頚椎症性脊髄症はどのような病気でしょうか?

首は7つの骨(「頚椎」と呼びます)で構成されています。頚椎は、「頭を支える」「動く」「神経を守る」という機能があります。頭を支えるとともに動くことを長い間続けると、すなわち年齢とともに、動く部分である骨や軟骨に変化が起こってきます。この変化を「変形性頚椎症」といいます。

さらに変化が進みますと本来守るべき神経である「脊髄」を圧迫することになり、さまざまな症状が出現します。脊髄には脳と体をつなぐほとんどの神経が通っているため、手足のしびれ・痛みや手指の動きづらさ、足のしびれ、つまづきやすいなど多彩な症状が出現し、このような神経の症状を脊髄症と呼びます。

頚椎症性脊髄症の症状は、脊髄が圧迫されて生じる ①手・腕の症状 ②足・脚の症状 ③排尿・排便の異常と、変形による ④首の症状に大きく分けられます(下図)。



症状が出現するのは、50歳前後が多いと言われています。症状はさまざまな経過をたどりますが、急速に進むことはあまりありません。しかし、いったん症状が出現した場合は、徐々に進行することが多いと言われています。

どのような治療がありますか?

脊髄症が出現し、自然によくならない場合には手術治療が選択されます。
手術治療の目的は、脊髄神経の圧迫を取り除くことにあります。脊髄神経自体を回復させる治療は現代の医療では存在しないため、圧迫を取り除いて回復できる環境を整えて、自然に回復するのを期待します。

どのような手術を行うのでしょうか?

術式: 頚椎椎弓形成術

首の後ろの皮膚を12cmほど縦に切開します。頚椎についている筋肉を切り離して、頚椎を広く展開します。頚椎の椎弓と呼ばれる部分の左側を切り離し、扉を開くようにして神経の通り道を広げ、開いた部分に頚椎から切除した骨を入れて固定します。最後に、頚椎から切り離した筋肉を縫い合わせ、皮膚を縫い合わせて終了します。
麻酔は,麻酔科管理のもと全身麻酔で行います。手術時間は、約3時間です。麻酔は仰向けでかけて、そのあとうつぶせになり手術を行います。終わりましたら、仰向けになり麻酔からさめます。以上の作業も入れると全体で4時間ぐらいかかる予定です。

手術によりどのくらいよくなるのでしょうか?

手術により神経の圧迫が取り除かれることで、現在ある症状の6-7割程度が改善されると考えられます。しかし、神経の圧迫を取り除く手術であり、圧迫されて障害された神経そのものに対して治療はできないため、神経障害がどの程度回復するかはその程度によります。そのため、重症な神経障害である脱力は、改善するとしても長い時間が必要となります。また、軽い神経障害でも生じることが多いしびれは、程度は軽くなっても残りやすいと言えます。

手術にはどのような合併症があるのでしょうか?

手術は、病気の根本的な治療であり有用ですが、以下のような合併症があります。可能性は低いのですが、その危険を十分に理解した上で治療を受けることが大切です。詳細については、外来にてご相談ください。

1) 出血
2) 血腫形成
3) 神経障害
4) 硬膜損傷
5) 感染
6) 創部のしびれおよび痛み
7) 深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症
8) 腰椎椎間板ヘルニアの再発
9) 腰椎椎間板の障害の残存
10) 麻酔の危険性
11) そのほか

脊椎・脊髄外来のスタッフ・診察時間

千葉純司(教授)

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