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関節リウマチの生物学的製剤レミケードによる治療

- 東京女子医科大学東医療センター整形外科 井上和彦・神戸克明 -

手指の変形が出る前に

 関節リウマチの骨の破壊は発症してから約5年で75%は始まるとされており、最近では約2年ですでに骨が壊れ始めると言われております。従来は関節リウマチと診断されるまですでに2〜3年かかってしまいましたが、近年では早期の段階で診断も行えるようになりました。早期の段階で治療にとりかかることで飛躍的に治療成績もあがっています。
近年開発され日本にも2003年7月から始まっているレミケードによる治療では、このリウマチを治してしまうという勢いでその治療効果が立証されてきております。

 関節リウマチでは、関節局所にリンパ球などの攻撃性免疫細胞が増殖することによって、さまざまなサイトカインと呼ばれる生理活性物質が量産されることによりおこります。その一つが腫瘍壊死因子(TNF-α)と呼ばれるものです。生物学的製剤というのは、この腫瘍壊死因子(TNF-α)を抑えるもので、リウマチによる骨破壊の進行をくい止めてくれます。
リウマチには段階がありまして、手指の変形が出ていない早期とすでに指の変形が始まっている進行期に分けますと、早期ではこのレミケードを使うと劇的に炎症が抑えられ、骨の破壊がストップします。半年以上炎症がゼロになればこの薬を止めて飲み薬などで維持できます。進行しているリウマチに対してはそれ以上破壊が進まない様に炎症をコントロールしていき、これもまた半年以上炎症がゼロになればこの薬を止めることもできます。

骨破壊が治った例

 レミケードは約2ヶ月に1回の点滴で3〜4時間かかるため、できれば半日あるいは1日入院で行います。当センターでは平成18年9月現在111名の関節リウマチの患者さんにレミケードを使用して治療を行っております。東京都内以外にも石川県や新潟県など遠方から点滴をしにいらっしゃる患者さんもいます。リウマチはこれまで治らない病気と考えられてきましたが、生物学的製剤の登場により大きく変わって参りました。寛解(かんかい)といって日常生活に支障がないことはもとより、完全な仕事復帰も可能となってきています。手や足の指が腫れてきたり、朝のこわばりが出てきたりした場合は、リウマチも疑い、手指の変形が出る前に是非ご相談下さい。
 当センター整形外科ではリウマチ外来として、初診は電話予約にて承っております。

[参考文献]
手術療法と生物学的製剤
神戸克明、井上和彦
リウマチ科 35:445-448,2006.

生物学的製剤(インフリキシマブ)の有用性
神戸克明、井上和彦
骨・関節・靱帯 18:535-539,2005.

東京女子医科大学東医療センター整形外科
TEL:03−3810−1111
内線2141,2142


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