関節リウマチの生物学的製剤レミケードによる治療 - 東京女子医科大学東医療センター整形外科 井上和彦・神戸克明 -

腰椎椎間板ヘルニアはどのような病気でしょうか?

椎間板とは、腰の骨と骨の間にある軟骨で「腰が動く」ための組織です。腰を動かすたびに、椎間板が変化することで、体全体がバランスよく動いています。
この椎間板が傷んだ結果、中心にある「髄核」と呼ばれる組織が、背中側に飛び出した状態を「椎間板ヘルニア」と呼びます。とくに、椎間板の背中側には神経(「馬尾神経」と呼びます)が存在するため、この神経がヘルニアで圧迫されると下肢の痛み・しびれなどの症状が出現します。ヘルニアが神経を圧迫することで神経のまわりに炎症が起きることも痛み・しびれの原因となります。年間10万人あたり46.3人が発症し、男女比は約2-3対1で男性に多く、好発年齢は20-40歳です。


椎間板ヘルニアは、3-6ヶ月の経過で自然と消失してしまうこともあります。また、炎症が落ち着くことで、圧迫されていても症状が改善することがあり、半数以上のヘルニアの患者さんは手術をせずよくなります。

詳細については、日本整形外科学会が作成した「患者さんのための腰椎椎間板ヘルニアガイドブック 南江堂1200円(図)」を参照ください。

 

どのような治療がありますか?

腰椎椎間板ヘルニアは、自然に小さくなり消失するものもあることから、まずは安静にして、そして薬の内服やブロック治療など手術以外の治療で症状を軽減させながら自然に改善することを待ちます。

しかし、症状が強く生活に支障がある場合や症状が進行し脱力などの麻痺がひどい場合、また長期間経過したにもかかわらず症状が改善しない場合などは、ヘルニアを摘出する手術治療を検討します。当院では、傷口が小さい、出血が少ない、筋肉などを骨から剥離しないので回復が早い、術後の痛みが少ないなどの理由から内視鏡による手術を行っています。

どのような手術を行うのでしょうか?

術式:内視鏡下ヘルニア後方摘出術
 腰の背中の皮膚を切開して、右の図のように内視鏡用のチューブを体の後方から挿入して腰椎に到達します。椎弓と呼ばれる骨の一部と黄色靭帯を切除し、馬尾神経が包まれている硬膜管と神経根を展開します(右図)。この硬膜管と神経根をよけることで椎間板ヘルニアを確認し摘出します(右下図)。ヘルニア摘出、骨片切除後に神経根の圧迫が取り除かれていることを確認します。内視鏡での操作でトラブルが生じたり、手術操作に時間がかかると判断したりした場合には、皮膚切開を加えて通常の形で手術を行います。
 最後に、十分に清潔な生理食塩水で洗浄し、血抜きの管(「ドレーン」と呼びます)を置いて、筋膜、皮下組織、皮膚を縫って手術創を閉じて手術を終了します。

 手術時間は、通常1時間半程度です。しかし、手術操作は十分注意して行うため、さらに時間がかかることがあります。また、手術前に麻酔をかけ、うつぶせにして準備する時間と、手術後にあおむけにして麻酔から覚ます時間がそれぞれ30分から1時間程度かかります。


手術によりどのくらいよくなるのでしょうか?

手術により神経の圧迫が取り除かれることで、痛みの大部分が早くに改善すると考えられます。しかし、神経の圧迫を取り除く手術であり、圧迫されて障害された神経そのものに対して治療はできないため、神経障害がどの程度回復するかはその程度によります。そのため、重症な神経障害である脱力は、改善するとしても長い時間が必要となります。また、軽い神経障害でも生じることが多いしびれは、程度は軽くなっても残りやすいと言えます。

手術にはどのような合併症があるのでしょうか?

手術は、病気の根本的な治療であり有用ですが、以下のような合併症があります。可能性は低いのですが、その危険を十分に理解した上で治療を受けることが大切です。詳細については、外来にてご相談ください。

1) 出血
2) 血腫形成
3) 神経障害
4) 硬膜損傷
5) 感染
6) 創部のしびれおよび痛み
7) 深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症
8) 腰椎椎間板ヘルニアの再発
9) 腰椎椎間板の障害の残存
10) 麻酔の危険性
11) そのほか

脊椎・脊髄外来のスタッフ・診察時間

千葉純司(教授)

和田啓義

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・火曜日AM
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