各臓器別診療グループ紹介 - 消化器外科

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食道

対象疾患

  • 食道癌
  • 食道粘膜下腫瘍
  • 食道アカラシア
  • 食道裂孔ヘルニア(胃食道逆流症)
  • 食道憩室など食道疾患全般

特徴

東京女子医科大学消化器病センター創立者である中山恒明教授が専門とされた領域であり、遠藤光男教授、井手博子教授らにより世界に最新の食道癌治療を発信してきました。
本年度より大阪市立大学より大杉治司教授を常勤としてお迎えし新体制でスタートいたしました。
大杉治司教授は食道癌手術に鏡視下手術を導入された第1人者であり、食道癌手術における手術侵襲の軽減(疼痛の軽減と肺炎の予防)だけでなく、鏡視下手術による拡大視効果を利用したリンパ節徹底郭清をおこなうことにより各ステージ別の生存率の向上に貢献されました。
大杉教授のもと、成宮准講師をチームリーダーとし、食道外科専門医3名、食道科認定医4名、食道内視鏡手術技術認定医1名で化学療法および放射線化学療法も含め、安全で効果的な食道癌治療を心がけております。
また食道癌の診断と早期食道癌に対する内視鏡的粘膜剥離術は内視鏡科太田講師を中心として診療にあたっていますが、回診やカンファレンスも同じチームで行い、緩和医療を含め内科外科の隔たりのないチーム医療が大きな特徴です。

教育

食道癌患者について画像診断によるStagingと併存疾患を考慮し、治療方法について最新の臨床腫瘍学的知見をもとに症例検討を行い治療戦略を練っています。
また、食道切除術は大きな手術であり術後管理が重要でICUでの人工呼吸器操作や肺炎に対する予防のため、手術前より看護師、臨床技師を含めた呼吸器チーム、口腔外科チーム、嚥下チーム、NSTチームによるカンファレンスを行い、チーム医療の強化に力をいれています。
そのため、外部から講師をお招きし定期的な講習会を行っております。

研究

臨床研究としては日本最大の多施設共同研究グループである日本臨床腫瘍グループ(JCOG)食道癌グループに所属しており、プロトコールに適応した場合は登録し治療を行っています。
化学療法はドセタキセル・シスプラチン・5-FU(DCF)療法を取り入れ、また最新の治療としてペプチドワクチンの治験が開始される予定です。
基礎的研究として癌の微小転移や化学療法の効果予測因子に対する研究はドイツケルン大学との交流にて成果をあげています。
また再生医療として大木講師による食道粘膜下層剥離術(ESD)後の粘膜欠損部への細胞シート付着を臨床ですでに行っています。

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胃

胃癌は「治る病気」でしょうか?胃癌の手術は「簡単」ですか?
1881年ビルロートがヒトに対する幽門側胃切除を成功させて以来胃癌手術はもっとも歴史ある消化器外科手術であり、日本においても1897年近藤次繁により最初の胃癌切除が行われてから先達の多大な努力の結果胃癌治療は目覚しい進歩を遂げました。
しかしながら未だに「治る」といえるのは早期癌のみで進行癌については今なお5年生存さえ厳しいのが現状です。
歴史の長さと頻度の高さ故に胃癌外科は軽く見られがちですが、我々がなすべきことはまだまだ沢山あります。
より多くの命を救うために山本主任教授の掲げるプロジェクト2020の目標達成に向けて精進しています。

対象疾患

主に癌、GISTなどの悪性疾患

特徴

  1. センター方式による診断から治療、フォローアップまでの完結
  2. high volume centerの一つとしての豊富なデータと臨床経験
  3. 内視鏡的手術(ESDなど)*
  4. 内視鏡外科手術
  5. 緩和ケアとしての積極的な外科的関与
  6. エビデンスを尊重しつつ患者一人ひとりに最適な医療を提供

*内視鏡に関しては診断のみならず内視鏡的切除なども習得できます。

教育

消化器病センターの伝統の継承と治療の進歩のため若手の教育にも尽力しています。
日本において胃癌は高頻度疾患であるため消化器外科医として胃癌手術を避けて通ることはできません。
したがって全ての若手外科医にレベルの高い胃癌手術を習得してもらいたいと願っています。

  1. チームカンファレンスに参加
    検査を「する」だけでなく「読む」力を養う。所見を評価し治療計画を立案・実行する。
  2. 患者や家族への説明
    初めは上級医師の説明につくことから。
  3. 手術への参加
    リンパ節郭清を含む定型的胃切除術の習得。内視鏡的切除術の習得
  4. 周術期管理
    多くの症例、高リスク症例につくことで経験値を上げる。

研究

大目標として、「StageIII/IV症例の治療成績向上」「再発リスクが高いStageI/II症例の予測診断」「高齢者への安全な手術」を掲げ、研究を立案・実行しています。

  1. 全麻下ESD適応の検討
  2. StageI/II胃癌再発症例の検討
  3. StageⅡ/Ⅲ胃癌に対する術前化学療法
  4. StageIV/根治度C切除後長期生存例の検討
  5. CY1胃癌に対する大量腹腔内洗浄療法の検討
  6. 高齢者胃癌に対する術式の検討
  7. フローサイトメトリーによる消化器がん細胞診断支援に関する観察研究
  8. 噴門側胃切除後食道胃吻合再建、食道空腸間置再建の工夫
  9. 生体インピーダンス法による予後予測因子としての体組成評価の有用評

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大腸

対象疾患

大腸癌、大腸腫瘍、炎症性腸疾患など大腸疾患全般

特徴

1, 内視鏡的治療法

大腸 近年、大腸内視鏡を担当する医師と外科手術を担当する医師が分担して行うことが多く、両者を第一線で行う医師は少なくなったと言えます。
これでは、早期癌などそれぞれの担当医師のオーバーラップするご病気を有する患者様の対応などで患者様に不利益が生じる可能性は否定できず、内科の医師が内視鏡的治療を行った後、万が一合併症が生じた場合に外科の医師に担当が変わるなどこれも患者様の不安を感じさせる可能性があります。

大腸 われわれは安定剤や痛み止めなどのお薬を使用しなくてもほぼ無痛・短時間(2-4分)で盲腸まで挿入する大腸内視鏡挿入法、および5cmをこえるような大きなポリープの内視鏡治療法(図1、2)も、多くの学会発表を行ってきました。
内視鏡的治療と外科切除にはそれぞれ治療の適応がありますが、どちらでも治療可能な場合、両者の治療法にはそれぞれ一長一短があり、十分な説明を行い相談の上患者様納得の上希望の切除法を選択する技術があります。
合併症を生じて外科治療が必要な場合はもちろん担当させていただきます。

2, 外科的治療法

外科的治療法は、根治性を考えながら患者様の生活の質(QOL)を考慮する手術法を重視するようになりました。
とくに直腸癌手術で顕著であり、以前は手術後に膀胱機能障害(排尿しずらいこと)や性機能障害(インポテンツや射精障害など)を生じることがありましたが、最近は自律神経を温存する手術法の普及でこのような術後障害は激減いたしました。
また超低位前方切除術や内括約筋切除術などの手術の技術や吻合法の工夫により、かなり肛門に近い病変でも永久人工肛門を回避できるようになりました(図3~5)。

大腸 大腸 大腸

大腸 近年、大腸癌手術のほとんどは、腹腔鏡下に行われております。
この場合もっとも大きな傷も4cm程度と小さい傷で手術でき、この4cmの傷の大半はおへその上下を切りますので、術後しばらくすると傷はほとんど目立たなくなり、美容的に優れているというだけでなく、患者様の回復も早く、入院期間も短縮できるという特徴があります。
また、大きな画面で手術が可能なため(拡大視効果といわれております)より繊細な手術が可能です。

大腸 潰瘍性大腸炎などの大腸全摘術も同様に約4cmの傷で手術が可能です。
炎症性腸疾患の患者様は若い方も少なくなく、美容面に優れた腹腔鏡手術は有用と思います。
以前は、大腸の腹腔鏡手術は早期癌を中心に普及してきましたが、大部分の進行癌にも適応可能です。
下部直腸癌は術後局所再発が多くいという問題がありましたが、術前に化学放射線療法を行うことで腫瘍を縮小させ(図6、7)、確実な腹腔鏡下手術を行うことで、局所再発例も激減しました。
化学放射線療法を行っただいたい7割の腫瘍が半分以下に縮小しています。

大腸 大腸グループには2名の日本内視鏡外科学会の技術認定医が在籍しており、当センターでの腹腔鏡下手術は、必ず技術認定医のもとに手術を行っています。
さらにダヴィンチを用いた直腸癌に対するロボット手術も施行可能な体制が整っております。
ご希望がございましたら相談いただければ幸いです。
また、転移・再発に対する外科治療・化学療法も積極的に行っています。

教育

まず、後期研修においては、基本的に外来業務はありませんので、すでに診断のついている入院例の管理を行います。
術前検査の行い方、検査の所見の読み方、実際の手術に立ち会い、その手技を学び、そして術後管理の習得を行います。癌専門病院では対処困難な重度な併存症を有する症例も多く、術前・術後管理の習得は後期研修の重要な課題のひとつです。
その後、実際に大腸グループに配属されるのは卒後5年目移行になります。
配属された場合大腸グループでは、原則的に大腸内視鏡も担当することとなり、外科にいながら、たくさんの症例を経験できます。
大腸内視鏡の挿入から、診断やポリペクトミー、EMR、ESDといった治療も豊富に経験できます。
大腸疾患を中心とした外科的手術も年間200例以上あり、豊富な症例を経験することができます。
日本外科学会、日本消化器外科学会、日本消化器内視鏡学会、日本大腸肛門病学会などの専門医・指導医の取得を目指します。
手術のほとんどは腹腔鏡で行っており、日本内視鏡外科学会の技術認定医になることも大きな目標のひとつです。
また、積極的に国内外の学会・論文発表も行い、博士号の習得のための研究も行います。

研究

以下のような研究を行っています。

  • a. 最大径20mm以上の大腸腫瘍に対する各種内視鏡切除手技の局所根治性・偶発症に関する多施設共同研究
  • b. StageⅢb大腸癌に対する術後補助化学療法としてUFT/Leucovorin+Oxaliplatin併用療法のFeasibility試験
  • c. 大腸癌・同時性肝転移症例に対する術前、術後mFOLFOX6療法の有用法と安全性の検討
  • d. 治癒切除不能大腸癌に対するUFT/LV併用癌ペプチドワクチン療法の第一相試験
  • e. 下部直腸癌に対する術前化学放射線療法の有効性についての検討
  • f. K-RAS野生型切除可能大腸癌肝転移に対する術後補助化学療法mFOLFOX6と周術期化学療法mFOLFOX6+セツキシマブの第Ⅲ相ランダム化比較試験
  • g. 再発危険因子を有するStageII大腸癌に対するUFT/LV療法の臨床的有用性に関する検討
  • h. 大腸癌肝転移における抗癌剤効果規定因子に関する研究
  • i. 大腸ステント他施設共同前向き安全性観察研究
  • j. Niti-S大腸ステント他施設共同前向き安全性観察研究
  • k. 肛門近傍の下部直腸癌に対する腹腔鏡下手術の前向き第II相試験

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肝臓

対象疾患

  • 肝悪性腫瘍(肝細胞癌、肝内胆管癌、転移性肝癌など)
  • 肝良性腫瘍(肝血管腫、限局性過形成性結節など)
  • 肝硬変、先天性代謝性肝疾患などの肝移植適応疾患
  • 門脈圧亢進症
  • 脾臓疾患

などの肝・脾・門脈疾患全般

特徴

肝臓は腹部臓器に中では一番大きな臓器であり、様々な役割を果たしています。?
本邦における悪性疾患死亡者のうち肝臓悪性新生物は男性第4位、女性6位です。?
しかし、ウイルス肝炎がインターフェロンや抗ウイルス治療薬の発達で減少していることから原発性肝癌の手術症例は全国的に減少していますが、当センターでは2008年以降減少していません。?
一方で胆道癌が増加しています。以前の肝切除は非常に危険で高度の技術を要するものでしたが、当科の前教授・講座主任である高崎健先生が考案したグリソン鞘一括処理による系統的肝切除により、飛躍的に肝切除の成績は良好になりました。?
また肝癌の根治性も高まりました。現在も基本術式として当科のみならず日本から世界に広まっています。?
当センターでは1997年から2010年の14年間で肝細胞癌1425例の肝切除を行ってきました。?
内訳はステージIIが少なく、ステージIIIとIVaの進行癌を積極的に切除しています。?
また、2005年より小さな創での肝切除、腹腔鏡下肝切除を開始しており、肝切除の約10-15%に行っており、生体肝移植も60例以上の実績があります。

他にも当グループの特徴として肝癌外科治療のみならず、メスを使わない治療も積極的に取り入れた総合的肝癌治療も目指しています。?
これは、ラジオ波焼灼療法(RFA)、経カテーテル的肝動脈塞栓術(TAE)をはじめとして、インターフェロン療法や経口抗癌剤治療(sorafenib)、放射線治療、癌免疫療法(活性型Tリンパ球移入療法、樹状細胞療法)、また良性疾患の胃食道静脈瘤治療を行っておりテーラーメード治療が十分に行い得るグループであります。?
現在は約10名のスタッフで30~35ベッドを受け持っています。年間の肝癌治療実績は別表をご参照ください。

このような体制で肝癌初回治療のみならず、その後の経過観察、術後残肝再発治療においてもすべて外科グループが担当しています。

教育

教育 肝癌治療における画像診断、RFA、TAEなどの内科的治療、肝切除においての人材育成には力を入れて行っています。
特に、高度な技術を要する肝切除を安全、確実に行い得る外科医を育て、専門医として認定する「高度技能医制度」を制定した日本肝胆膵外科学会の担当理事を当科の山本教授・講座主任が務めています。

研究

臨床研究としては様々な角度からのプロジェクトを立ち上げています。
また今後は他大学との共同臨床研究の輪を拡げて活動していきます。

  1. 大腸癌同時性肝転移症例に対する術前術後mFOLFOX6療法の有用安全性
  2. 肝切除に対するBCAA製剤を用いた術前術後の栄養療法
  3. ヒト肝臓からの肝細胞分離、ならびに同細胞を用いた基礎的研究
  4. 肝静脈合併肝切除後の残肝静脈環流領域の機能障害に関する検討
  5. 高分化型肝細胞癌におけるマイクロRNA発現の解析およびさおの役割に関する検討
  6. 細胞質染色法を応用したリンパ球混合試験を用いたアルゴリズムに基づく免疫抑制療法の臨床応用
  7. 多発肝嚢胞症例の現状に関する調査研究と治療法確立に向けた臨床研究
  8. 肝切除術時の中心静脈圧軽減のための前向き介入研究
  9. 初発肝細胞癌の肝切除療法における分岐鎖アミノ酸製剤の肝癌再発抑制効果に関するランダム化比較臨床試験

また以外にも多施設共同の研究も進行中です。

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胆道

対象疾患

  • 胆嚢癌
  • 肝門部胆管癌
  • 遠位(中下部)胆管癌
  • 十二指腸乳頭部癌
  • 胆嚢/胆管結石
  • 肝内結石
  • 先天性胆道拡張症、膵・胆管合流異常症
をはじめとする胆道疾患全般

特に難治性疾患である胆道癌や先天性胆道拡張症は本邦でも有数の症例数を誇っています。

特徴

高度進行胆嚢癌に対する肝右葉切除+膵頭十二指腸切除 胆道グループの特徴としては胆道疾患の診断から治療まで様々な検査、手技を行っていることがあげられます。
他施設では消化器内科医、内視鏡医や放射線科医が担当するような閉塞性黄疸に対する内視鏡的あるいは経皮的胆道ドレナージ術やステント留置術、胆管結石に対する内視鏡的乳頭切開術や切石術などのIVR (インターベンショナル・ラジオロジー) 手技、内視鏡手技も、当教室では胆道グループが担当しています。
また外科手術としては胆嚢/胆管結石などの良性疾患に対する内視鏡外科手術といった低侵襲手術から、進行胆道癌に対する広範囲肝切除、胆管切除や膵頭十二指腸切除などの拡大手術まで、あらゆる胆道疾患に対し治療を行っています。

教育

定期的にグループカンファレンスを行い、個々の胆道癌症例における進展度診断、全身状態や機能温存を考慮して、術式を立案するトレーニングを行っています。
胆道造影、ドレナージやステント留置といった手技の実践と指導も行なっています。
外科手技として、胆道癌手術に必要な血管の剥離や処理法、肝切除や膵頭切除の手技、胆道再建、膵腸吻合、門脈再建などの手技の指導を行っています。
胆道癌の手術で侵襲の大きい場合に、様々な術後合併症を生じやすいことが知られていますが、病院内の栄養サポートチーム、感染対策科医師や呼吸管理チームと十分な相談の上で管理を行い、対策をたてるようにしています。

研究

未だに難治癌とされる胆道癌の治療成績向上のために、下記の様々な臨床研究を行っています。

  1. 胆道悪性腫瘍におけるWFA-sialyl MUC1による診断システム開発(他施設共同)
  2. 肝門部胆管癌に対する胆道ドレナージ別の治療成績
  3. 胆道癌外科治療における予後不良因子の検討(他施設共同)
  4. 肝門部胆管癌に対するAnterior approachの検討
  5. 遠位胆管癌の時期別成績の検討
  6. 胆管内乳頭状腫瘍切除例の臨床病理学的検討
  7. Epidemiological population study of periampullary cancers(他施設共同)
  8. Peri-ampullary cancerに対するmeso-pancreas resectionの意義
  9. 黄疸を伴う胆嚢癌の治療成績
  10. 黄疸肝切除例における胆汁中ビリルビン量による肝機能評価
  11. 急性胆嚢炎診断、重症度評価におけるCT動脈相の評価
  12. 急性胆嚢炎 手術難易度評価の検討
  13. 総胆管結石症に対する胆管十二指腸吻合と胆管空腸吻合の長期経過
  14. 膵・胆管合流異常症術後の肝内結石症例の検討
  15. 胆道損傷症例の長期経過

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膵臓

対象疾患

  • 膵腫瘍(膵癌、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)
  • 膵粘液性?胞腫瘍(MCN)
  • 膵漿液性?胞腫瘍(SCN)
  • 膵神経内分泌腫瘍(P-NET)
  • Solid-pseudopapillary neoplasm(転移性膵腫瘍など)
  • 膵炎(壊死性急性膵炎、膵膿瘍、慢性膵炎など)

をはじめとする膵疾患全般

特徴

SMA神経叢郭清を伴う 幽門輪温存膵頭十二指腸切除消化器内科の膵グループや病理医と連携しながら、すべての膵疾患の診断から治療までを取り扱っております。
手術ではリンパ節郭清、血管合併切除、神経叢郭清などの根治性と膵および十二指腸、胃、胆管、脾などの膵周辺臓器の機能温存とのバランスを常に考慮して、血行再建を伴う膵頭十二指腸切除、尾側膵切除、膵全摘などの郭清手術から十二指腸温存膵頭切除、膵中央切除、脾温存尾側膵切除、十二指腸・胆道・脾温存膵全摘などの臓器温存手術まで多種多彩な手術を行っています。

胆道・脾・十二指腸温存膵全摘 また、膵癌などの悪性腫瘍に対しては外科治療だけでなく、化学療法、化学放射線療法、免疫療法、緩和治療などを組み合わせて、根治性だけでなくQOLにも配慮した集学的治療を行っています。

教育

画像診断を中心とした術前診断から術後の病理診断まで、一人の患者様の全経過に関与したトレーニングをしています。
手術においては外科的手技だけでなく、周術期管理の習得、術式選択、手術のアプローチ法などを考えるトレーニングもしています。
卒後6-7年から各種膵切除の第一助手を、卒後7-8年から尾側膵切除や膵頭十二指腸切除などの術者として経験が始まります。
また、国際学会も含めた各種学会、研究会にも積極的に参加し、知識や技術の向上に努めるとともに学外関係者との交流も積極的に行います。
そして、各学会専門医や学位の取得をめざして日々精進します。

研究

膵癌に対する効果的な集学的治療法の開発(外科切除、化学療法、化学放射線療法、免疫療法をいかに効果的に組み合わせるかなど)、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の手術適応や術式選択、臓器機能温存術式の意義など幅広い臨床病理学的な研究の他、消化器内科や統合医科学研究所と共同で豊富な切除標本材料を用いた分子生物学的解析など、臨床に直結した研究を行っております。

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内視鏡外科手術

診療内容

内視鏡外科手術 1990年に腹腔鏡下胆嚢摘出術が日本で導入されて以来、内視鏡外科手術は胆嚢疾患のみならず、現在、様々な臓器の疾患に対し広く行われるようになりました。
当科でも早い時期から腹腔鏡下胆嚢摘出術を導入し、現在、胃や大腸など管腔臓器や肝臓や脾臓などの実質臓器に対しても内視鏡外科手術を行っています。
また内視鏡外科手術は、癌などの悪性腫瘍に対する根治的治療法の一つとして位置づけられ、胃癌や大腸癌を中心にリンパ節郭清を伴う手術(LDGなど)を行い、症例数は年々増加傾向です。

当院には4名の内視鏡外科技術認定医が在籍しておりますが、2012年より大阪市大大杉治司先生を客員教授として招聘し、食道癌への内視鏡外科手術も開始、さらに2014年4月より癌研究センタ-有明病院の比企直樹先生を客員教授に迎え、益々内視鏡外科手術を行う環境が充実してまいりました。

医局内に結紮縫合シュミレーターを常設、国内アニマルラボでの実習、また4~5回開催されるIRCAD主催のminimam invasive surgery海外講習へ積極的に参加しトレーニングを行い、平素より技術の研鑚を重ねております。

今後も当科鏡視下グループでは最新の技術を導入し、積極的に内視鏡外科手術を行って参ります。低侵襲な内視鏡外科手術をご希望の患者様は、遠慮なく担当医へご相談下さい。

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免疫治療

診療内容

肝内胆管癌に対する樹状細胞癌ワクチン療法治療成績 消化器病センターの癌治療は外科手術のみならず、免疫療法や化学療法などを集結した統合的癌治療を実施しており、特に癌免疫療法では臨床試験を精力的に推進しております。
これまで先進医療として原発性肝がんに対して樹状細胞癌ワクチン療法を施行しており、再発予防を目的とした樹状細胞癌ワクチン療法で良好な成績を得ております。
(下図:肝内胆管がんに対する再発予防としてのワクチン療法の成績)
先進医療としての樹状細胞ワクチン療法は一度休止とし、今年度からは、肝がんに対する肝移植後の再発予防としての細胞療法の臨床試験を多施設共同研究として準備中です。
また細胞療法を免疫抑制療法へ応用する臨床試験も多施設共同研究として準備しており免疫細胞療法の新たな可能性にチャレンジしております。またワクチンによる治療のみならず新しい腫瘍マーカーの探索などにも力を入れているのが現状です。
臨床試験の開始時期等につきましてはホームページ上に公開していく予定です。
治療を御希望の方はホームページをご確認ください。

肝内胆管癌に対する樹状細胞癌ワクチン療法治療成績 樹状細胞癌ワクチン療法をご希望の患者様はご遠慮なく担当医までご相談下さい。
なお、先進医療にかかる費用は実費となり、保険適用にはなっておりません。
当院での樹状細胞ワクチン療法は当院にて外科手術を受けられた方が対象となります。

肝内胆管癌に対する樹状細胞癌ワクチン療法治療成績

肝内胆管癌に対する樹状細胞癌ワクチン療法治療成績

手術単独群に対し手術後ワクチン群は無再発生存率・累積生存率の向上を認めた
J Hepatobiliary Pancreat Sci (2012) 19:171?178

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再生医療

診療内容

口腔粘膜上皮細胞シート 再生医療グループでは、本学先端生命医科学研究所と共同で、消化器領域における再生医療の研究を進めています。?
当科では、早期食道癌の内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)後の食道狭窄に対し、患者様の自己口腔粘膜組織から作製した細胞シートをESD後の潰瘍面に移植することで、食道を再生させ、食道狭窄を抑制するという新たな治療法を世界に先駆けて開発しました。?
すでに本法における臨床応用を10例行い、安全性と良好な成績を報告しました(Ohki:Gastroenterology.2012)。?
この先進的治療法は、2010年12月26日に放送されたTBSの「夢の扉」や2011年1月10日放送されたNHKの「プロフェッショナル~仕事の流儀~」にも紹介されました。?

現在、国内では長崎大学病院と共同で、スーパー特区制度を用いた空輸による細胞シート治療、ノーベル生理学・医学賞を選定する施設であるスウェーデンのカロリンスカ研究所と共同で、バレット早期食道癌のESDやラジオ波焼灼療法(RFA)に応用する細胞シート治療を開始しています。
新しく「再生医療推進法」(平成26年5月11日公布)、改正薬事法(医薬品医療機器法)、再生医療安全性確保法(再生医療新法)(平成26年11月27日公布)が成立し、再生医療が条件・期限を付して早期に承認可能となったため、速やかに患者様に提供できるように臨床研究を推進していく予定です。

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肝移植

肝移植は2011年末で日本で6642件実施されている、半年以内に死亡するはずの肝臓病末期の患者さんの7割が10年以上ほぼ正常の社会生活を送ることができる医療です。
費用は、生体肝移植も脳死肝移植も保険診療で、2010年より肝移植後患者さんは身体障害者1級となり診療費が厚く補助されます。
肝臓病末期で黄疸、腹水、消化管出血、脳症、むくみ、全身倦怠感、出血傾向、息切れ、尿量減少などがあれば既に肝移植が必要な状態です。
未だにこのような患者さんに、既に保険診療である肝移植について説明を躊躇する先生方が少なくありません。
現在診ていただいているお医者さんが移植の話を切り出さない場合には、紹介状がない場合余分に診療費がかかりますが、「ちょっと話を聞いてみよう」と電話で江川教授の外来予約を取って気軽に受診してください。

東京女子医科大学は、諸事情で2009年に肝移植を中断しましたが、2011年4月に京都大学より江川教授が 着任し、その9月から再開し、2015年5月末で脳死肝移植を含めて消化器病センターで38例の成人生体肝移植と1例の脳死肝移植を実施しました。
江川教授は米国で200例の脳死肝移植、京都大学で1300例(うち子供600例)の生体肝移植と10例の脳死肝移植を経験している日本の現役の教授の中では最多の経験を有する日本を代表する肝移植医です。
その経験を生かし、当センターにおいて、右葉肝移植や血液型不適合肝移植や維持透析、高度感作、門脈完全閉塞などの困難な移植を次々成功させています。
また、その成績が評価され再開後たった2年で脳死肝移植施設に認定されました。

江川教授は患者さんと心を繋ぐことを大切にしています。紹介いただいた患者さんとその家族に、コーディネーターとともに必ず自分で面談して「肝移植のイロハ」から説き起こして時間をかけて情報提供します。
当センターでの移植を希望されますと、消化器病センター内科に入院して詳細な検査を行い移植に向けた全身管理を万全にして肝移植に臨みます。
これまでに、関東、北陸、東海地方、沖縄の患者さんが肝移植を受けました。
消化器病センターは「ふるいにかける医療」ではなく「一人でも多くすくう医療」を目指しています。
他施設で断られた患者さんは、あきらめることなく、ぜひ受診していただきたいと思います。生体移植であれ、脳死移植であれわずかでも可能性を探り希望をつなげていきます。

肝移植成績

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