疾患の程度によっても予後が決定されます。
たとえ再発しても患者さんの体力や肝機能にあった治療法を選択することで、ステージIIIとIVaの5年生存率は54%と26%と良好な成績となっています。

症例数(年次推移)

生存率

肝移植症例数

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膵・胆道

>診療グループ紹介

対象疾患

膵癌, 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN), 膵粘液性囊胞腫瘍(MCN), 膵神経内分泌腫瘍(P-NET), Solid-pseudopapillary neoplasm, 転移性膵腫瘍など

胆嚢癌, 肝門部胆管癌, 遠位胆管癌, 十二指腸乳頭部癌
先天性胆道拡張症, 膵・胆管合流異常症, 胆嚢/胆管結石, 肝内結石

特徴

膵・胆道グループでは、膵・胆道の悪性腫瘍や良性疾患に対して診療を行っております。日本肝胆膵外科学会の高度技能指導医2名、高度技能専門医3名の指導体制で専門的かつ最新の治療を行っております。手術は術前化学療法後の膵癌、難易度が高いとされる肝門部胆管癌の外科治療などに対して、積極的な治療を行っています。他の施設で切除困難とされた方々、併存疾患のために手術困難とされる方々に対しても、患者さんの全身状態を考慮し、他科の先生と相談しながら、安全性と根治性の両方を追求した外科治療を目指しています。昨年の主な手術症例数は、胆道癌35例、膵腫瘍 60例でした。そのうち腹腔鏡下膵体尾部切除を12例に行っており、鏡視下手術は年々増加しています(図1)。膵癌、肝門部胆管癌、胆嚢癌などの成績を示します。(図2、図3)
消化器内科の膵・胆道専門医や病理医と連携し、すべての膵・胆道疾患の診断から治療までを取り扱っています。手術では血管合併切除、リンパ節郭清、神経叢郭清などの根治性と膵周辺臓器の機能温存のバランスを考慮し、膵腫瘍に対しては血行再建を伴う膵頭十二指腸切除、尾側膵切除、膵全摘、膵中央切除、脾温存尾側膵切除、脾温存膵全摘などを、進行胆道癌に対しては広範囲肝切除、胆管切除や膵頭十二指腸切除などを、胆嚢/胆管結石や良悪性境界膵腫瘍に対しては腹腔鏡下の低侵襲手術を行っています。また、閉塞性黄疸に対する内視鏡的/経皮的胆道ドレナージ術、ステント留置術、胆管結石に対する内視鏡的乳頭切開術や切石術、術前門脈塞栓術なども行っています。外科治療だけでなく、化学療法、化学放射線療法、免疫療法、緩和治療などを組み合わせて、根治性だけでなく生活の質(QOL)とのバランスに配慮した集学的治療を目指しています。

【腹腔鏡下膵切除】
現在までに32例の腹腔鏡下膵体尾部切除を行っています。
腹腔鏡での胆嚢摘出が広く普及し全国的に行われておりますが、近年、膵臓の悪性度の低い腫瘍においても、徐々に腹腔鏡手術が導入されつつあります。腹腔鏡下膵体尾部切除除は、傷が小さいため整容性に優れており、からだへの負担を減らすことで早期離床、早期の社会復帰を目指した治療です。開腹手術に比較して深い術野の観察が容易であるという特徴も有しています。しかしながら、触診を行うことが困難であるため、術中超音波を併用し腫瘍の範囲診断を行って、手術を行う必要があります。

研究

膵・胆道グループは2020プロジェクトして「膵癌の生存率を20%向上させる」(図2)、「胆道癌の生存率を20%向上させる」(図3)を掲げ、研究を続けております。このうち、肝門部胆管癌の治療成績については、最新の調査での累積5年生存率はN0M0R0(リンパ節転移なし 遠隔転移なし 根治的切除)で累積5年生存率は約60%と治療成績の向上を認めております。

以下のような研究を行っています。

【多施設共同研究】
・肝胆道系悪性腫瘍の高感度診断システムの開発
・膵臓腫瘍の分子病理学的解析による新規分子診療標的の同定
・分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の前向き追跡調査
・膵 Solid Pseudopapillary Neoplasms(SPN)の後ろ向き調査
・Epidemiological population study of periampullary cancers; Korea-Japan-United States cooperative project
・進行胆嚢癌切除例における予後不良の因子の検討-多施設後ろ向き観察研究-
・根治切除後胆道癌に対する術後補助療法としてのS-1療法の第Ⅲ相試
・a. JCOG1113:進行胆道癌を対象としたゲムシタビン+シスプラチン併用療法(GC 療法)とゲムシタビン+S-1併用療法(GS療法)の第Ⅲ相比較試験
・胆管内乳頭状腫瘍,粘液性囊胞性腫瘍,乳頭型胆管癌の日韓大規模データ集計
・膵・消化管および肺・気管支・胸腺神経内分泌腫瘍の患者悉皆登録研究
・膵全摘患者に対する前向き実態調査
・膵癌の早期診断確立のための実態調査
・ボーダーライン膵癌に関する治療方針の実態調査ならびにボーダーライン膵癌の予後因子の解明
・全ゲノム配列解析・網羅的遺伝子発現解析による胆道腫瘍に関与する遺伝子異常の解明
・網羅的ゲノム解析による消化器神経内分泌腫瘍の原因解明と新規診断・治療法の開発
・家族性膵癌登録制度の確立と日本国内の家族性膵癌家系における膵癌発生頻度の検討
・微小浸潤(2cm以下)を伴う膵管内乳頭粘液性腫瘍の病期分類確立のための国際多施設共同研究
・早期ステージ膵臓がんにおけるゲノム解析による新規分子診療標的の同定
・分子ネットワーク解析による膵臓胆道腫瘍新規分子診断治療標的の同定
・膵臓癌の診療向上のための分子遺伝学的および分子疫学的研究
・腹腔鏡下膵切除術の安全性に関する検討〜前向き観察多施設共同研究〜

【単施設研究】
・膵癌に対するGemcitabine(GEM)plus nab-paclitaxel(nab-PTX)の治療成績
・MEN1を有する膵・十二指腸神経内分泌腫瘍の治療成績についての検討
・膵中央切除術後の膵機能の検討
・急性胆道炎発生時のCT動脈相における肝実質染まりムラの検討
・胆管内乳頭状腫瘍の臨床病理学的所見と画像の検討
・胆管内乳頭状腫瘍の臨床病理学的所見と治療成績の検討
・膵・胆管合流異常術後の長期経過に関する検討
・分子ネットワーク解析による膵臓胆道腫瘍新規分子診断治療標的の同定
・胆管癌細胞におけるケモカインレセプターの発現と転移の関連性の解析
・膵癌切除例の臨床病理学的解析
・Borderline resectable膵癌に対する術前治療
・膵菅内乳頭状粘液性腫瘍(IPMN)に対する外科治療
・膵神経内分泌腫瘍(pNET)に対する治療成績
・肝門部胆管癌に対する胆道ドレナージ別の治療成績
・胆管癌切除例における胆管断端 high grade dysplasia/carcinoma in situ の検討
・肝門部胆肝癌におけるmulti-detector CT導入による進展度診断向上の検討
・Peri-ampullary cancerに対するmeso-pancreas resectionの意義
・黄疸を伴う胆嚢癌の治療成績
・黄疸肝切除例における胆汁中ビリルビン量による肝機能評価
・急性胆道炎発生時のCT動脈相における肝実質染まりムラの検討
・総胆管結石症に対する胆管十二指腸吻合と胆管空腸吻合の長期経過
・膵・胆管合流異常症術後の肝内結石症例の検討
・膵・胆管合流異常術後の長期経過に関する検討
・胆道損傷症例の長期経過

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内視鏡外科手術

診療内容

内視鏡外科手術 1990年に腹腔鏡下胆嚢摘出術が日本で導入されて以来、内視鏡外科手術は胆嚢疾患のみならず、現在、様々な臓器の疾患に対し広く行われるようになりました。 当科でも早い時期から腹腔鏡下胆嚢摘出術を導入し、現在、胃や大腸など管腔臓器や肝臓や脾臓などの実質臓器に対しても内視鏡外科手術を行っています。
また内視鏡外科手術は、癌などの悪性腫瘍に対する根治的治療法の一つとして位置づけられ、胃癌や大腸癌を中心にリンパ節郭清を伴う手術(LDGなど)を行い、症例数は年々増加傾向です。

当院には4名の内視鏡外科技術認定医が在籍しておりますが、2012年より大阪市大大杉治司先生を客員教授として招聘し、食道癌への内視鏡外科手術も開始、さらに2014年4月より癌研究センタ-有明病院の比企直樹先生を客員教授に迎え、益々内視鏡外科手術を行う環境が充実してまいりました。
医局内に結紮縫合シュミレーターを常設、国内アニマルラボでの実習、また4~5回開催されるIRCAD主催のminimam invasive surgery海外講習へ積極的に参加しトレーニングを行い、平素より技術の研鑚を重ねております。
今後も当科鏡視下グループでは最新の技術を導入し、積極的に内視鏡外科手術を行って参ります。低侵襲な内視鏡外科手術をご希望の患者さんは、遠慮なく担当医へご相談下さい。

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免疫治療

診療内容

肝内胆管癌に対する樹状細胞癌ワクチン療法治療成績 消化器病センターの癌治療は外科手術のみならず、免疫療法や化学療法などを集結した統合的癌治療を実施しており、特に癌免疫療法では臨床試験を精力的に推進しております。
これまで先進医療として原発性肝がんに対して樹状細胞癌ワクチン療法を施行しており、再発予防を目的とした樹状細胞癌ワクチン療法で良好な成績を得ております。
(下図:肝内胆管がんに対する再発予防としてのワクチン療法の成績)
先進医療としての樹状細胞ワクチン療法は一度休止とし、今年度からは、肝がんに対する肝移植後の再発予防としての細胞療法の臨床試験を多施設共同研究として準備中です。

また細胞療法を免疫抑制療法へ応用する臨床試験も多施設共同研究として準備しており免疫細胞療法の新たな可能性にチャレンジしております。またワクチンによる治療のみならず新しい腫瘍マーカーの探索などにも力を入れているのが現状です。
臨床試験の開始時期等につきましてはホームページ上に公開していく予定です。 治療を御希望の方はホームページをご確認ください。

肝内胆管癌に対する樹状細胞癌ワクチン療法治療成績 樹状細胞癌ワクチン療法をご希望の患者さんはご遠慮なく担当医までご相談下さい。
なお、先進医療にかかる費用は実費となり、保険適用にはなっておりません。 当院での樹状細胞ワクチン療法は当院にて外科手術を受けられた方が対象となります。

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再生医療

診療内容

口腔粘膜上皮細胞シート 再生医療グループでは、本学先端生命医科学研究所と共同で、消化器領域における再生医療の研究を進めています。
当科では、早期食道癌の内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)後の食道狭窄に対し、患者さんの自己口腔粘膜組織から作製した細胞シートをESD後の潰瘍面に移植することで、食道を再生させ、食道狭窄を抑制するという新たな治療法を世界に先駆けて開発しました。

すでに本法における臨床応用を10例行い、安全性と良好な成績を報告しました(Ohki:Gastroenterology.2012)。
この先進的治療法は、2010年12月26日に放送されたTBSの「夢の扉」や2011年1月10日放送されたNHKの「プロフェッショナル~仕事の流儀~」にも紹介されました。

現在、国内では長崎大学病院と共同で、スーパー特区制度を用いた空輸による細胞シート治療、ノーベル生理学・医学賞を選定する施設であるスウェーデンのカロリンスカ研究所と共同で、バレット早期食道癌のESDやラジオ波焼灼療法(RFA)に応用する細胞シート治療を開始しています。
新しく「再生医療推進法」(平成26年5月11日公布)、改正薬事法(医薬品医療機器法)、再生医療安全性確保法(再生医療新法)(平成26年11月27日公布)が成立し、再生医療が条件・期限を付して早期に承認可能となったため、速やかに患者さんに提供できるように臨床研究を推進していく予定です。

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肝移植

診療内容

肝移植は2011年末で日本で6642件実施されている、半年以内に死亡するはずの肝臓病末期の患者さんの7割が10年以上ほぼ正常の社会生活を送ることができる医療です。
費用は、生体肝移植も脳死肝移植も保険診療で、2010年より肝移植後患者さんは身体障害者1級となり診療費が厚く補助されます。
肝臓病末期で黄疸、腹水、消化管出血、脳症、むくみ、全身倦怠感、出血傾向、息切れ、尿量減少などがあれば既に肝移植が必要な状態です。 未だにこのような患者さんに、既に保険診療である肝移植について説明を躊躇する先生方が少なくありません。 現在診ていただいているお医者さんが移植の話を切り出さない場合には、紹介状がない場合余分に診療費がかかりますが、「ちょっと話を聞いてみよう」と電話で江川教授の外来予約を取って気軽に受診してください。

東京女子医科大学は、諸事情で2009年に肝移植を中断しましたが、2011年4月に京都大学より江川教授が 着任し、その9月から再開し、2015年5月末で脳死肝移植を含めて消化器病センターで38例の成人生体肝移植と1例の脳死肝移植を実施しました。
江川教授は米国で200例の脳死肝移植、京都大学で1300例(うち子供600例)の生体肝移植と10例の脳死肝移植を経験している日本の現役の教授の中では最多の経験を有する日本を代表する肝移植医です。 その経験を生かし、当センターにおいて、右葉肝移植や血液型不適合肝移植や維持透析、高度感作、門脈完全閉塞などの困難な移植を次々成功させています。
また、その成績が評価され再開後たった2年で脳死肝移植施設に認定されました。

江川教授は患者さんと心を繋ぐことを大切にしています。紹介いただいた患者さんとその家族に、コーディネーターとともに必ず自分で面談して「肝移植のイロハ」から説き起こして時間をかけて情報提供します。
当センターでの移植を希望されますと、消化器病センター内科に入院して詳細な検査を行い移植に向けた全身管理を万全にして肝移植に臨みます。
これまでに、関東、北陸、東海地方、沖縄の患者さんが肝移植を受けました。
消化器病センターは「ふるいにかける医療」ではなく「一人でも多くすくう医療」を目指しています。
他施設で断られた患者さんは、あきらめることなく、ぜひ受診していただきたいと思います。生体移植であれ、脳死移植であれわずかでも可能性を探り希望をつなげていきます。

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