Q&A ご質問にお答えします

弁膜症関連のご質問

Q.

弁形成術と弁置換術の違いは?

A.
弁形成術は、緩んだ部分を切り取ったり、弁を引っ張る腱索を人工的に作るなどして形を整え修復して、弁がちゃんと閉じるようにする手術です。弁の形体によっては高度な技術を必要としますが、弁置換術に比べて術後に血栓ができる危険性が低く、回復が早いという利点があります。また、心臓の機能も保たれます。特に僧帽弁閉鎖不全症では早い時期に弁形成術をすると合併症も少なく、回復も早いので、当院では早めに手術されるようお勧めしています。ただし、手術時間が弁置換術に比べ長くなる場合もあり、高齢者や合併症のある方には弁置換術をお勧めすることもあります。

弁置換術
は、状態の悪い弁を切除し、人工弁を取りつける手術です。 人工弁にはカーボンでできた機械弁と動物の組織を使った生体弁があります。 機械弁は、血が固まりやすいので、血栓予防の薬を永久的に飲み続けなければなりません。生体弁は、耐用年数があるため、再手術が必要になる可能性が高くなります。

大動脈弁は弁の形状などから修復が難しく弁置換術が主流ですが、僧帽弁は90%以上に弁形成術が可能です。


Q.

検診で心臓弁膜症と言われました。すぐに手術が必要ですか?

A.
いつの時点で、どの手術をするのが最も良いかを見極めるのは重要なポイントになります。 心臓の状態とともに、全身の状態、年齢や生活を考慮した、総合的な判断が必要です。 経験のある当院の医師に相談してください。当院では、セカンドオピニオンとして、手術法から時期について的確なアドバイスを行ないます。

冠動脈バイパス関連のご質問

Q.

オフポンプバイパス(OPCAB)術とは?

A.
従来、バイパス手術は人工心肺装置(ポンプ)を使い、心臓を停止させて行っていました。この方法では、完全な静止視野が得られるため血管の縫合が容易です。しかし、人工心肺を使用すること、心臓を停止させることは、人体への負担が大きいことから、心臓を止めずにバイパス手術を行う方法が研究されてきました。 結果、専用の器具が開発され、ポンプを使うことなく心臓も止めずにバイパス手術を行うことが可能となりました(ポンプを使わないで行うので、オフポンプバイパス術と言われます)。
ただし、心臓を動かしたままでの手術は、優れた器具を使っても困難な点があり、手技的にはより高度な術式といわれています。したがって世界中で全てオフポンプバイパス手術が行われているわけではなく、また、日本においてもオフポンプバイパス手術比率は約70%です。
当院では2000年からオフポンプバイパス術を導入し、これまでに約600人の患者さんに対して施行してまいりました。現在、バイパス手術は、100%オフポンプバイパス術で行なっています。

血管関連のご質問

 
Q.

動脈瘤のステント治療とは?

A.
本邦での大動脈瘤に対するステントグラフト治療は、腹部大動脈瘤に対して2007年1月、胸部大動脈瘤に対しては2008年7月に保険適応となり、手術件数が年々増加しています。
従来の人工血管置換手術に比べ、カテーテルの技術を使用するので手術創が小さく体にかかる負担が少ないという利点があります。術後の回復が早く入院期間も短くて済みます。ご高齢の方や、他に併存症がある方には有利な方法です。一方、ステントグラフト周辺や、瘤のなかにある動脈の枝からの血流が動脈瘤内に残存することがあり、手術のような確実性はありません。また、動脈瘤のできた部位や形、動脈硬化の程度によってはステントグラフト治療が難しい場合もあります。近い将来には手術と、ステント治療の件数の比率が、1:1になるのではないかと予測されております。 個々の患者様に対し、手術とステント治療とどちらが適しているかをよく検討し、最良の治療法を選択することが重要です。

Q.

下肢閉塞性動脈硬化症は、どんな病気ですか?

A.
動脈硬化が原因で、下肢の動脈が細くなったり、つまったりして血流が悪くなる病気です。足が冷たい、足の色が悪い、歩くと足が痛くなる、足の傷が治りづらいなどの症状が出ます。これらのうち"歩くと足が痛くなって休むと痛みが治まる"という症状は間欠性跛行といってこの病気の代表的な症状です。
外来で簡単にできる検査ですぐに診断できます。血流の低下が疑われるなど、今後の方針を決定する必要がある場合は、さらに造影CT検査やMRI検査を行い、血管の形状をみせていただきます。
治療には薬物治療(点滴、内服)、カテーテル治療(ステント)、バイパス手術、ハイブリッド治療があります。
技術の進歩に伴い、体に負担の少ないカテーテル治療の適応が増えていますが、手術でなくては直せない場合もあります。ハイブリッド治療は、カテーテル治療とバイパス手術それぞれの利点を生かしながら組み合わせて行なわれます。

全般的なご質問

 
Q.

手術は、何日くらい入院が必要ですか?

A.
外来で施行可能な検査を行った後、およそ手術日の2日前(ただし、ワーファリン内服の方は4日前)に入院していただきます。入院後は必要に応じて追加検査を行います。また、医師から手術方法や危険性などについての説明(インフォームド・コンセント)を受けて、承諾いただいたうえで手術を行います。術後はは1~2日間、集中治療室(ICU)に滞在したのち一般病棟に戻ります。一般病棟に戻ってからはリハビリテーションをおこない、術後検査で異常が無い事を確認します。退院は通常、術後10~14日程度です。



Q.

手術の費用について

A.
心臓血管手術に実際にかかる費用は非常に高額ですが(250万~800万円)、高額医療費制度により1ヶ月の医療費の自己負担限度額が設けられており、それを超えた分は保険で賄われることになっています。患者様の負担を軽減するために下記の制度があります。
医療費の負担について詳しいご相談をご希望の方は、医療社会相談室のソーシャルワーカーにご相談ください。
【 お問合せ先 】医療社会相談室 03-3810-1111 (内線:3141・3142)

高額療養費制度(リンク先より詳しくは厚生労働省ページをご参照ください)
  健康保険を使って診療を受けた時の、1ヶ月(暦月:月の初めから終わりまで)の医療費の支払いが一定の額(自己負担限度額)を超えると、超えた分が高額療養費として、各健康保険から支給されます。  

加入している保険者にあらかじめ申請をして、限度額適用認定証の交付をうけることにより、1ヶ月(暦月)の病院への支払いを自己負担限度額までにすることができます。その結果、病院窓口での支払いの負担を軽減することになります。

1か月の自己負担限度額(70歳未満の方)
  所得状況によって異なります。 各健康保険組合へお問い合わせ下さい。
 
該当者 1ヶ月の自己負担限度額

上位所得者

150,000円+(かかった医療費-500,000円)×1%

一般世帯

80,100円+(かかった医療費-267,000円)×1%

税非課税世帯

35,400円

高齢者の医療費助成(70歳以上の方)
  1ヶ月の自己負担限度額を超えた場合は、限度額までの支払いとなります。
食事療養費(260円/食)や室料は別途、自己負担となります。
 
該当者 1ヶ月の自己負担限度額
現役並みの所得者
一般世帯
80,100円 +(かかった医療費-267,500円)×1%
一般世帯 44,000円
住民税非課税世帯 34,600円(15,000円※)
自立支援医療(更生医療)
  18歳以上の身体障害者手帳を取得されている方で、手術が必要な方が対象です。
原則として手術の為の入院前に必ず申請が必要です。
負担額は医療費が原則1割負担になります。(所得により負担に上限額があります。)
申請先:居住地の区市町村役場 障害福祉担当課


Q.

セカンド・オピニオンについて

A.
ご自分の病気、受けている診断や治療方法について、より理解を深めるために、ご自身が診療を受けている医療機関以外の専門医に意見や助言を求め、情報を集めることです。それによって、現在、受けている診断・治療法を納得して診療をうけることができます。
通常、セカンドオピニオンでは、相談者のお話と現在の主治医からの検査資料、画像資料をもとに相談をお受けし、新たな検査を行わないのが原則ですが、当院では弁膜症の場合、担当教授が実際に心エコーを見て判断を下すようにしておりますので、当日心エコーは、とり直していただいております。セカンドオピニオンとしての費用は発生いたしません。